INTERVIEW

工藤阿須加×坂井真紀

息ぴったり!『ベイクオフ・ジャパン』シーズン1でホスト、舞台裏を聞く


記者:木村武雄

写真:木村武雄

掲載:22年04月21日

読了時間:約5分

 工藤阿須加と坂井真紀が、Amazon Original クッキング・リアリティ番組『ベイクオフ・ジャパン』シーズン1(Prime Videoで4月22日より独占配信開始)で番組ホストを務める。アマゾンが手掛ける初のクッキング・リアリティ番組。イギリスで社会現象を巻き起こした人気番組『ブリティッシュ・ベイクオフ』の日本版で、総勢10人のアマチュアベイカーたちがお菓子やパン作りの腕を競う。審査員はトップパティシエの鎧塚俊彦さん、パン職人で日仏ベーカリーグループオーナーの石川芳美さん。優勝の行方をホストとして見守った工藤と坂井にその舞台裏を聞いた。【取材・撮影=木村武雄】

相性ピッタリ

――お互いの印象はいかがですか。

工藤阿須加 何でもできる大先輩です!

坂井真紀 何をおっしゃいますか(笑)

工藤阿須加 本当にそう思っています。コメディからシリアスまで演じられる幅がものすごく広くて尊敬しています。

――尊敬する坂井さんと今回ホストとしてタッグを組んだわけですが、いかがでしたか。

工藤阿須加 心強かったです。オリジナルはコメディアンのスーとメアリーがホストを務めていて、僕らは役者と言ってもオリジナルを知っている方はその関係性で見られると思いましたので、2人の面白さやベイカーの緊張をほぐす役割、瞬発力が大事だと思いました。そういうところも坂井さんに頼り切っていました!

坂井真紀 私はホストという役割は初めての経験でしたので不安はありましたが、工藤さんが同じ役者であることが心強かったです。工藤さんに褒めて頂いたから言うのではなく(笑)、いい役者さんだなぁと思ってずっと拝見していましたので、ご一緒できることがとても嬉しかったです。それに、人となりが出る番組に出られている時に垣間見れる、工藤さんの人間性や熱い心も素晴らしいと感じていました。だから工藤さんに付いて行くしかないと思っていました。あと『ZIP!』経験者ですし、MCという点では先輩。私の方が年上ですし、はじめはスタッフの方から「引っ張って行って下さい」と言われましたが、私の方が頼らせて頂きました。

――息の合った掛け合いは番組のオープニングでも感じられます。

坂井真紀 視聴される方がピンと来なかったらどうしようと思っていたので、そう言って下さると「良かったぁ」と安心できます(笑)。

スピードとデザインの両立

――番組ではベイカーの料理に対する熱い思いや料理の繊細さが垣間見えますが、間近で見てどう感じましたか?

坂井真紀 (生地などの素材が)気温や時間などによって状態が変わって、それが仕上がりにも大きく影響します。お菓子作りはすごく繊細なんですよね。今まで普通に気楽に食べていたお菓子やパンですが、このふんわり感を出すためには、数々の繊細な技術がひつようなのだ、と。お菓子やパンを見る目が完全に変わりました。

工藤阿須加 僕もお菓子を見る目は変わりましたね。たとえば鎧塚さんの「Toshi Yoroizuka」のケーキは、一つひとつがとても細かくデザインされていて芸術だなと思うものばかりなんです。でもやっぱり早く作業しないと溶けてしまうから、繊細なデザインを保ちながらものすごいスピードで作られていると知って驚きました。それがすごいですよね。

坂井真紀 ちゃんと思いながら食べているじゃない(笑)

工藤阿須加 ベイカーの皆さんが作っている間に、お二人に伺ったことがあるんです。ベイカーのみなさんが30分くらいで作っていますが、もしおふたりだったらどのくらいかかりますか?って。そうしたら10分もかからないかなとサラッと仰っていました(笑)改めて鎧塚さん石川さんの凄さを目の当たりにしました。石川さんから頂いたビーガンのメロンパンもめちゃくちゃ美味しかったです!
坂井真紀 鎧塚さんと石川さんのすごさは随所で感じましたよね。ベイカーのみなさんへの愛ある厳しさや発するコメントから、学ばせていただくことも多かったですね。

坂井真紀、工藤阿須加

勝負めし、願懸け

――ご自身が作ることはありますか?

坂井真紀 バレンタインデーのときにチョコを溶かして型にしたり(笑)、時々クッキーを作ったりしたくらいですが、子供ができてからのほうが、一緒に作れるものを探してクッキーやゼリー、シフォンケーキを作ったりしています。でもシフォンケーキは1回もまともにふっくらしたことがないのでうまく作れるようになってみたいです。ベイカーさんの中にも子供さんがいらっしゃる方が数名いらして、子供のために素敵なお菓子やパンを作れるお母さん、憧れです。

工藤阿須加 僕は食べる専門なので作ったことがないです(笑)小さい頃は家族でドーナツやパンケーキを作ったりしていました。みんなで練って作るみたいなものが多かったですね。ただ僕の場合はキャンプとかでお肉を美味しく焼く自信はあります。それぞれ役割分担があると思うのでキャンプは任せてください(笑)

――美味しいスイーツを求めて戦うベイカーさんの物語ですが、お二人の「ここぞ!」という時に食べる願懸けのようなスイーツや食べ物はありますか?

坂井真紀 カレーがすごく好きで、スパイスにはすごい力があると信じています(笑)。パワーが必要という時にはカレーをいただきます。舞台の初日やちょっと緊張する仕事のときもカレーを食べていますね。

工藤阿須加 僕はないですね。前から準備するタイプかもしれないです。変わらない日常を作り、その日に気合を入れるというよりも、体を慣らしています。食事も自分の体調に合わせて身体にいいものを食べるように心がけています。

「農業は人生」工藤、「緒形拳の言葉」坂井

――工藤さんは農業をされているので生産者としての立場でもありますが、その魅力はなんですか?

工藤阿須加 農業のどの分野に携わるかにもよりますが、野菜を作ることであれば、まずは土を作るところから始まり、自然と向き合う。そ自分が育てようと思う野菜の種を植えて。もちろん水質管理も必要ですが、基本的に野菜は自然と育つんです。虫に食べられたりすることもありますが、自分たちの力で育つんですね。それは人間と近しいかなと思うんです。考え行動し、ていろいろな失敗を得ながらも成長していく、まさに人間の成長と重なります。自分が作ったものには自然と愛情がわきますし、それを収穫して食べる。そのストーリー、プロセスを感じられる瞬間がたくさんあるんです。そこが魅力です。

坂井真紀 お野菜を頂いたことがあるんですけど、すごく美味しいです!

――ベイカーさんは鎧塚さんや石川さんの言葉によっても意識を変えていきますが、坂井さんご自身が過去に言われた言葉で今も大切にしているものはありますか?

坂井真紀 緒形拳さんとお仕事でご一緒したときに、お昼休みなどに楽屋に呼んで下さって、台本のことだけでなく、色々なお話をして下さいました。本当に貴重な時間でした。その中で「役者はどこかでいつも冷静な部分を持っていないとダメだぞ。自分が気持ちよく演じちゃ絶対ダメ。それだけは覚えおけよ」と言って下さって。それが役者をやり続ける上で、お守りのように持っている言葉です。

(おわり)

坂井真紀
ヘアメイク ナライユミ

工藤阿須加
ヘアメイク Hair & Make up : ShinYa (PRIMAL ART)
スタイリスト クレジット不要

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木村武雄

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