強い想いが後世に、DANCE EARTH PARTY 出会いから生まれるもの
INTERVIEW

強い想いが後世に、DANCE EARTH PARTY 出会いから生まれるもの


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年03月14日

読了時間:約15分

フラダンスの難しさ

――「Anuenue」の歌詞はSUNNY BOYさんとの共作ですが、どういった作業を?

Dream Shizuka

USA ハワイ島の自然とか、ワードをたくさん入れたいなと思いました。最初に出て来たのは「雨」「雲」「山」「風」「花」「アロハ(愛)」などです。ハワイのダンスといえばフラなんですけども、フラというのはまだ写真や映像がない時代に旅人が見た景色や大切なことを、歌や踊りにして王様に捧げたという歴史があるんです。

 僕らも見た景色を歌や踊りにして届けたい想いがあるので、すごく僕らと重なりました。なので、すごく自然を感じられるような歌詞を入れたいなと。人生は楽しいことも辛いことも同じくらい起こるんです。

 辛い時をいかに楽しむかで、辛いことが半分になって、喜びは倍にして楽しむことが出来たら人生ハッピーなんじゃないかなと。聴いてくれた人がそういう気持ちになるような言葉を入れたいなと思いました。悲しいことはずっとは続かないですから。それを感じながら光を目指していこうということです。

――確かにずっとは続かないですよね、先ほどフラダンスの歴史についてお話して頂きましたが、踊り自体の難易度は高いのでしょうか。

USA 優雅に踊っているイメージがあるので入りやすいとは思われるのですが、これが奥が深いんです。単純に足腰が辛いですし、指先まで表現しなければいけないのと、アロハで心が満たされているような表情じゃないといけなかったり。

――それは意外でした。

USA 僕自身もゆらゆらと踊っているイメージだったので、実際に踊ってみてびっくりしましたね。『メリー・モナーク・フェスティバル』というハワイ島のヒロという場所で開催される一番大きな大会があるのですが、それを観に行った時に「あのフラでこんなに盛り上がっているんだ」と衝撃を受けましたから。

――エキサイティングな空間だったんですね。

USA まさにエキサイティングです。何十人ものダンサーが踊った瞬間や歌詞のある部分で歓声が上がったり、レイの花の香りが風に乗ってすごく広がって来たり。(編注=レイとは花で装飾された首飾り)

TETSUYA 踊って見て奥が深いなと思いました。結局、簡単なダンスってないんですよね。フラというのは僕らがやっているヒップホップだったり、ブラックカルチャー、ストリートダンスとはちょっと違って、日本でいうと雨乞いとか祈りのダンス、神聖な感じがするイメージです。

 撮影で訪れた時に出会ったフラの先生の言動とかを見ていると、ただ音楽に乗って楽しんでいるだけの踊りではなくて、動き全てに意味があると思いました。何百年も続いているということは、僕らが知らない歴史がすごく絡んでいるんだなということが感じることができました。

――続いていくものには意味が絶対にあるんですよね。

TETSUYA そうですね。例えばHIROさんが作ったEXILEにも、そういった信念があったからこそ、DEPとしてもUSAさんがいて僕とShizukaちゃんがいる。脈々と思い深く続けていけば、長く歴史を持てるのかなと思います。始まりは一人の強い想いがあったからこそ、後世に繋がっていくんだということを考えると、もっと意味深くやっていかなければいけないんだなと思いました。

 違う土地で新しい踊りに触れる時には、その人たちの言葉を聞いたり、踊りを見て心から真似てみるというのがまずは大事なのかなと。

――きっとそれは全てに通じることかもしれませんね。Shizukaさんはこの曲のレコーディングはどのようにして臨みましたか。

Shizuka 技術的にこだわった部分はありましたが、曲に込められた想いはシンプルだったので、歌詞の世界観や伝えたいメッセージを理解するというのは、すんなりと出来たかなと思います。自分自身が感じたような想いを、聴いてくださった人が私の声から感じ取ってもらえるかというのが大切なので、何度も録ったものを聴いて、その時感じたものを大切にレコーディングして行きました。

――この「Anuenue」という言葉は日本人は馴染みがないので、発音も難しそうですね。

Shizuka そうなんです。タイトルにもなっている言葉で、馴染みがない言葉ではあるのですが、どうやったら届くかということも大切にしました。

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