“がむしゃら”だった、FlowBack 新譜は2017年の集大成
INTERVIEW

“がむしゃら”だった、FlowBack 新譜は2017年の集大成


記者:榑林史章

撮影:

掲載:17年12月21日

読了時間:約9分

 5人組ダンス&ボーカルグループのFlowBackが、12月20日に5thシングル「BREAKOUT/雪色」をリリース。2016年にメジャーデビューし、1年を経て今年リリースした1stアルバム『VERSUS』は、オリコンデイリー3位、ウィークリー7位を記録した。圧倒的なパフォーマンス力と、4人の歌とハーモニー、そしてラップが織りなす楽曲で、聴く者の心を揺さぶってきた彼ら。5thシングル「BREAKOUT/雪色」は、パワフルなナンバーとバラードの両A面で、彼らの魅力の両面が封じ込まれたものになった。「2017年は学びの年だった」と話す彼らが、この1年で培ったものを思う存分に発揮した1枚だ。【取材・撮影=榑林史章】

今年のFlowBackを集大成

MARK

――今回の「BREAKOUT/雪色」は、格好いい曲と胸にしみる曲の両方ですね。

TATSUKI  FlowBackのまったく違う顔が、出せたと思います。

REIJI 「BREAKOUT」で盛り上がるのも良いし、「雪色」でしんみりするのも良いし。個人的には、僕は学生時代にバスケ部員だったので、「BREAKOUT」が『B.LEAGUE2017-18』のSEASON公式テーマソングになっているのが、アガるポイントです。

JUDAI どちらの曲も、今までのFlowBackにありそうでなかった曲です。2017年を締めくくる1枚として、強めの「BREAKOUT」と、シングルでは初のバラード「雪色」。今年のFlowBackを集大成した、両A面シングルだと思います。

――まず「BREAKOUT」は、バスケの試合のバチバチとしたバトルと言うよりも、試合の前に聴いてチームの士気を高める感じの曲ですね。

JUDAI そうですね。でも、どちらかと言うと応援ソングかな。めちゃめちゃカッコイイ応援ソングです!

――でもどういう経緯で、『B.LEAGUE 2017-18 SEASON公式テーマソング』に?

MARK 関係者の方が前回のシングル「WE ARE!」を聴いてくださって、そういうカッコイイ曲を作って欲しいと。B.LEAGUEも僕らも「挑戦」がテーマで共通しているし、B.LEAGUEがリーグ発足2年目で僕らもメジャーデビューして2年目というところも同じだし。そういう共通項があった上でご縁がありまして、ちょっとした運命的なものを感じています。

TATSUKI B.LEAGUEのテーマがBUILD UP(ビルドアップ)なので、お互いに高め合って行けたらいいなという。

――どういう曲にしたいと?

JUDAI 「WE ARE!」をさらに一歩前進させたものにしたいと思って作りました。B.LEAGUEを応援しているブースターのみなさんが、もっと応援したくなったり、もっとバスケに注目が集まるようなものにしたいねって。例えばサビは4人が<BREAKOUT>と何度も叫んでいて、そういう耳に残る部分をたくさん作ろうとか、いろいろアイデアを出してトラックを作っていただきました。

――サポーターがスタンド席で一体となって、歌ってもらえたら良いですね。

JUDAI

MASAHARU <オ〜オ〜>というフレーズがあって。試合会場に流れたとき、サポーターもみんなで一緒に歌えるフレーズがたくさんありますね。

――事前にバスケを観に行ったり?

MARK 実際に試合を観に行ったのはレコーディング後になってしまいましたけど、レコーディング前には映像を見て雰囲気を掴むようにしました。それと経験者のREIJIから、バスケの話をいろいろ聞いて教えてもらって。

TATSUKI がっつりやっていたのはREIJIだけだけど、みんな遊び程度にはかじったことがあったし。バスケ漫画もみんな読んだことがあるし。最近だと『あひるの空』とか。

MARK 俺は『スラムダンク』だけど。

――MVではバスケをするシーンもあって。

TATSUKI 5人で初めてやったよね。

REIJI みんな上手かったよ。MASAHARUが良い動きをしてて、ちょっと悔しかった(笑)。

MASAHARU 本当かよ(笑)! 学生のときに遊びだけど長い期間やっていたから、レイアップは得意かも。

REIJI MARKは、トラベリングばっかりで。けっこう「あれれ?」という瞬間が!

MARK 僕はルールに縛られるのが嫌いなんです(笑)。

JUDAI バスケに向いてないよ(笑)。

――ライブでは?

TATSUKI バスケ会場でもパフォーマンスしたいと思っているので、通常の振り付けとは別に、360度どこから見てもらっても楽しめるパターンの振り付けも考えています。

REIJI 要するに2種類あるんですけど、たまにこんがらがって、一人だけ後ろ向いていたりすることがあります(笑)。

MASAHARU あと、シュートなどバスケ特有の動きをダンスに取り入れているので、それも見どころですね。

そのときのいちばんリアルな感情が表現される

REIJI

――初回生産限定盤のジャケ写は、「雪色」をイメージしていて。モノクロでスーツ姿なのが新鮮です。

TATSUKI こういう大人っぽいイメージは初めてなので、僕らもすごく新鮮です。また違った一面を見てもらえるんじゃないかと思いますね。

MARK バラードはアルバムの中の曲にはあったけど、シングルの表題曲にはなくて。それにFlowBackとしては、バラードももっと表現して行きたいと思っていたポイントだったので、「雪色」は満を持して放つナンバーという感じです。それに季節に合った曲を歌いたいというのもあって、時期的にも冬だし、冬の情景はイメージしやすいと思ったし。それでこういう曲を作ろうとなりました。

――「雪色」は、都会に降る雪という、ちょっと切ないイメージですね。冒頭の歌から情感たっぷりでグッと引き込まれました。

MASAHARU サラッと歌うよりも、感情を真っ直ぐ込めようと思って歌いました。

――バラード曲で、歌い出しのトップバッターは緊張しませんか?

