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主演本仮屋ユイカ、平岡祐太の連続ドラマ『片恋グルメ日記2』(TOKYO MX)が5月23日(月)にスタートする。アキヤマ香さんの人気コミック(双葉社刊)を原作とした「妄想×グルメ」ラブコメディ。出版社を舞台に、現実の恋に踏み込めない漫画編集部員・所まどか(通称:コロ)が、想いを寄せる男性営業部員・八角直哉(通称:八角さん)に近づくべく、彼が食べたものと同じメニューを食べることで、妄想しながら追体験=“食事ストーキング”をしていく。本仮屋が妄想女子のコロ、平岡祐太が八角さんを演じる。続編となる今作では、前作でついに結ばれたかのように見えたコロと八角さんの恋の行方を、原作にはないオリジナルストーリーで描く。今回は本仮屋、平岡にインタビューを行った。動画では、コロがもともと漫画家を目指していたことにちなんで俳優以外でなりたかった職業、そして「ここぞ!」という時の勝負めしを聞いた。【取材・撮影=木村武雄】
沸点からスタート
――もともと『スウィングガールズ』(04年)で共演されていて、今回は『片恋グルメ日記』の続編ということで再会した時の印象をお聞かせください。
本仮屋ユイカ 大人っぽくなったなって思いました。みんなもちろん若々しくて情熱的で変わってないところもいっぱいあるけど、でもきっとこの1年半でいろんな変化があったんだろうなっていうクールさを感じました。
平岡祐太 本仮屋さんは変わらないなという印象でした。お互い最初会った時に作戦会議じゃないですけど「今回どうする?」と言った記憶はあります。
――最初に撮ったのはどういうシーンですか?
平岡祐太 隅田川の川沿いで電話でのお芝居が最初だったんですが、コロさんが大阪の八角に電話しているシーンで、僕は本仮屋さんの裏側にいてリアルタイムで電話をしました。なかなか珍しい手法だなと思いながら、リアルタイム通話をしていました(笑)。
――リアルな掛け合いだったんですね。本仮屋さん、最初のシーンは電話ということですがいかがでしたか。
本仮屋ユイカ 早く顔を見てお芝居したいなって思いました。何か焦らされてると思って(笑)。
平岡祐太 しかも初日に大ラスト(最終ラスト)のシーンを撮って。さらに台本にないことをやったりしていて、どうなっていくんだろうって思いました。
本仮屋ユイカ 一応最後の頂点の点は打ったけど、ここに向けてどんな風に道を進んでいくかわからなかったですし、この点打ったけどこの位置であっているのかなって。でもパート1を作り上げた平林監督に全幅の信頼を寄せていましたので、そこに対しての不安はなかったです。最高のラストのためのものなんだろうなって。でもあの日はまだかなりふんわりしていました。
――ゴールに向けて撮っていく感じだったんですね。平岡さんは八角というキャラクターを作るにあたって形から入っていたと過去に話していました。時間をおいて再び演じるという点ではどうでしたか?
平岡祐太 パート1ではモテ四天王と呼ばれていたので、それに応えていくために彼は「自分」というものを隠して生きてきて、コロさんと出会って打ち解けたというところで終わっているんです。今回は2人がお付き合いをしているというところから始まるので、状況がだいぶ違ってまた一から八角さんを作らないといけないなと思いました。
――その中で一番大変だったことは何ですか。
平岡祐太 全体を通して逆算したり、全体を通して見たときに、恋愛パートにおいては2人の関係性が変化していくというところが面白かったりするんだろうなと思ったので、そこは細かく考えていました。
妄想シーンの裏側
――役作りはどのように臨まれようとされたんですか。
本仮屋ユイカ まず、所まどかという人がこの作品において何を達成したいのか。それに対してどういうものが障害になっていて、どういうものを大事にしているのかっていう彼女の軸を一つずつ洗い出して、それを本仮屋ユイカと照らし合わせて想像したり練習して深めていくっていう作業を繰り返しています。
――原作を読むと妄想が激しくて、現実と妄想の差異が大きく大変だったんじゃないかなと思います。
本仮屋ユイカ そこがこのキャラクターの一番のキモで、普段恥ずかしくて自分の言いたいことも上手に言えないからこそ、あれだけ飛び抜けた妄想ができていて。それは観ている人も当てはまることが多いんじゃないかなと思います。それは、社会生活をうまく送っていく上で、みんなに合わせたり、協調性を持って生きているからで。でも本当はこんなことしたいっていう欲望を持っていてもいいじゃんって。その爽快さを叶えられるのが、この『片恋グルメ日記』だと思います。我慢するとき、恥ずかしいとき、言えないときは思いっきり縮こまって繊細にやりますし、妄想のときはすべてかなぐり捨てて全部みんなにさらけ出す勢いで大胆にやって。その振り幅が大きければ大きいほど、この作品の魅力になっていくと思ったのでそこはすごく意識して取り組みました。
食事シーンへの強いこだわり
――食べっぷりにも驚きました。平岡さんはその食べっぷりを見てどう思いますか。
平岡祐太 周りからもすごく食べるのが上手というか、おいしそうに食べるし、そのおいしそうにもたくさんの表現の違いがある。僕は実際にはあまり見られていないんですけど、上品に食べるなって。例えば、口の中にいっぱい頬張っても全然不快を感じないというか。そういうのは、本仮屋さんの食技術かなと思います。
――豪快に食べても品の良さが出ています。
本仮屋ユイカ ありがとうございます。嬉しいです。
平岡祐太 人ってそういう些細な、ご飯の食べ方や箸の持ち方、歩き方で不快さを感じたりもするので、そういうところが一切ないというのはいいなと思いました。
本仮屋ユイカ やっぱりそれは、もうひとつの主役がご飯だから。ご飯がよりおいしく魅力的に映るように、どのサイズで食べるのがいいのか、もうちょっとソースをたらした方がいいのか、一口でいった方がいいのか、ふた口に分けた方が綺麗なのか。自分じゃなくて食べ物がうまく映るように自分はサポートする感じで食べています。
――角度とかも自分の頭の中で考えて?
