JUDY AND MARY―。90年代を代表するロックバンド。アニメ『るろうに剣心』の主題歌「そばかす」をはじめ、「くじら12号」や「Over Drive」など数々のヒット曲を世に送り出した。バンド再結成ブームと言われる昨今、ジュディマリへの期待も高まっているが、再結成に向けた動きは見られない。
元メンバーのTAKUYA(G)は作曲家としての評価も高く、バンド解散後はソロ活動と並行して様々なジャンルの歌手に楽曲提供をしてきた。また、名プロデューサーとも言われ今年1月に他界した佐久間正英さんとの師弟関係は有名な話だ。
そのTAKUYAは現在、佐久間さんもプロデューサーとして参加していたバンド「TAKUYA and the Cloud Collectors」=TAKUYA(Vo&G)、若菜拓馬(G)、かどしゅんたろう(Dr)、千明(B)=に力を注いでいる。このバンドでは、商業的要素を一切排除して師弟2人が思う理想の音楽を追求していくことをコンセプトに掲げている。言わば一般ウケは難しい規格外の音楽だ。
その理想も結成3年目の今年、ようやく楽曲としての形が見えてきた。このような背景もあって12月25日に都内で行われる恒例のクリスマスライブは例年以上に意気込んでいる。佐久間さんと目指した音楽とは何か、それを具現化する新バンドに懸ける想いとは、そしてジュディマリ再結成はあるのか、バンドメンバーとともにインタビュー応じ語って頂いた。 【取材・村上順一】
新バンド結成のきっかけ
――まず、新バンド「TAKUYA and the Cloud Collectors」の結成のきっかけを教えてください
TAKUYA 2012年のクリスマスかな。それまでは僕の個人的なバンド「ROBOTS」をやっていたんですけど、それを解散させて。ROBOTSそのものもあまり活動はしてなかったんですけど、その頃に、「THE NAMPA BOYS」というロックバンドのプロデュースをしていて、一緒にやっていると単純にバンドが羨ましくなってきて。俺もやっぱりやろうかなって。そのあと、先日亡くなった佐久間正英さんの還暦ライブの時に若菜を紹介してもらい、そこで久しぶりに佐久間さんも参加できる、一緒に仕事ができるバンドをやろうかなって思って。僕は、かどしゅんたろうとは前から仕事をやっていて、若菜が千明ちゃんに声を掛けて、それで佐久間正英プロデュースみたいな形でやり出したんですよ。それがきっかけかな。
――TAKUYAさんは佐久間さんとの繋がりが深いですよね。ROBOTSでも佐久間さんは参加されていましたね
TAKUYA ROBOTSの活動期間は実は長くて、ジュディマリより前からやっていたんで、佐久間さんはその途中で関わったという感じかな。10年以上やっているとしたら真ん中ぐらい。インディーズでやっていてCDを作るときに佐久間さんにお願いをして。この頃には既に活動開始から5年が経過していましたね。
――TAKUYA and the Cloud Collectorsも佐久間さんのプロデュースでやってみたかった?
TAKUYA ほとんどそれが理由かな。どっちかと言うと、佐久間さんは還暦も過ぎて、まだ病気にかかる前だったけど、もうちょっと、そう、なんだろう。師匠の老いる前にもうちょっとやりましょうみたいな感じかな。
――佐久間さんをプロデュースに迎えてバンドをやるという意図は?
TAKUYA うんとね。単純に、久しぶりに2人で仕事がしたいなと思ったのと、僕も商業音楽向けというかポップスというか、そういう仕事はしてるんだけれど、なんかどっちかというと、僕と佐久間さんはもう少しマニアックな好みに向けて作りたくて。時代もこういうネットとか、どこにでも繋がっていく時代だからね。J-POPのシーンにこんなにも向かない音楽をやっているのは僕としても初めてなんですよね。