写真=みみめめMIMI1年振りワンマン[1]

初ワンマンから1年にあたるこの日、ファンに「CANDY MAGIC」をかけた、みみめめMIMI(撮影・伊藤麻矢)

 [ライブレポート]6月に自身4枚目のニューシングル「CANDY MAGIC」をリリースした音楽ユニット、みみめめMIMI。当初は謎のアーティスト集団といった様子を見せていたユニットだったが、昨年6月に赤坂Blitzで初のワンマンライブを敢行、この時ついにボーカリストであるタカオユキ(以下、ユキ)がステージに正体を現し、以後新たなスタイルで活動を続けている。そのステージより約1年ぶりとなる6月28日に、渋谷duo MUSIC EXCHANGEで再びワンマンライブ『みみめめMIMI CANDY MAGIC SHOW ~梅雨だけど雨じゃなくて飴を降らせまSHOW~』を行った。ミュージックヴォイスでは当日の模様を以下の通りにレポートする。  【取材・桂 伸也】

「みみ」と「め」を使った表現

撮影・伊藤麻矢

撮影・伊藤麻矢

 この日会場には多くのファンが駆けつけ、ステージスタートの定刻17時を回っても、会場の外には場内には入りきれない者がいたほどだった。そして、17時から少し時間が回ると、いよいよステージはスタート。会場が暗転すると、「いよいよ!」とばかりにフロアの観衆は大きな歓声を上げ、みみめめMIMIの登場を待った。

 いよいよステージに登場したユキを、暗闇を照らす多くのサイリウムが出迎えた。彼女は登場とともにステージ左で一礼、右で一礼と、そして中央で深々と頭を下げ、この日を迎えたことへの感謝を表した。オープニング曲は「センチメンタルラブ」。彼女らのデビュー曲でもあり、華々しいスタートを飾るに相応しいナンバーだ。歌い出しの部分から、すでに観衆は彼女とフルコーラスを決め、会場の熱気を十分過ぎるくらいに高めていた。

 ユキの背景に流れるアニメーションと、ステージを軽やかに舞い、歌うユキの姿が交錯する。この画はみみめめMIMIのもう1人のメンバー、ちゃもーいの手によるもの。その描かれた世界観、それこそはみみめめMIMIの「め(目)」を司る大きな要素。このアニメーションはまさにイベントタイトルである「CANDY MAGIC SHOW」のイメージとすっかり溶け込み、見るものにポップでありながら不思議な空間を演出していた。

 「みなさん、ようこそお越しくださいました! 梅雨だけど晴れました!」と改めて、ユキが観衆に語りかけた。その言葉に大きく反応し歓声を上げた観衆。序盤は「閃光ハナビ」「ミッディ」「Mr. Darling」「お絵描き」「no name love song」と、みみめめMIMIはビートの利いたナンバーで押しまくり、観衆のハートにダイレクトにアピールした。約1年ぶりというワンマンライブへの期待の現れだろうか、観衆の反応は尋常ではないほどに激しく、熱気にあふれていた。

ポップさのなかにあるリアリティ

撮影・伊藤麻矢

撮影・伊藤麻矢

 中盤に差し掛かると、ユキは観衆に一礼をし、一呼吸を整えてステージに置かれたエレクトリックピアノの前に立った。会場には吐息すら聞こえてきそうな静寂が現れていた。続いたのは4枚目のシングルに収録された「サヨナラ嘘ツキ」のソロピアノバージョン。この曲は3枚目のシングルとしてリリースされた楽曲でもあり、別バージョンで今回改めてリリーされたことでも、彼女の曲に対する強い思い入れを感じる。

 静かな会場の中で、流れるようなピアノが最初は弱く、そしてサビが近づくにつれ強く、さらに強く変化していく。その流れに合わせてユキの歌に込めた情感も強くなっていく。彼女の声は、たとえばキャンディーのような甘さを感じられる一方で、何か切なさを生み出すコブシのような表現が感じられる。

 1stアルバムのタイトルである『迷宮センチメンタル』のまさに「センチメンタル」な部分、そしてこの「サヨナラ嘘ツキ」で感じさせる切ない雰囲気。どんなにポップな曲でもその隠れた心の一部分を表したような、リアリティを持った世界観、これこそユキの歌の持ち味であり、かつみみめめMIMIの大きな魅力の一つではないだろうか。この静寂の中に響いたユキの歌声は、そんな印象を強くかもしだしていた。

 そしてステージは後半、景気付けのごとく、ユキの得技ともいえる即興ソングのコーナーに。「お弁当」というキーワードを見事にアゲアゲのロックナサウンドとして曲を作り上げて披露、ステージの盛り上がりは最高潮に。それでもまだ足りないとばかりに、クライマックスに向け観衆とともに「みみめめ!」「MIMI!」とコール&レスポンスを決め、気持ちをさらにアゲていく。

 エンディングに向け続いた曲は「瞬間リアリティ」、「兎ナミダ」、「1,2,少女」と、気持ちをどんどんと高めていくようなアクティブナンバーぞろい。そしてラストは「サヨナラ嘘ツキ」。先ほどのソロピアノバージョンとは異なり、バンドサウンドの形態をとったもの。激しく打ち鳴らされるビートと共に、再び背景に映し出されたアニメーションとそのビジュアルイメージ、サウンドイメージは強烈に観衆の気持ちをつかみ、興奮の絶頂へと引き上げた。時に激しいジャンプを見せながら、会場は猛烈な熱気に包まれた。そしてエンディング。この日を迎えた感謝を告げながら、みみめめMIMIはステージを降りた。

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