一緒になって進む、たこやきレインボー どんな楽曲もたこ虹色に
INTERVIEW

一緒になって進む、たこやきレインボー どんな楽曲もたこ虹色に


記者:長澤智典

撮影:

掲載:18年02月20日

読了時間:約16分

「一緒に行こう」とみんなの手を引っ張る

――今回のレコーディング中、その場で歌い方のアドバイスをもらったり?

堀くるみ

彩木咲良 楽曲を作ってくださった方が仮歌も歌ってくれていて。たとえば「卒業ラブテイスティ」だったら、曲を作ってくださった大塚 愛さん自ら歌を入れてくれていました。どの曲も歌うイメージはつかみやすかったです。

――「卒業ラブテイスティ」には、売られていくたこ焼きの悲哀を投影しています。アンニュイな楽曲に乗せて歌ったあの歌詞は、とてもユニークですよね。

堀くるみ 歌詞だけを読んだら、焼かれているたこ焼きが、焼いてくれているお店の店長に恋しちゃう内容です。でも、出来上がったらお客さんのもとへ売られてしまうから「さよなら」をするという切ないもので。

 実は、いろんな捉え方の出来る歌詞なんです。もちろん、恋愛の出会いと別れにも捉えられれば、時期的に卒業ソングとしても聞けるし、「自分を変えたい」という意味での卒業ナンバーのようにも受け止められて、その人の気持ち次第でいろんな受け止め方の出来る曲だなぁと思いました。

彩木咲良 そうだね。誰の中にも「自分自身、何かから卒業したい気持ち」ってあると思うんです。それが、「嫌なことからの卒業」や「今の自分が置かれている状況からの卒業」だったり。

 私たちもそうですけど、聞いてくださる人たちも「卒業ラブテイスティ」を聞くと背中を押されると言いますか、一歩前へ進む勇気が出る。そういう気持ちになるお手伝いの出来る、前向きな曲だと思います。

――背中を押す楽曲から、メンバー自身の気持ちに寄り添える歌、聞いてくれるリスナーの心情にぴったりな歌など、本当にいろんな表情を詰め込みましたよね。

彩木咲良 私たちも、「いろんな角度からの応援ソングが詰まってるアルバムだなぁ」と思いました。

堀くるみ 1stアルバム『まいど!おおきに!』の頃は、うちら自身が新しい曲に挑戦し、それをみなさんにお届けする形だったんです。今回の『ダブルレインボー』は、聞いてくださるみんなのために作った曲もいっぱいあって、お客さんたちと私たちが一緒になって進んでいけるアルバムになったなと思います。

彩木咲良 「一緒に行こう」と、手を引っ張っていくアルバムです。

――今作は、メンバー自身はもちろん、いろんな世代の人が聞いても「そうだよなぁ」と胸に響く歌詞を詰め込んだ作品だと感じています。それぞれ、印象に残った歌詞はありますか?

彩木咲良 「Whoop It Up! 」と書いて「フピラ」と読む歌があるんですけど。私は、この曲がすごく好きなんです。歌詞の内容は、「卒業ラブテイスティ」に少し似ているんですけど。「卒業ラブテイスティ」が「一緒に行こうね」と優しくそっと手を伸ばしている歌なら、「Whoop It Up!」は「声を上げろ!」という意味のように、女の子が武装して目の前の壁を打ち破って行く内容。その力強さが、めっちゃ好きです。

春名真依 歌が進むごとに歌詞がどんどん力強くなっていって、メンバーの魂の叫びじゃないけど、心の強さが歌にも現れてるなと思う。

――そんな、まいまい(春名真依)の好きな歌詞は、ありますか?

根岸可蓮

春名真依 私が好きな歌詞は、「輝け!おっサンシャイン!」の中の、<人はみんな誰かのために生きてるんや>のところ。そこに、なんかジンッと来て…。この曲は、世の中すべてのおっさんに捧げる全力アンセムなんです。曲調だけを捉えたら、これまでのたこ虹テイストにすごく近いんですけど、歌詞は私たちとはまったくかけ離れてて。でも、やっぱし私たちも感じることがあると言いますか…。

 人生って、いろんなことがあるじゃないですか。誰だって挫けそうになったり、挫折した経験ってあると思うんです。しかも、みんな誰かのために生きてる部分は絶対にあると思って。「輝け!おっサンシャイン!」のように、おっさんになると自分の家族のことを思って生きて、それがあるからこそいい人生を送れたり。そういうのを感じたら、心がジワーッとなりました。

