パラリンピックフラッグの受け渡しをおこなう山田拓朗選手と吉田つとむ町田市議会議長(撮影・松尾模糊)

 【取材雑感】TOKIOの城島茂(46)が14日、東京・町田市の町田シバヒロで開催された『東京2020オリンピック・パラリンピックフラッグツアー』歓迎セレモニーに出席した。スペシャルアンバサダーを務める城島は、一般市民を前に笑顔とボキャブラリー溢れる語り口で和ませていた。その場にいた城島はテレビ番組と変わらぬ優しい人柄が溢れる“リーダー”そのものだった。

 このイベントは五輪旗が都内や被災地を巡るもの。この日は、アンバサダーのパラリンピアン山田拓朗選手とともに、オリンピック旗とパラリンピック旗をそれぞれ町田市の石坂丈一市長らに受け渡した。

 この冬一番の寒気が東北から関東に流れ込み、天気には恵まれたものの、とても寒い1日だった。集まった地元の人々や我々記者はしっかりと防寒着を着込んでいたが、五輪旗の授与式ということで、スーツ姿で現れた城島は幾分寒そうな表情を見せていた。

 それでもアイドル歴30年のベテランだけあって、観衆から「リーダー!」と呼びかけられると笑顔を向け、お辞儀をしながら丁寧に返していた。式典が始まり、マイクが繋がっていない機材トラブルに見舞われたものの、「マイクテスト、テスト、期末テスト…」と“持ち前”の親父ギャグでカバー。テレビで見る“リーダー”と何ら変わらぬキャラを見せ、会場を和ませていた。

 城島の人柄は、振り返れば紅白の囲み取材でも表れていた。TOKIOは昨年の大みそかに、ジャニーズ初のNHK紅白歌合戦の中継での演奏を披露。寒空の下、今回のフラッグツアーが始まった東京都庁前から「宙船(そらふね)」の堂々としたパフォーマンスを見せた。

 紅白リハーサル前の囲み取材では2016年を振り返り、城島は去年を「輪」という文字で表した。その場に居たTOKIO松岡昌宏(39)や長瀬智也(38)からは「『和』かと思った。いいの? 『輪』で? 今なら紅白らしいコメントにできるよ(笑)」と突っ込まれたものの、「アンバサダーにも選ばれましたし、『輪』って大事だなと思いました」と自身の考えを貫いた。

 TOKIOというグループでムードメイカー的な松岡やカリスマ性を持つ長瀬、まとめる力を持つ国分太一(42)、クールで芯のある山口達也(45)と個性的な5人の中で最年長であり、リーダーの城島。年下からも自然といじられる懐の深さを持ちつつも、その優しい眼差しの奥には、強い意志と思慮深さを垣間見た気がした。

 この式典の最後に城島は「私は2020年に49歳になっています。半世紀生きる前に、東京オリンピック・パラリンピックを観れるのは大変嬉しいです。いくつになっても、自分自身現役バリバリでアイドルやっていきたいと思います、皆さん一緒に盛り上がっていきましょう!」と生涯現役を誓った。

 2016年、国民的アイドルグループの一組、SMAPの解散に多くのファンが悲しんだ。城島がこの日語った「現役バリバリでアイドル」はファンに希望を与えるだけでなく、TOKIOが活躍していくことは、そのまま日本という国が活力を増していくことになるのではないか、取材を通して感じた彼らの人柄からそう感じるのであった。(文・松尾模糊)

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