一緒に生み出していきたい
――その言葉ですが、インタビューでも「言葉が苦手」と話されていました。
言葉は本当に「難しいな」と今でも思います。私、直観人間だったので、計画を立てることとか、頭の中で考えてそれを言葉に落とし込むという事も、凄く苦手だったんですよ。空気を和ませたり、ふわっとさせる方が好きだったので。緊張感が伝わるような現場は苦手だし、面と向かって話し合うのもちょっと苦手で。今までそういう事が目の前に起きると、自然と避けちゃう自分がいたんですね。なので今回、インタビューを受けている時に「一語一語が大事になる作品だな」と感じていました。
言葉のセレクトには物凄く気を使いました。どうやったらより多くの人に同じような感情で「伝わるかな」と思うと、やっぱりセレクトは大事になってきます。そんな事も考えてインタビューをした事がなかったので、そういった意味では今までとは違った言葉を残せたのかなと思います。
――よく音楽は人によって捉え方は違うということを聞きますが、写真集も人によって捉え方は変わるのでしょうか。
全然違うと思います。やっぱり皆それぞれで好きなページが違うように、読み終わった後に何が残るのかというのは読んだ人にしか分からないものだと思うんですよね。だからその感想を聞くのが面白いというか、イベントとか、ファンの方が直接伝えてくれるのが凄く楽しみです。
――ファンから聞いてまた新たな発見があるんですね。
そうですね。意外にも「凄く小っちゃく写っていた、ここの千晃ちゃん好き」と言われたり。だからこういうのが喜んでもらえるんだって思うと今後そういった表情をした自分を大きくするようになったりとか、ファンの人からの発見も凄く多いですね。
――さて、先ほどスタート地点に立ったと話さていましたが、今後はどのような活動をされていきますか。
いままで、音楽を通して皆さんに色んなことを伝えてきました。いつも、誰かの幸せに繋がる、楽しい事を繋げる、という事を心において活動をしてきたので、その根本は今も変わらないと思うんです。ただ、それが音楽を通してなのか、それともモデルとしてなのかということであって。
メイクや美容は、自分でやるものが凄く好きで、研究するのも大好きだから、まずはそっちの方に力を入れて、ファンの皆さんに、楽しい事や幸せに思う事を発信できたら良いなと思っています。
――それはこれまでのファンの方もそうですが、同じ経験をされたママたちにも?
そうですね。一緒に学んでいきたいですし、私が知ったことがあれば伝えたいです。音楽でも、私たちは、知識豊富なスタッフさんに支えられてやってきて、それで色々と学べる事も多くありました。「これだけの素晴らしい世界があるんだよ」という事をファンの皆さんにも伝えていきたいと思っています。
それは音楽だけでなくて、ファッションや美容もあります。そうした美容の観点からも、女性がキラキラと輝けるための仲介人になってそれを皆で共有して「その世界で一緒に楽しもうよ」と。そのような人になれたらいいなと思っています。一緒に何かを生み出すとか、お互いに発信したり、良い関係を築いていきたいです。
【取材=木村陽仁/撮影=冨田味我】