本仮屋ユイカ そうですね。このカメラがいてこの照明があるからこうやって映った方が食べ物がきれいだなと思って食べています。
――平岡さんも牛丼を食べるシーンがありました。
平岡祐太 僕は何も意識していません…(笑)
本仮屋ユイカ でもあの顔が大好評で。あの牛丼顔を引き出すためにも、みんなで「あの牛丼顔を!」と言っていました(笑)。
平岡祐太 「はい分かりました!」って牛丼顔をいろいろやっているうちに、バラエティーで焼肉を食べる番組があったんですけど、全部あの顔になっています(笑)。僕のおいしい顔じゃなくて、八角のおいしい顔になっています(笑)
――実際本当においしそうでしたからね。豪快に喰らっていたという感じが。
平岡祐太 湯気が出ているものっておいしそうに見えますよね。韓国ドラマを観ていても、食事のシーンが結構出てきて、みんな美味しそうにバクバク食べるんですよ。だから遠慮なく食べた方がおいしそうに見えるかなと思って。
今回のメニューは?
――今回はどういったメニューが出てきますか。
本仮屋ユイカ 食べられて嬉しかったのはお好み焼きと初めて食べたビリヤニです。お好み焼きは鉄板で焼いたアツアツを食べられましたし、ソースとマヨネーズと粉もんが大好きなのでこのおいしさを届けられるなんて最高と思いながら食べてました。ビリヤニは初めて出会ったんですけど、かなりスパイスが効いててスパイシーなのにさわやかでくどくなく食べるたびに体温が上がる。あのおいしさに出会ったことがなかったので衝撃でした。
――それも豪快に?
本仮屋ユイカ 豪快に食べています! いかに大きい一口で食べるか。
平岡祐太 僕は焼き鳥弁当です。今まで食べてきたものとは違って、お弁当の中に鶏が敷き詰められているような。レバーなど入っていたり、普通のお弁当には入ってないものも入っていたりして。冷えていても鶏がおいしくて衝撃的でした。
パワーアップしたところ
――食事もそうですが、前作よりもよりパワーアップした点がすごく気になると思うんです。それぞれが考える見どころというか、パワーアップしているところがあれば教えてください。
本仮屋ユイカ パート1が素晴らしくて、「いい作品になったな」っていう手ごたえが現場でもありました。放送を終えるたびに皆さんからいただく反響の大きさとか、熱量の高いメッセージをいただいて、すごく愛された作品だったんだなと。私としても「本仮屋ユイカ」として何か1作品を提出しないといけないとなった時に選びたい1本に入ってくる作品です。要は自分の名刺代わりになるような作品を絶対に超えなきゃいけないっていう、それだけ高いハードルのものをどうやろうか結構苦心しました。
今回はすごくシンプルに言うと、八角さんとコロの恋愛が一歩踏み出せないっていう話。いろいろと横道はそれますが、いかにキャラクターが魅力的かという1点だと思いました。私だけじゃなくて、八角さんもりんご先生も全員がバージョンアップしてないとお客さんが喜んでくれないから、そういう奇跡を起こすために何ができるかっていうのを、毎日ものすごく集中してやってました。その結果、かなり深みがあるキャラクターたちになって、それぞれが魅力的になったと思います。
――そうおっしゃっていますが、平岡さんはどうですか。
平岡祐太 本仮屋さんがおっしゃっていたすべての何倍も面白いと思います(笑)
本仮屋ユイカ 新しい方法きたね!
