久間田琳加が24日、都内で行われた映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』(9月1日公開)試写会イベントに登壇した。この日は原作者の汐見夏衛氏と酒井麻衣監督も登壇した。

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 汐見夏衛さんによる、シリーズ累計発行部数55万部を記録した同名小説が原作。JO1の白岩瑠姫と久間田琳加。マスクが手放せない優等生の丹羽茜(久間田)と、自由奔放で絵を描くことを愛する銀髪の深川青磁(白岩)の、正反対な二人が織りなすラブストーリー。

 元高校教師という経歴の持ち主である汐見氏は「教師をしていたときに、最近の若い子たちは穏やかで優しい子が多く、悩みや悲しみ怒りなどを全部飲みこんでいるのではないかと思った。その全部は無理でも自分の気持ちを吐き出して楽になれるような作品を書きたいと思った」と原作執筆経緯を回想。その意図に共感する酒井監督は「本音が言えないという気持ちは、私は大人になるほどあると思った。自分に茜を重ねながら原作小説を読んでいました」と明かした。

 学校ではマスクが手放せず本心を隠して生きる丹羽茜を演じた久間田。役作りについて聞かれると「マスク姿で学校生活を送るというのはどんな感じなのかと、そのリアルを知りたくて実際に女子高生に話を聞いたりしました」と熱の入った準備を紹介。

 マスクを着けながらの演技となったが「顔の半分しか見えていないので不安だったけれど、茜のことを心から思っていれば目だけでも感情は伝わると思った。最終的には気持ちのままに動くようにしていた」と演じる上ではハートを大切にしたという。

 この久間田の熱演に対して汐見氏は「本音を言えない茜が可哀想で不憫で…。自分で書いておきながら『誰か助けてあげて!』と思うくらい感情移入した。久間田さんに演じていただけて良かった。何度『可愛い!』と言ったことか」と大絶賛で、酒井監督も「久間田さんの表現力を信じていました」と全幅の信頼を置いていた。

 また久間田は、先日行われた最速上映会のアンケートで本作を「人に勧める」が97%を占めたことに触れて「私も茜を演じていくうちに学生時代の自分の気持ちを思い出しました。本音が言えないというのはわかるし、その本音をもっと言えるようになったら楽になるということをメッセージとして伝えたいと思っていたので、人に勧めたいという方が多くて嬉しい」と喜色満面だった。

 “ときめいたシーン”の話題になると、久間田は「青磁(白岩瑠姫)と茜が遊園地に行って、青磁から夕焼けは茜色だと教わるシーン。色の名前とはいえ、そこに自分の名前が入っているとこんなにもドキッとするんだと思った」とときめいた場面をピックアップ。酒井監督が「撮影も後半になってお二人とも役を掴まれていたので、こちらからリクエストすることなくあのようなシーンになりました。本物の夕日を狙っていたので撮影自体は時間との勝負。ワントライで一発OKでした」と舞台裏を紹介すると、久間田も「お互いに『緊張するね!』と言い合ったりしながら、集中力もグッと上がりました」と思い出していた。

 また本作の内容にちなみ、「誰かとの出会いをきっかけに成長した」エピソードをそれぞれ披露。久間田は「いきなり芸能界に入って自分の発信の仕方がわからなかった。そんな時に雑誌の編集長から『芯を持って自分が好きなことを伝えれば、見ている人には伝わる』と言われたときに考え方が変わった。好きなことを極めればいいという自信にも繋がりました」と格言発表。酒井監督は「高校時代に通っていた画塾の先生から『自分の色は周りの人が感じてくれるもの。真摯に向き合えば勝手に自分の色は出てくる。自分の色を出そうとしない方がいい』という言葉は今も響いています」といい、汐見氏は「小学校時代からの幼馴染が作家デビューしたことに背中を押されて自分も小説を書こうと思った。そこからずっと止まることなく書いています。20年くらいの前の出会いが自分の人生を変えた」と話した。

 最後に汐見氏は「茜と一緒に成長して最後は解放感を味わえる映画です。一歩踏み出そうというきっかけにしてもらえたら嬉しい」と期待。久間田は「撮影期間は茜と一緒に身を削りながら一緒に葛藤して悩んで、自分にない感情に出会うことが出来ました。一人でも多くの人の背中を押す作品になったら嬉しいです」とアピール。酒井監督は「映画を観てもらって自分の世界は綺麗だと思ってもらえるきっかけになったら嬉しい」と呼び掛けていた。

©2023『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』製作委員会

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