涙ながら想いを語った仮面女子の桜雪(撮影・桂 伸也)

涙ながら想いを語った仮面女子の桜雪(撮影・桂 伸也)

 殺害予告を受けていたことが明らかになったアイドルグループの仮面女子のメンバー、桜雪(23)が26日、都内の所属事務所で緊急会見をおこなった。ファンの男から殺害予告を受け、23日には予告者が劇場に現れ、スタッフに警告を受けたところ暴れ始め、スタッフが怪我し、逮捕されていた。桜は、事件の経緯と今回の事件に対する思いや今後の決意などを語った。

 容疑者は兵庫県在住で23歳のファンの男。昨年頃からツイッターで嫌がらせの書き込みが始まり、事務所側は本人への注意をおこなっていたが、書き込みの内容は過激化し、21日には「コロスゾ」と殺害予告を投稿。その2日後に秋葉原の劇場に姿を現し、出入り禁止の処置を取るべく対応したスタッフに掴みかかり、暴行した模様。男は逮捕され、スタッフは全治2週間ほどの裂傷を負ったが、生活に支障なく現状仕事に復帰しているという。

 男が態度を豹変させ嫌がらせをおこない始めた原因について、桜は「しいて言えば、1年ほど前に『他の仕事の都合でライブを休むことが出てくると思います』というコメントをツイートした時にコメントで怒り出しまして。『この人、こんなに怒るんだ…』と驚いたことがあります」と自分なりの思い当たる節を明かすが、現時点での真の理由は不明。

 事件以前にも男は月1度ほど劇場に現れ、ある時は桜を睨み付け怒った素振りを見せ、別の時にはライブを楽しむなど、その時々に態度を豹変させており、ツイッターの書き込みなどで劇場やスタッフ側、家族側も心配の声を上げていたが、桜自身は「大丈夫だから」と気丈に返答していたという。

 その半面、内心では「こんなことを女の子に言うなんて…」と恐ろしい気持ちにさいなまれていたことを、言葉を少し詰まらせながら明かした。一方で「自分が大変な事件に巻き込まれるとは思わず、対策をしていなかった」と自分の行動を反省し、怪我を負ったスタッフにすぐ謝罪したという。

 しかし、男からの脅迫めいたコメントに対して桜は、ツイッターを辞めようと思ったことは? とたずねられると「送信するたびにコメントがすぐ付いていたので、怖かったんです。でも発信するのを辞めようと思ったことはありませんでした」とあくまで自身の信念を貫いていたことを明かした。

 犯人の男に対しては「私としては、怖い思いはしたけど大切なファンの一人でもあるし、できれば出入り禁止などにはしたくはないと思うけど…」と語りながら、桜自身から新たに罪状の訴えなどは行わないとコメントし「反省してもらい、二度とこんなことをしないで、普通の生活をしてもらいたい」と思いやりを見せた。

 すでにステージの活動も復帰、この日も桜はステージ前の握手会やステージライブなどを平常通りにおこなっており、ステージでの思いを「心の底からこうやって健康で元気にライブをできることは、(実は)当たり前じゃない。だから幸せだなと思いました」と涙とともに振り返った。

 更に、「ファンの皆さん、本当に心配をかけてしまい申し訳ありません。でも私はもう笑顔でライブをしたいと思っていますし、これからも夢に向かって頑張ることを辞めるつもりはないので、これからも応援してほしいです」との自身の決意に「こういう怖い目に遭う女性が減るように、日本がなっていけばいいなと思います」と被害者としての切なる願いを加えて語った。

 桜雪は、東大卒の高学歴アイドルとして活躍。最近では、小池百合子東京都知事が開塾した政治塾「希望の塾」に入塾したことでも話題を集めていた。(取材・桂 伸也)

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