仮面女子の川村虹花が総合格闘技(MMA)デビューすることが決まった。今年12月3日、東京・新宿FACEで開催する、女子総合格闘技団体「DEEP JEWELS」の大会『DEEP JEWELS 18』に参戦する。これに先立ち、今月10日、都内で会見を開き、同団体・佐伯繁代表と、現在指導をおこなっている山崎剛コーチ臨席のもと、意気込みを語った。

 9月21日に『ガンバレ☆プロレス』で念願の女子プロレス・デビューを果たした川村は、もともと自身の母もプロレスラーを目指しながらあきらめたことを明かしており、その夢を叶えたことで意気込みを見せていた。この試合では惜しくもギブアップ負けした川村だが、アイドル史上初の『DEEP JEWELS』参戦で本格的な総合格闘技への挑戦を果たす。

 前回のプロレス出場のオーディションに受かって時点で総合格闘技への挑戦を考えていたという川村は、仮面女子のメンバーとしての責務を果たしながら、ファンにもメンバーにも秘密でトレーニングを実施してきた。そんな激務に耐えながら半年が過ぎ、つい一週間ほど前に今回の参戦が決まったという。川村は「ようやく発表できてうれしい」とその喜びを示した。

川村虹花

 そして、今後、練習のためにステージを休むこともあると詫びながら「試合で恩返しをしたい。(そのつもりで)本気で戦いたい」と意気込みの程を語り、「アイドルと総合格闘技を二つやるというのは無理じゃないかと思われる方もすごくいるともいますが、こんな挑戦をした人はいない、私はこのチャレンジをチャンスだと思って、本気で戦いたいと思っています」と熱い胸の内を明かした。

 佐伯代表は、総合格闘技での負傷例を挙げながら、危険を伴うスポーツであり、アイドルの出場が前例のないこと、そしてこれまでアイドルと格闘技という両立が不可能と考えられていたことを語る中で、山崎とともに川村の格闘家としての素養を認める。山崎は具体的に「実は打撃も寝技も、どれも悪くない。いろんなことをやらせてみると、ポテンシャルもあり運動神経もいい。プロたちがやれない動きをすることもある」と高評価を挙げてた。

 その一方で、今回の出場に関しては準備期間の短さに難色を示していたことを明かす佐伯代表は「本人のやりたいという意志が強かったので、時間がない中で判断した」と、大きな決断を下した模様。そして「これは本当に大変なことです。それに(敢えて)挑戦する気持ち、ぜひ応援してください!」と川村に励ましの声を送るよう訴えた。

佐伯代表と川村虹花、そして山崎コーチ

 川村が挑戦する階級は、最軽量となるアトム級カテゴリ。対戦相手となるフィリピンと日本のハーフであるREICAは、川村と同じく今回がデビュー戦となるが、15歳からボクシングをおこなっている経験を持ち、現在は19歳という強敵。それでも山崎コーチは「時間が足りないので、勝つために最低限のもの(戦術、技など)をチョイスして、集中しておこなっている」と短期間ながら大会に向けたトレーニングを入念に行っている様子を語り、勝算があることを明かしながら、その具体的な戦術に関しては一切語ろうとしない。しかし川村は判定勝利などを求めず、勝利のイメージを「一本かKOで勝ちたい。どちらかといえば一本で」とコメント、勝ちに向けて強気な姿勢を見せている。

 また、目標とする選手にKINGレイナ、浅倉カンナなどの名を上げると、記者から彼女らが出場する一大イベント『RIZIN』の出場を目指すかと問われると「もちろん。そこを目指して頑張りたいです」とさらなる希望を膨らましている様子を見せていた。

 他方、ライブ中の発表の際には場内が一時騒然、話を聞かされていなかったという仮面女子のメンバーはみな心配そうな表情を見せ、中には泣きそうな顔をする者も。そんな中でりだーの桜のどかは「こんなにファンもメンバーも圧倒される空気って、初めて感じた」と語りながら「みんなの全力の応援というのが、虹花ちゃんの一番のパワーにつながると思うので、ぜひ一緒に応援していきましょう!」とファンに呼び掛けた。【取材・撮影=桂 伸也】

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