綾野ましろ「涙が…」初ホールで“憧れ”玉置成実と力強く熱唱
憧れ玉置成実と競演
アンコールでは、早歩きで先に登場した綾野がバンド紹介を兼ねて、メンバーをステージに呼び込む。一通り紹介したところで「今日はせっかくなので、強力な、スペシャルなメンバーをお呼びしています」と語って、玉置成実が登場した。
白い綾野とは対照的な黒の衣装の玉置に割れんばかりの歓声が送られる。北海道の洞爺湖で過ごした幼少時代に初めて買ったCDが玉置成実の「Believe」だったという綾野は「リスペクトしている方です」と思い入れを語る。玉置も「(Believe)を素敵にカバーしてもらえて嬉しい」と率直な気持ちを述べた。
そして、2人で「Reason」、「ハーフムーンフラワー」を歌い上げる。2人とも力強い歌声が魅力だが、真っ直ぐな綾野に対して、玉置は強弱を使って妖艶に表現する。そして、綾野は玉置に引き上げられるように歌に奥行きが出ていた。白と黒の衣装だけでなく、それぞれ異なる歌声のコントラストが楽曲に新たな命を吹き込んでいた。玉置が肩に腕をまわし、笑顔の綾野は拳を突き上げ、ファンを煽った。
玉置は「デビュー当時は14歳。今は27歳。歌っていて良かったなと思わせてくれた」と語れば、綾野も「憧れの人と一緒に歌える環境に恵まれて涙が出そう」と述べ、互い感謝し合った。玉置は「今後もまたこういう機会を頂けたら」と再会を楽しみにしている旨を伝えて、ステージを去った。
ファンとの接点
綾野は玉置がいなくなった後も興奮からか、少し長めのトーク。そして、「今日一日の想いを込めて」と囁くと、「pledge of stars」をしっとりを歌い上げた。最後にマイクを外して直接「ありがとうございました!」と感謝の言葉を送り、メンバーが先に退場して一人残った綾野は以下の通りに思いを届けた。
「あっという間に終わってしまいました。いつも応援してくれる皆さんに支えられてここまで来ることができました。体調が良くない、気持ちが沈んだ時もありました。それでも、いつも皆さんがそばにいてくれて、頑張れました。わたしは人間が好きです。人間の感情がすごく好き。悲しい時にそばにいてあげられるものがあったらいいなと思っていて。それがライブやラジオ、ツイッターでもなんでもいい。これからもそばにいたい」
最後に座右の銘である四文字熟語「駑馬十駕」(どばじゅうが、意味=才能の乏しい者も、たえず努力すれば、やがて才能のある者と肩を並べることができる)をファンとともに叫んで初のホールワンマンを終えた。
彼女の真っ直ぐさはファンも分かっていて、綾野が去った後に、観客だけで三三七拍子が届けられた。それは、これからも彼女を応援していくとの意思、そして、23日に北海道でおこなう2度目のホールワンマンへ送り出す親心のような気持ちの表れだった。(取材・木村陽仁)
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