みみめめMIMIのおもちゃ箱、薄れゆく子供心を詰め込んだ新曲
INTERVIEW

みみめめMIMIのおもちゃ箱、薄れゆく子供心を詰め込んだ新曲


記者:桂 伸也

撮影:

掲載:16年02月02日

読了時間:約18分

トイピアノから心臓の音まで、まさに「おもちゃ箱」

新曲「チャチャチャ」には自身の心臓の音も

新曲「チャチャチャ」には自身の心臓の音も

――歌詞について。方向として「天手古舞」に似た、普段の生活の、悩みからの転換的な感じが見えてきたのですが、後サビ前のブリッジの部分で、他の詞とはちょっと違う印象的なメッセージを感じました。おもちゃ箱云々というイメージの部分ですが

 そうですね、おもちゃたちがフワーっと宙に浮くイメージというか。

――全体的に見ると、ここだけ何かを特別に強調しているイメージがあるように私は感じたのですが、何かここで伝えたいものがある?

 そうですね、この曲ではサビで「チャチャチャ」とか、無茶苦茶しても楽しい、という感じで書いているんですけど、この部分ではちょっと回想シーンというか、こうガラクタばかりだと思っていたおもちゃ箱、周りの身近なものの中にも、幸せを呼ぶものは無数に転がっているという、希望の場面とか、結構そういうものを散りばめているんです。例えば「星の砂」というキーワードがあるんですけど、これは沖縄の海なんかにある、特徴的な形をした砂のことなんですが、幸せを呼ぶお守りともいわれているもの。そんなものがたくさんあるイメージなんです。

 また、サビには幸せのベルというキーワードがあるんですけど、これは「幸せノベル」=幸せの物語という意味でも捉えられる。そんな遊び心のある意味の込め方もしているんです。何か皆さんにぜひそんな歌詞の内容を、それぞれ「これは何だろう?」と、ぜひ解(ほど)いてみて欲しいですね。

――短いパートにまで深い世界がありますね

 そう、何かこの歌詞とかAメロなんかもそうなんですけど、意外と目の前の日常というのがすごく大事だっていうことも描きたくて、こういうことを書きました。デビューしてこれまでは大きな世界、直径何キロも先のことを見ていたけど、今は意外と大事なものって、半径数メートル以内にある、その密度の濃い部分も見るようになりましたね。

――曲の世界観としても濃い感じがしますね。一方で、ここでもまた「天手古舞」のような、お客さんとの掛け合いの振りのようなものはあるのでしょうか?

 そうですね! 当然、振りは付けたいなって思います。まだ、ライブで披露してないけど。今はライブでどんな風に歌おうかなと、現在絶賛考え中です(笑)。レコーディングのときも「これ、ライブでどうやって歌おうか?」とか考えながら、やっぱり手をたたいてもらうとか。3月に企画イベントがあるので、何かその辺で披露できたらいいなと思っています。

――それも楽しみですね。先ほどサウンドについて「おもちゃ箱をイメージした」ということで、プロデューサーのCHRYSANTHEMUM BRIDGEさんと共に、以前と違う音作りなども考えられていたのでしょうか? 例えば「天手古舞」ではベースのスラップによるラインなど、楽器の生演奏にこだわっているような気もしたのですが、今回はどちらかというと打ち込みっぽい感じも見受けられたのですが

 確かに、私もすごくそんなイメージを持っていました。でも実際には逆に生の音にこだわってくださる方で、トイピアノの音も実際のトイピアノで録っていただき、いろんな音、カスタネットやクラップ(手拍子)など、できる音はほとんど生の音で録っていただきました。また、ご提案をいただいたものなんですが、実は心臓の音なんかも録ってもらったんです! 私とちゃもーいの心臓の音も録って、曲の中でリズムが3拍子に変わるところがあるんですけど、そこで私たちの心臓の音を入れています。そういうのもぜひヘッドホンで聴いて楽しんで欲しいなと思います。

――心臓の音!?

 そうなんですよ、初めて自分の心臓の音を聴きました。ちゃもーいの心臓の音を聴いて「ちゃもーい、生きているんだ!」って(笑)。全般的にはサウンドもそうですけど、曲を書く中では、変拍子をいろいろ使ったりとか、割と私自身メロにも、サビの間で転調するとか、すごくこだわっているところもたくさんあります。

――そういう意味では、また違った感じの新しいサウンドの発見もあったんでしょうかね? 画と音楽が通じているという部分でも…

 そうですね、それをすごく感じました。今回、CHRYSANTHEMUM BRIDGEさんに見ていただいたことは、私たちにとても合っている感じだと思ったんです。画が浮かぶというか、童謡とか、私も絵本なんかの世界観の曲も書いているんですが、「画が浮かぶサウンド」って、まさしく私たちだな、って。

――画の共通点という意味では、今回のタイアップアニメもすごいですね。『きょーふ! ゾンビ猫』って(編注=同曲は、テレビ東京系で放送中の『あにむす!』内のショートアニメ『きょーふ! ゾンビ猫』テーマソングにもなっている)

 そう!(笑)。でも、すっごくカワイイ! 設定がすごく面白くて、お墓から突然よみがえったゾンビ猫なんですけど、町中に愛されていて。ゾンビのくせに人を食べず、エサなんかもちゃんと食べるんですけど(笑)。めちゃめちゃカワイイ。私、作者のカナヘイさんってすごく好きで、中学生のときとか、携帯の待ち受けにしていたんですよ。だからこうやってカナヘイさんがデザインしたゾンビ猫のテーマソングをやらせてもらえるなんて、すごく嬉しく思っています。

――確かにゾンビというイメージをうまく取り入れながら、本当に愛らしいキャラクターですよね

 もう本当に癒やされています。私、LINEのスタンプはゾンビ猫を使いまくっていますから(笑)。ゾンビ猫も、日常の瞬間を切り取ったカワイイ、癒やしと喜びのホッコリするアニメなので、何か「チャチャチャ」の雰囲気とぴったりというか。そもそもゾンビなのにこんなにカワイイっていうのが、すでに「チャチャチャ」ですよ!(笑)。エンディングで、ゾンビ猫が手で「チャチャチャ!」ってしてくれるんですよ。一瞬なので分からないかもしれませんが、それを見て私は、すごく嬉しくなりました!

――そういう意味では、ゾンビ猫も一緒になって「チャチャチャ」を作ってくれているような感じですね

ユキ そうですね、放送されてからの反応も楽しみです。皆さんがどんな風に感じてもらえるかなって。

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