本郷奏多『光る君へ』『アイのない』『消せない』異なるキャラ演じ分け、演技力の高さが光った１月クール

　本郷奏多が、２０２４年１月クールで、NHK大河ドラマ『光る君へ』、ABCテレビ『アイのない恋人たち』、NTV『消せない「私」－復讐の連鎖ー』の３作品に出演。全く異なるキャラクターを本郷ならではの個性的な存在感で演じ分け、大きな反響を集めた。

　◆NHK大河ドラマ『光る君へ』　2020年放送の『麒麟がくる』以来、２回目の大河ドラマ出演となった。本郷が演じているのは天皇らしからぬエキセントリックなキャラクター、花山天皇。初登場では足で扇を開き、更には暴れて家臣の烏帽子（当時では烏帽子は現代の下着のようなもの）を投げ捨てるなど、自由奔放な言動と行動が話題を呼び、Ｘ（旧ツイッター）ではほぼ毎回トレンド入りした。第４回では、花山天皇の女御（にょうご）である藤原忯子（よしこ／演・井上咲楽）の手を縛って登場し、更に第10回では道兼（玉置玲央）に騙されて出家し坊主頭を披露した。それぞれの回においてヤフーのトレンドランキングで「花山天皇」が１位を獲得するなど、大きな話題となった。ただ、女好きで幼稚な一面を見せているだけではない。天皇としての高貴さは失わない演技力が多くの視聴者を惹きつけている大きな要因と言える。

　SNSの反応を見ると「このドラマの花山天皇は彼しか考えられない」「曲者だと思っていた花山天皇が一番一途で不憫」「傲慢で子供っぽいのに情が深くでも大局を見極められない愚かさそれをこの上なく気品高く表現して頂きました何より美しい！！」「今後どれだけ視聴者にパンチの思いインパクト残していってくれるのかと思うと楽しみで仕方がない」「駄々っ子なのに気品があるように見える」などの声が聞かれた。

　◆ABCテレビ／テレビ朝日系『アイのない恋人たち』　大河ドラマ『光る君へ』の２時間後に放送の本作。こちらは女好きな花山天皇とは正反対のような、女性経験のないアラサー会社員、淵上多聞（ふちがみたもん）を演じている。自分（＝I）が無く、その場の雰囲気に合わせた言動・行動をしており、好感度は悪くないものの、恋愛では一歩踏み込めないキャラクターとなっている。一見物腰の柔らかい温厚なキャラクターに見えるが、6話では1度は交際関係となった冨田栞（演・成海璃子）に童貞であることを自分から告白する前に知られてしまい、気を遣われたことにより、やはり自分には恋愛は向いていないとやさぐれてしまう。『自分の思った通りにしていく』と開き直るが空回りしており、普段の多聞とは違う二面性を併せ持つキャラクターとして上手く表現している。栞と関わっていく中で、徐々に自分の本心を出していくなど、人間として成長しており、全9回の中で心境の変化とそれに伴う行動の変化を楽しむことができる。加えて直前に放送されている『光る君へ』との対比で全く対極にあるキャラクターを演じ分けている本郷を称賛する声も多い。

　SNSの反応では、「愛はいらないと言って童貞、一方で緊縛プレイの花山天皇とかギャップありすぎ日曜日の本郷奏多」「光る君へで女癖最悪の本郷奏多見てからの女性経験無い本郷奏多だから温度差やばすぎて風邪ひくw」「不器用でナイーブな少年の様な告白…こんな多聞、抱きしめたくなるでしょー」「超こじらせ童貞男子の多聞さんいいなぁ。好きー。本郷奏多よい！！」など『光る君へ』との振り幅を絶賛する声が多く聞かれた。

　◆NTV『消せない「私」-復讐の連鎖-』　この作品も他の2作品とは毛色が違っており、主人公・灰原硝子（演・志田彩良）の濃密な復讐劇をサポートする、徳道仁というキャラクターを演じている。元々徳道はメイク系配信者として活動しており、ある日出会った硝子をプロデュースし、人生を一変させたことで結果的に硝子の同級生が妬み、硝が性的暴行を受け、その動画が拡散され、デジタルタトゥーを刻まれてしまうきっかけを作ってしまう。自分のせいで硝子の人生を奪ってしまったと考えている徳道は、硝子の幸せを第一に考えており、硝子が復讐に協力してほしいと願い出た際には最初は反対した。硝子の強い決意を見た徳道は復讐に協力することになる。この復讐劇では硝子は加害者であるが、あくまで元々被害者であり、完全悪ではないところが徳道の存在により強調されている。この絶妙なバランス感が本郷の演技により表現されており、硝子を演じている志田彩良を筆頭にした各キャストと本郷の演技の掛け合いは多くの視聴者を惹きこみ、Tverのデイリーランキングでは最高2位を記録するなど、右肩上がりで視聴者を虜にしている。

　SNSでは「1話目終わった時から本郷さんが見たくてこのドラマにハマったw」「目に光を灯してない、ダークな徳道さんの沼に今週もやられた…」「徳道の演技がすごすぎる。復讐の連鎖俺がとめるって鬼気迫る演技」などのコメントが上がり、３作品を総じて「徳道仁でみせる涙 花山天皇でみせる涙 淵上多聞でみせる涙 全部違って全部いい」「今クール三種類の本郷奏多が楽しめて最高でございます」という声もあった。

「幽☆遊☆白書」や「きみセカ」なども

　上記３作品に加え、現在配信中のNetflixシリーズ『幽☆遊☆白書』では一匹狼でありながらも、妹を救うために戦うキャラクター、飛影、こちらも現在配信中のHulu『君と世界が終わる日に Season5』ではゾンビが蔓延る世界を救うために人々を導く心優しきリーダー、秋吉蓮、3月18日から続編が配信されるテレビ東京『姪のメイ』では両親を亡くした姪っ子と暮らす会社員、小津高一郎を演じるなど、世界観、性格を問わず様々なキャラクターを演じ分けている。20年を超える俳優歴に裏打ちされた高い演技力が光る。

　一方、俳優業だけでなく、自身で企画・撮影・編集している公式YouTubeチャンネル『本郷奏多の日常』も自身の趣味に没頭する姿やプライベートを投稿し、総再生回数1億回を突破するなど、大きな話題になっている。役者に、趣味に、今後も本郷奏多の活躍に期待だ。