FlowBack「新しいアプローチをしたい」新譜で見せた“大人”への一歩
INTERVIEW

FlowBack「新しいアプローチをしたい」新譜で見せた“大人”への一歩


記者:榑林史章

撮影:

掲載:19年12月26日

読了時間:約12分

 FlowBackが12月25日、コンセプトミニアルバム『WINTER TRIP』をリリース。「taste」と「Starry Christmas」という新曲2曲、SEKAI NO OWARIの「スターライトパレード」と槇原敬之の「冬がはじまるよ」のカバー曲2曲、そしてテーマに合わせて選曲した2曲の計6曲を収録した作品。新たな制作チームと制作し、多くのチャレンジに満ち、数あるボーイズグループから抜けだし、大人のボーカルグループとして一歩を踏み出した1枚だ。常に進化していく5人に話を聞いた。【取材=榑林史章】

大人になったFlowBackが挑んだ新たな制作

『WINTER TRIP』ジャケ写

――『WINTER TRIP』は、冬をテーマにしたミニアルバム。

TATSUKI 去年『SUMMER TRIP』という夏をテーマにしたミニアルバムをリリースしたので、その冬バージョンのようなイメージです。僕たちとしても少し大人になったし、冬の曲やバラードなど今までとは少し違った雰囲気で、新しいアプローチをしたいと思って制作しました。新曲2曲とカバーも2曲収録していて、こういう機会でなければカバーをやるチャンスはないので、良い機会になりました。

――いつもとは違った一面を見てもらえるチャンス、と。少し大人になったとのことですが、それは年齢的な意味で?

TATSUKI 年齢的にももちろんですけど、内面的にも、アーティストとしての技術的にも、大人になったと実感しています。今作はTiny Voice ProductionさんとUTAさんという、新しい制作チームと一緒にやっているのですが、そこは今までと大きく違うところです。新しいところに飛び込んで新しい曲調を歌うことで、“学び”がすごく多い制作でした。レコーディングをしながら「そうやってニュアンスを出すんだ」とか、「こういう風に歌えばいいんだ」と、細かいテクニックを学んだ制作で、曲調も以前よりゆったりとしてテンポが遅めの曲なので、それによって大人っぽさもより出たかなと思います。

MARK 前よりも哀愁が漂っている感じですね。

――今作から制作チームが変わったのは、どうしてですか?

TATSUKI 以前からTiny Voice Productionのみなさんと一緒に制作したいと思っていて、今作でタイミングが合ったという感じです。

JUDAI 制作のやり方が、以前とはがらりと変わっていて。例えばラップは、歌詞もフロウも全部ブースに入ってから、新たに作ったんです。だから、プリプロとはフロウも違っていて。

――プリプロはどういう風に?

JUDAI UTAさんの自宅スタジオでやって、試しに声を当ててみるみたいな感じでした。だから2番のラップはプリプロの時にはなくて、本番のレコーディングをやっている途中で、「ちょっと違うから変えてみよう」となって、その場で新しく作ったんです。オートチューンを使ったのも初めてで、すごく勉強になりました。

――かっちり決めてやるよりも、良い意味でのノリや雰囲気を重要視するような感じだったんですね。

JUDAI ラップに関しては、そういうラフな感じでした。いろいろ試して良いテイクがあれば、予定になかったものでもそれを採用するみたいな感じです。ラップ単体で判断するのではなく、曲に合っているかどうかが重要だという感覚ですね。そういう意味で新曲2曲とカバー曲2曲は、変に力が入っていなくて、そこがめっちゃ好きです。

――歌も、本番の雰囲気を大事にしていくやり方で?

REIJI そういう場合ありました。自分がこう歌おうと思っていたものがあっても、ディレクションしてくださる方と話し合って、もっとこういう風にしたほうがいいんじゃないかというものを活かしていって。その場でしか生まれない、アイデアを曲に盛り込んでいったところもたくさんあります。

MASAHARU 今回は、ディレクションで「こうして欲しい」と言われたことに対して、それをそのままやるのではなく、そこに自分の考えやエッセンスも加えて返すということが出来ていて。お互いの意見を交換して、その場で作って行くような感じもありました。

MARK すごく自由な制作という印象です。一方的にディレクションしてもらうだけではなく、僕らの歌声のアクセントや、僕らがポイントにしたいと思った部分も活かしてくれて。ボーカルが4人いるからグループとしてのまとまりも大事なんだけど、少ない自分のパートの中で自分の個性も出したいと思うわけで、4人それぞれの個性という部分を、すごく活かしてくれた感じでした。

――「taste」は、それぞれの声が、すごくはっきり分かるなと思いました。ここは誰が歌っていて、誰と誰がハモっているというのが、すごく明確で、聴きやすかったです。MASAHARUさんの作詞ですが、どんなイメージで書いたのですか?

MASAHARU お付き合いしていて、幸せな時ほど不安になることってあるじゃないですか。そういう時に感じる気持ちを歌詞にしました。

――冬ということも念頭に置いて?

MASAHARU そうですね。でもストレートに冬っぽさを出すのではなく、暗に冬を感じさせる印みたいなものを入れておきたくて、<真っ白に染まる会話>は、息が白いことを表していて、その後の<かじかむ手>や、ブリッジの<曇りガラス>など、冬を感じさせる表現を意識しています。

REIJI FlowBackとしても、歌詞を読み取って歌うことが重要だなと思っていて。例えば<“運命” なんて 頼りないね 言葉より確かなモノ 欲しいんだ>というサビのフレーズは、MASAHARUくんのこの曲に対する想いが感じられたので、それをどう歌に落とし込むのか、すごく考えました。サビだからしっかり歌うとかではなくて、言葉の一つ一つが、どういう意味を持ってそこにあるのかを意識して歌いました。ひと言ひと言の言葉に込められた感情を、考えながら歌うことが出来たと思います。

MARK 若い世代の恋愛とか、まだ付き合いたてのカップルみたいな空気ではないなと思って、それが今の自分たちの年齢とか、これからなっていく年齢に合っていて、すごく表現しやすいと思いました。MASAHARUくんの歌詞のように思うことは、実際にあるし。

――夜に冬の海沿いを車で走っているような、そんな大人な感じがしました。

MARK ああ、確かに。僕は横浜のみなとみらいが好きで、そこで聴くのに合うなって思いました。

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