平岡祐太 物語が少し大人っぽくなっているというか。妄想も演出の手法としてネタというよりも、人らしい感じの妄想シーンになっているので、キャラクター自身がみんな成長している。2倍くらい(笑)。家でグルメ系のマンガを読んだりしますが、とにかくホッコリ幸せな時間に一瞬でなれるんです。今回そういうのをすごく意識しましたので、皆さんが、このドラマを観たときに、30分ほっとしてまったりしたりとか、ちょっと幸せな空気に包まれてくれたらいいなと思います。
――ちなみに平岡さんのイケメンぶりも2倍になっていますか。
平岡祐太 前作の2倍ぐらい超えていると思います(笑)
――コロは、その2倍超えたイケメンぶりに惚れたんですね。
本仮屋ユイカ そうですね~。あんまり分からなかった。でも6話の妄想の八角さんはかなりきました。
平岡祐太 やっぱり気持ちっていうのは伝わりづらいものですね…(笑)
距離感
――通常のシーンは2人に距離感がありますけど、妄想の時はぎゅっと密接になっていて。どういう風に挑まれましたか?
本仮屋ユイカ パート1のときに思ったんですけど、10代のときに知り合ってる平岡さんだからこそできたことだと思います。妄想シーンって短いですし、面白いから簡単と思われがちなんですけど、別世界の物語の一番山場を急にやらなきゃいけないから、ちゃんと積み重ねていないと、あの盛り上がりは出せないんです。しかも心を開き合ってないとそれだけの高まりをぶつけ合うのも怖いですし。だから若い時から知り合っていて、ワガママを言えて、ダサいところも何でも知っている平岡さんにバンとぶつけるのはすごく楽でしたし、平岡さんだから妄想シーンはパート1でできて、その積み重ねがあってのパート2だったのですごく楽に入れました。
――平岡さんはいかがですか。
平岡祐太 コロさんの妄想なので、いかに妄想を広げて楽しむかということはやっていました。
――心の持ちようとしてはいかがですか。
平岡祐太 一番情熱を注いで妄想をやっていました。
本仮屋ユイカ これはギャグではなくて、本気で本編より妄想を頑張る男です。だから面白いんですよ。台本に書いてないことを提案してきたり、演技として出てくるから、私は真ん中しかうめないけど、平岡さんはすごく横を広げるのが上手で、面白いアプローチしてくる人だなって毎回妄想シーンの時は思います。
平岡祐太 大変なんですよ。あそこは普段の八角さんとのギャップが出ないといけないので。しかも視聴者から八角さんって素敵ねとか、大胆ねとか思われないと、なんで平岡を選んじゃったんだろうってなっちゃいそうなので、そういうプレッシャーを感じながらやっています。
――原作とビジュアル面が結構似ているなと。
本仮屋ユイカ 良かったね!
平岡祐太 いつも八角さんの漫画の写真を美容師さんに持っていって、これにしてくださいとやっています。
――本仮屋さんは今回どうされたんですか。
本仮屋ユイカ 今回は別の作品もぬっていたので、その作品との兼ね合いもありながら、原作の画を見て、美容師さんと相談しながら切っています。繋がりもあるので、撮影後、コロの髪のセットのまま行って、これがセットしやすいように切ってくれとかお願いしています。
続編に期待も
――1の時は高校生姿がありましたね。すごく可愛らしいなって思ったんですけど、今回妄想のシチュエーションで注目してほしいところとかありますか。
平岡祐太 今回はコスプレがなかったんです。
本仮屋ユイカ 前回は全然違う世界線での妄想でした、今回はこの世界線の中での妄想という感じです。そんなに大幅には変わらないというか、ファンタジーまではいかないです。だからより一層私たちの手腕が問われる感じです。
――面白いといったらアレですけど、すごく面白いです。
本仮屋ユイカ そこを面白がってもらえるようにすごくみんなで頑張ったので、ドラマ好きの人にはめちゃめちゃ響くと思います。
――もしかしたら、いずれは劇場版も?
平岡祐太 ないんじゃないですか(笑)
本仮屋ユイカ 私、和菓子屋より劇場版がいいわ。パート3は八角さんのおうちが和菓子屋で、それを2人で継いで傾いた経営を立て直すっていう職業ものにするらしいんですよ。
――パート3はもうあるんですか。
本仮屋ユイカ いや平岡さんの妄想では、です(笑)。私はそれどうかなと思ってるんですよね。パート4は星君の実家が寿司屋で、今度はそっちを立て直すっていう。…みんな傾いてる家(笑)
平岡祐太 毎話妄想するネタが違うとか。
――劇場版をぜひやっていただいて、本仮屋さんが埋め切れなかったものをそこで全部埋めてほしいなと思います。
本仮屋ユイカ もっと熟成させたものをね。どうなるんですかね!
平岡祐太 『きのう何食べた?』って映画化になりましたよね。じゃあ、ご飯ものでも映画になることってあるのか。
――TOKYO MXでは、「おいしい給食」が劇場版になってます。
本仮屋ユイカ 和菓子屋をやめて劇場版にかけよう!
平岡祐太 今っぽいのにしようか。キッチンカーで!
本仮屋ユイカ なんでそんなロードムービーにしちゃうの。ラブコメなんだから。それなら、番外編で!それに豆知識に入れよう!それで気持ちをおさめよう。
(おわり)
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