ねごと

 ねごとが30日、都内でおこなわれた、映画『トリガール』(9月1日公開)野外イベントに登場し、主題歌「空も飛べるはず」などを熱唱した。イベントには主演の土屋太鳳と矢本悠馬もスペシャルゲストとして登場、同曲を共に歌った。

 映画は人力飛行サークルを舞台にした、青春エンターテインメント映画。琵琶湖でおこなわれる年に1度のコンテストに向け、その青春の全てと情熱をかけて挑む若者たちの姿を描く。土屋はその主人公・ゆきなを、矢本はサークルをまとめる設計責任者・古沢を演じている。

 あいにくの雨模様のこの日だったが、イベントが始まると雨は止み、そのなかで、ねごとがミニライブをおこなった。スピッツの名曲でもある主題歌「空も飛べるはず」を、空気に溶け込むような伸びやかで優しい歌声で歌い上げると、挿入歌「ALL RIGHT」では一転。疾走感のあるアップテンポなメロディで弾けるようにパフォーマンス、集まった観衆もリズムを刻むように体を動かしていた。

 会場はデパートの屋上。どんよりとした雲が立ち込めたものの、残暑厳しいこの日にはありがたく、涼しい風が流れていた。パフォーマンスを終えたねごとのボーカル・蒼山幸子は「風が吹き抜ける場所と『空も飛べるはず』は似合っているというか。太鳳ちゃんがMVに出ているんですけど、こういうビル街というか空を飛んでいる内容なのでリンクして気持ち良く歌わせて頂きました」と振り返った。

熱唱する土屋太鳳と矢本悠馬

 スペシャルゲストとして土屋太鳳と矢本悠馬が登場。ステージ袖で、演奏を楽しく聴いていたという土屋は「青空も見えていますね。秋の空を感じるようなそんな素敵な場所で皆さんにお会い出来て嬉しい。ねごとさんの歌が素晴らしくて…皆さんと一緒に心のフライトを感じて欲しい」と挨拶。

 そんな土屋は晴女とも言われているが「晴女ですね。でも毎日撮影をしているとどうしても雨の日もでてしまうんですけど、きょうは心配だったので良かったです。濡れずに…」と観衆を気遣った。

 改めてねごとのライブを聴いて土屋は「心に羽が生えました。『空も飛べるはず』は名曲じゃないですか。それと一緒に空も飛びたくなる気持ちになる『ALL RIGHT』も聴けて幸せでした」と語れば、矢沢は「後ろで太鳳が手を広げて歌っていて、マネージャーはそれ以上に踊っていましたからね」と裏話も明かした。

 映画を彩る今回の2つの曲だが、主題歌と挿入歌に決まったのは、完成間近だったという。蒼山は「ほぼ作品が出来ている状態で、映像を頂いて、このシーンで挿入歌を流したいと聞いていたので、映画の全貌が分かる状態で作らせて頂いたので楽しかった。太鳳ちゃんのパワーがすごくて。まくしたてるシーンが多くて、まくしたての勢いが物語を動かしている感じがあったので惹き込まれた」と語った。

イベントに出席したねごと、土屋太鳳、矢本悠馬ら

 一方の土屋は「撮影している時は音が付いていないので、どんな音になるのかなとワクワクしていた。歌って凄いと思うんですね。パワーが」と音楽の力を改めて感じたと明かすと、矢本は「全編通して僕、ふざけしかやっていないので、この作品で人が感動してくれるのかなと不安はあったけど、ねごとさんの力で僕の芝居をかき消してくれたので、有難うございます」と冗談を交えて振り返った。

 もともと「空も飛べるはず」が好きだったという蒼山。「スピッツさんが大好きだった。物心ついた時からナショナルアンセムぐらいで。やらせてくれるのは人生でなかなかないのでお引き受けしました。ねごとの色を出すというよりかは、素敵な曲なので、受け継ぐような、原曲の良さをそのまま伝えられるようなカバーにしたいなと思っていました」とカバーするうえで心掛けた点を明かした。

 土屋も「本当に飛びたくなります。柔らかくて背中を押してくれるというか。背中を押してくれるような歌声で素敵」と絶賛。矢本も「小学校の合唱コンクールでも歌っていた曲。物語とドンピシャだった」と映画の世界観に合っていたとした。

 一方の挿入歌「ALL RIGHT」については「監督さんがねごとを好いてくださって、書き下ろすときに具体的なオファーをくださって、テンポ感や構成、ねごとの既存曲ならこれに合う、というように。それをくみ取りながら今の自分達のサウンドも。いいバランスで作れたらいいなと思って作りました」と蒼山。

ねごとの 蒼山幸子

 土屋は「何かを踏み出したい人に心から届けたい歌だなと思います。何かを踏み出すのは勇気がいることだと思うんですよ。でも踏み出すことによって感じる何かがあると思うので、歌詞に<支度は5分で十分>ってあるんですけど、本当にその通りだな、飛び出してみないと分からないな、凄く背中を押してくれる歌だなと思いました」。矢本「冒頭に<安心を探すのはもうやめた>って出てくるじゃないですか。役者という仕事というか、ほかの仕事もそうだと思うんですど、満足しないって大事なと。そこで安心しちゃうと自分のレベルがそこに留まってしまうというか、応援ソングだと思います」とそれぞれ想いを語った。

 これに対して蒼山は「素敵な感想。くみ取ってくれているのは本当にそう。ゆきなちゃんのパワーというか、ジタバタしているけど前を向いていくぞというエネルギーを感じて。『大丈夫だよ。既に色んな事を乗り越えてきてここにいるわけで、飛び方は知っているはずだよね』という曲が書けたらいいなと思って、ゆきなちゃんからインスピレーションを感じて書きました」と曲に込めた想いを明かすと、土屋「ゆきなちゃん自身が聴きたい言葉だと思います。大丈夫だよってという言葉って凄く安心するというか、泣きそうになりました」と語った。

 最後は土屋や矢本らも加わって「空を飛べるはず」を大合唱した。【取材・撮影=木村陽仁】

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