元ジュディマリTAKUYA率いる新バンドの魅力“特質拍子”、ライブレポで紐解く
本編で完全燃焼、全て全力のサウンドと演奏
そして12月25日のクリスマス、「新代田 Fever」で、『Xmas Special ONE MAN SHOW』と題したワンマンライブを開催した。
開演時間をやや過ぎたところでSEが流れ、青い照明が照らされる中メンバーがステージに登場した。
SEの終わりを引き継ぐように1曲目「Let Ur Rock Set…」が鳴り響いた。TAKUYAはギターにフライングVを抱え、エッジの効いたギターをかき鳴らす。そして拡声器の様なエフェクトを掛けたヴォーカルが印象的だった。既に1曲目からthe Cloud Collectorsの世界観に引き込んでいた。
TAKUYAの「メリークリスマス!」の掛け声に続いて「BIG APPLE」「グレイプ」と立て続けに演奏していく。この「グレイプ」は筆者が思うに難曲に位置する。恐らく拍子は8分の7拍子(7/8)を基本にしていると思われる。7拍子の中、決めなどバシバシ入ってくるこの曲でバンドメンバーの実力がわかる。
以前インタビューで「僕でもパッと弾けないぐらい曲が難し過ぎて、バンドでコツコツとスローなテンポで練習するところからやっている」と語っていたが、この曲を聴いて改めて彼らが追い求めているサウンドのハードルの高さ、ストイックさが垣間見え、やけに納得してしまった。
続いてロックナンバーの「Bleaching Poweder」やジミヘンを彷彿とさせるサイケデリックなイントロが印象的だった「City is Burning」など間髪入れずに演奏。
ここで再び難曲のひとつであろうと思われる「RAIN DROPS」やミディアムナンバーの「レジスタンス」を演奏し前半戦が終了。前半戦だけでもこのバンドの幅広い音楽性が垣間見えた。ファンは普通にノっていたが、本来であれば変拍子を多用しているためリズムにノリは合わないはずである。それを違和感なく乗れるように作り込んでいるところにこのバンドの凄味がある。
そんなストイックさが見える楽曲群とは異なり、MCではアットホームな雰囲気に包まれる。TAKUYAの優しく語り掛ける言葉、その反面、漫才でも見ているようなメンバーとのやりとり。このギャップがまた魅力的だ。