――<のり弁食べて ほながんばろか>ってね。

春名真依 そういう姿って、絶対に子供の前では見せないじゃないですか? 私たちも、家の中でのお父さんの姿しか見てないからこそ、「輝け!おっサンシャイン!」を聞きながら、子供には見せないお父さんの心の強さや働く気持ちの強さを知って、「かっこいいな」とすごく思いました。

――「Pa Pa Pa Party」の中で、<(まいまい)のお家に集合です>とありました。みなさんも、メンバーの誰かの家に泊まってガールズトークをすることもあるのでしょうか?

堀くるみ 誰かの家に泊まる以前に、いつも一緒にいるからいっつもおしゃべりはしてるけど。ガールズトークをしようにも、なんせうちらネタがないので(笑)。

春名真依 みんな、妄想で恋愛ガールズトークをしています。

彩木咲良 そこはみんな経験がないから、どうしても妄想ばっかになってしまうな(笑)。

春名真依 どういう相手がいいとか、こういうデートが理想みたいに、妄想でトークに花咲かせることはあります。

彩木咲良 「そんな奴おらんやろ!!」とかな(笑)。

堀くるみ 他にも、友達の噂話とか。それこぞ、「この子とこの子付き合ってんねんな」みたいな。

彩木咲良 でも、学校の友達の噂話をメンバー内でされても、「その子、誰やねん?」となるけどな(笑)。

堀くるみ 女の子ならみんなそうやと思います。みんなでパーティしようとか、みんなでガールズトークで盛り上がろうという以前に、みんなでいることが楽しいんです。実際、トークの内容とかどんなことでもいいし、アホみたいなことばっかしゃべってるし。でも、それが楽しいんですよね、女子は。

清井咲希 女の子どうしでないと話せないことってあるじゃないですか。そういう気持ちや雰囲気も、「Pa Pa Pa Party」には詰まってるなと思いました。

――そんな、さきてぃ(清井咲希)のお気に入りの歌詞は?

清井咲希 私は「卒業ラブテイスティ」の<あなたから卒業します>という言葉。ホントに何も飾っていないからこそ、心にその言葉がスーッと入ってきたんですね。この楽曲では、メンバーみんな、あまり表に感情を出さないように歌ったんです。

 私、普段はけっこう歌に入り込んで、感情的に歌ってしまうタイプなんですね。その理由もあるのか、MV撮影のとき、何度も歌を聞きながら撮影してくうちに、どんどん歌詞に気持ちが感情移入しちゃって、心の中で泣いていました。だから、MVでは涙を流してないだけで心で泣いてたから、なんか微妙な表情をしてるんです。

彩木咲良 うるうるキテたもんな。

清井咲希 MVの中で、私が微妙な表情をしているところは、私が心で泣いてるからだと思って観てください。それに<あなたから卒業します>の捉え方もメンバーそれぞれに違うと思います。私は「大切な人から自分は旅立ちます」みたいなイメージを思い浮かべて歌いました。あっ、だからそんな気持ちになってしまい、心で泣いていたのかもしれない。

――みなさんは、<あなたから卒業します>の言葉をどんな風に受け止めました?

堀くるみ 「殻に閉じこもった自分を卒業。一歩勇気を持って踏み出して希望を見つける」がMVのテーマだったから、私は「今の縛られている自分の状況から一歩踏み出す」と捉えていました。

彩木咲良 私は、「一人立ちする」ってイメージ。「いつかは私も親元から離れて一人立ちしなきゃいけないんだろうな」と思う気持ちでした。

春名真依 私はラブソングとして受け止めて歌入れしました。MV撮影のときにも、「相手から別れようと言われてしまった。本当は好きだけど、私自身も自分の力でその人から卒業しなきゃいけない」という切ないイメージを思い浮かべながら撮影に臨みました。

根岸可蓮 私もレコーディングのときには、「あなたから卒業します」という失恋の気持ちで歌ってたんです。MVの撮影って、当たり前だけど、私にカメラが向いたら、その画面に私の表情が映るじゃないですか。だから、その姿を見ながら「自分の弱い部分から卒業したるわ」みたいな気持ちでした。

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