MASAHARU めっちゃ緊張しますよ。僕が歌い出しを担当する曲はあまりないのもあって、余計にですね。

MARK でも、感情を込めやすい曲です。バラードって歌詞がより大切だなと、改めて実感しました。それにもともと僕はバラードが好きなので、FlowBackを結成する前にカラオケでバラードばかり歌っていたときのことを思い出しました(笑)。

――でもバラードはごまかしが利かないから、そのぶんハードルが上がりますよね。

TATSUKI 上手さだけじゃなくて、表現力も必要になるし。

MARK タイミングとか音の間とか、息づかいとか、すべてが丸裸にされちゃう。でもその分、そのときの自分たちのいちばんリアルな感情が表現されると思うんです。歌詞は同じでも、歌うときによって気持ちが違うし、それが如実に表れるんじゃないかって。

TATSUKI

JUDAI ラップパートは、メロラップと言うか歌ラップと言う感じです。リリックは、クリスマスっぽさもあって。描写と言うか、曲の世界観をよりリアルなものにするために、あえて具体的なものをイメージしてもらえるように意識しました。

TATSUKI 個人的には、この曲はどこか懐かしいイメージもあって。音色の部分も含めて。初めて聴いたときも、もしかして小さいときに父親の車で聴いたことがあるかも? と思ったんです。

JUDAI トラック自体は新しいんですけど、使っている音が、少し懐かしさのある音をあえて使っているところがあって。新しさと懐かしさがあるという部分では、若い方から年齢が上の方まで、幅広い世代の方に気に入ってもらえると思いますね。

――どこか聴く人の思い出に訴えかけるようなところがあるのかもしれないですね。

JUDAI そうだと思います。

――振り付けは?

REIJI 振り付けは手振りで、上を向いて手を出すと雪が降っている様子を想像してもらったりとか、ちょっとした手の動きや視線の送り方で、いろんなシーンを想像してもらえると思います。ライブでやったら、みんなをグッと引き込めるんじゃないかと思いますね。

MASAHARU ライブでも歌っているんですけど、ライブを重ねて何十回と歌っていくうちに、もっと成長していける曲じゃないかと思います。今後どんな風に成長していくのか、これからが楽しみですね。

2018年はより良い1年になると確信

MASAHARU

――来年は?

JUDAI 2017年は、一言で表すと“がむしゃら”。どうやったらFlowBackという名前と音楽を少しでも知ってもらえるか、そのことばかり考えていました。2018年は、1月に初の5都市を回るツアーをおこなうので、まずはそれをソールドアウトすることを目標にしていて。自分たちの意見をもっと具体的にして、それを形に出来る力を付けていきたいです。

MASAHARU とにかく突き進んだ1年で、そのなかで学ぶべきことがたくさん見えました。それをアウトプットしていくために、たとえば自作曲とか。音響的にも、もっと先に行くためには、もっと自分の声のことを知らないといけないと思ったし。そのための学びの1年にしたいです。

MARK 今年は本当にいろいろな経験をして、グループとしても個人としても、答えが見つからず悩むことが多くて。きっと結成以来、グループとしていちばん悩んだ年だったと思う。それで気づいたのは、グループとして絆を大切にすることだったり、上手い下手や周りの評価を気にすることじゃないということです。

 なので、5人それぞれの力を付けることも大事だけど、FlowBackとしてもっと力を付けていきたいです。今、グループとしての絶妙なバランス感があると思うので、それをもっと研ぎ澄ませていけたら良いですね。2018年は、2017年よりもっと良い1年になると確信しています。

TATSUKI 2017年は悩みと学びの1年でした。デビューして何も分からない道を悩みながら進んで行って、その過程でメジャーもインディーも変わらないと気づいたし。いろんな人に出会い、いろんなステージに立ち、いろんなことを学びました。4周年ライブでは、この1年の答えじゃないけど、5人それぞれの想いが一つにリンクして、グッとくるパフォーマンスが出来た。2018年はそれを大事にして、学んだことを糧にして、自分たちで発信していきたいです。

REIJI この1年は、日々学びで勉強になったことが多くて。間違えたことも失敗したこともたくさんあり、それを次にどう修正するか、常に考えていました。同時に絆も強くなり、5人で前に進むモチベーションも上がって、壁を乗り越えるときの団結力も高まった。2018年は、気持ちを挑戦するほうに切り替えて、学んだことを活かしながらどんどんチャレンジしていきたいです。

作品情報

B.LEAGUE 2017-18 SEASON公式テーマソング「BREAKOUT」含む両A面シングル

タイトル:BREAKOUT/雪色
発売日:12月20日
初回生産限定盤(CD+DVD) 
価格:1600円(税込)
品番:KSCL 3005~3006
 
<収録曲>
01 雪色
02 BREAKOUT
 

1.「Crush On You」Live at Akasaka BLITZ 2017.7.9
2.「BOOYAH!」 Live at Akasaka BLITZ 2017.7.9
3. FlowBack Behind The Scenes Vol.7
 
通常盤(CD) 
価格:1100円(税込)
品番:KSCL 3007
 
<収録曲> 

01 BREAKOUT
02 雪色
03 BREAKOUT-Instrumental-
0 4雪色-Instrumental-

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