FlowBack、大海原を渡るような果敢な姿勢で5人の個性を存分発揮
メジャーデビュー後初の単独公演『FlowBackワンマンライブ 2017 「VERSUS」』をおこなったFlowBack
5人組男性ダンス&ボーカルグループのFlowBackが9日、東京・赤坂BLITZでメジャーデビュー後初の単独公演『FlowBackワンマンライブ 2017 「VERSUS」』をおこなった。アンコール含め全20曲を披露。メジャーデビュー後初とは言え、2013年の結成以来、地道にライブ活動をおこなってきた彼ら。その高いクオリティーのダンスパフォーマンスと、5人それぞれの個性が存分に生かされた歌唱で観客を彼らの世界観へと引き込んでいた。この日に披露された新曲「WE ARE!」を9月6日にリリースすることと、2018年には初の全国ツアーをおこなうことも発表した。
心の底から作り出した音楽
刺すような日差しで真夏日となったこの日だが、会場周辺には開場前からすでに多くのファンが押し寄せ、彼らの人気の高さを物語っていた。開演前にはフロアに一杯の観客が彼らの登場を待ち望んでいた。
会場が暗転し、赤く点滅する照明がステージを彩る中、MASAHARU、TATSUKI、MARK、REIJI、JUDAIの5人が登場。会場中に黄色い歓声が響き渡った。「What's up? 調子はどう? 行こうか!」と煽り「VERSUS」でこの日の公演は始まった。一糸乱れぬダンスパフォーマンスと、目まぐるしく変わるボーカルチェンジで会場を一気にヒートアップさせる。
「Calling」では、4人の女性ダンサーが加わり華やかさを増す。前奏の音が鳴っただけで歓声の上がった「FAMOUS」でもキレのあるダンスパフォーマンスと、それぞれの個性が生かされたボーカルパートで魅せる。ラップパートを担当するJUDAIもパンチラインを効かせ、楽曲にアクセントを加える。
それぞれ自己紹介をし、TATSUKIが「メジャーデビュー後初のワンマンライブですが、かしこまらずにいつも通り行きましょう!」と呼びかけ「Come A Long Way」を披露。EDM系の音楽に合わせ、ステージを右から左へと一杯に使いながらダンスパフォーマンスを見せる。続く「SHAKE THE WORLD」では<SHAKE THE WORLD>のコール&レスポンスも巻き起こり、会場の一体感も一気に高まった。
5人が一旦ステージを去り、彼らのレギュラーラジオ番組であるニッポン放送『FlowBackのFlow it Back』の体裁で、彼らのステージ裏の会話が会場内に流れる。5人の和気あいあいとした自由なトークに観客からも笑いがこぼれる。
白いセットアップに着替えた5人が「BOOYAH!」の曲紹介とともに、再びステージに登場。インドフルートのサウンドが印象的で、REIJIが白いジャケットをはだけさせながらアクロバティックなダンスを見せると歓声が上がった。
アーバンなサウンドの「Showstoppaz」では、MARKがファルセットで大人びた世界観の歌詞を聴かせる。そのまま「Champagne Shower」へと繋ぐ。4人の女性ダンサーがシャンパングラスを5人に手渡し、5人はグラスで乾杯したり、傾ける仕草で色気をふりまく。
MCでは、リーダーのTATSUKIが今回のセットリストについて、何度も会議を重ねて練りに練ったことを明かし、「これからも血の通ったライブを続けていくのでよろしくお願いします!」と後半戦に向け意気込む。MASAHARUは「僕らもステージを降りたら、普通の人間です。泣くし笑うし、怒るし。その感情を歌にしているので、リアルに歌詞が響くと思います。今日は僕たちの心の底から作り出した音楽を存分に感じてもらえれば、嬉しいです」と彼らの音楽に対する熱い想いを語った。
そして、ステージ上の丸椅子に腰掛けながら「I SWEAR」を熱唱。切ない恋模様を歌う「ByeBye」、雨音のようなサウンドから「AfterRain」へと繋ぐバラードセクションで観客の心の奥底まで彼らの音楽を届けた。
大海原を進んで行く決意表明
FlowBackに関する問題から、一般教養までを含む〇×クイズで会場の雰囲気を和ませ、「Heartbreaker」から怒涛のアッパーチューンで畳みかける。前奏の音が鳴った瞬間から歓声が上がった「All This Time」から、フロアのほぼ全員によるタオル回しで壮観な景色が広がった「Let's Get Together」で本編を終えた。
5人がステージを去ると、「FlowBack」コールが会場中に響き渡った。その声援に応え、メンバーがTシャツ姿で再び登場。JUDAIが「まだ、騒ぎ足りねーのはどこのどいつだ?」と煽り、「FlowBack」を披露。
TATSUKIは「ここに来るまで色んなことがありました。お客さんが0人だった時から、誰かに振り返って欲しくてずっとやって来ました」とメジャーデビューまでの苦難を振り返った。そして、「FlowBackという船で僕は指揮官、舵取りをやる役目なのですが、どこに向かって舵を取ればいいのか、正直分からなくなっていました。でも、今それが分かった気がします。僕は誰か一人でもこの船から落ちてしまった時は、その人を助ける為に一度、船を止めてその人を助けます。メンバーみんなが指揮官だと思っています。結成当時からその想いは変わっていません」と改めて自身のグループに対する想いを語った。
最後はまさにその想いを象徴するような新曲「WE ARE!」を披露。グループが5人とファン、みんなが船員となって、音楽という大海原を進んで行く決意表明を見せるようなステージでこの日の公演を締めくくった。そして、同曲が9月6日に発売されることもアナウンス。さらに、2018年には初の全国ツアーをおこなうことも告知され歓声が上がった。
5人は観客と記念撮影を終え、深くお辞儀し感謝の意を示しステージを去った。2013年に結成され、決して順風満帆ではなかった彼らだが、だからこそ、その絆は深く、ファンとの一体感には目を見張るものがあった。最後にTATSUKIが話したように、FlowBackという船がファンたちの送る風によって帆を張り、世界の大海原を自由に航海するくらい活躍する日もそう遠くはないのかもしれない。(取材=松尾模糊)
セットリスト01.VERSUS Encore 18.FlowBack |