山根涼羽、村山彩希、篠崎彩奈

<〇〇な2人:連載アフターインタビュー(13)>
 AKB48山根涼羽がMCを務める、ライブ配信アプリ「17LIVE」の番組『AKB48 広報 山根涼羽と○○(マルマル)な2人』の第13回生配信が1月25日に行われた。この配信が最終回。ラストのゲストは、山根が慕う村山彩希と篠崎彩奈。気心知れた仲間だからこそ裏話も飛び出すなど貴重なトークを繰り広げた。山根は「最後までやり切れた気持ちです」と爽快な表情で番組を締めくくった。【取材・撮影=木村武雄】

ずんの成長に「びっくり」

 向井地美音と茂木忍ペアをゲストに迎え始まったこの番組のラストは、16期研究生の劇場公演(「レッツゴー研究生!」公演)をプロデュースするなど温かく見守ってきた村山彩希と、その村山の同期・篠崎彩奈。それだけに特別な思いがあった。番組中も「ずっと出たかったから嬉しかった」と語っていた2人。

 村山「ゲストには先輩もいるから、ずんちゃんのコミュニケーション能力なら大丈夫だろうと思っていたんですけど、今日改めて進行が上手すぎてびっくりしました。劇場公演に一緒に立つことも少なかったので、久しぶりに一緒に仕事をしてさすがだなと成長に感動しています。本番が始まる直前の会話から独特のワードセンスが出ていて。ずんちゃんはNMB48の渋谷凪咲さんが好きで研究してるのを知っていたから、こういう番組で活かせるんだなって改めて実感して。ずんちゃんは面白いし、アイドルでありつつバラエティ要素も入れてくるあたりが、ファンの人の沼なんだろうなって思いました」

 篠崎「楽しかったです。ずんちゃんは同じチームになってから仲良くなったので、ずんちゃんが冠番組を持つと知った時もすごく嬉しかったし、絶対に出たいなと思っていたので、今日出演できて嬉しかったです。ワードチョイスがすごく独特で面白くて。MCもそういう感じなので、ずんちゃんの良さが垣間見えたなって思いました」

 後輩の成長を誇らしく思う2人。

 最終回を迎えた山根自身は、2人をゲストに迎えられた喜びを語るとともに、「寂しいし、終わってほしくないというのはあるんですけど、13回やってきて、毎回、今日は良かったなって自分でも思えるくらい成長できた素敵な番組だったので、3カ月やりきったという感じです」と清々しい表情を見せた。

両想いです

 最終回とは言ってもこの先まだまだ続くような、いつもと変わらない和やかな雰囲気だった。この番組の特長でもあるメンバーの素が全開となるトーク。この2人も例外ではなかった。

 「両想いな2人」としてゲスト出演した。…が、村山は冷めきった表情。篠崎がパネル越しにハートマークを作るも、それをスルーする。それもお構いなしにベタベタしようとする篠崎。だが時折見せる村山の表情から慕っている様子が漏れ出る。その光景は、ベタベタされることを嫌う彼に「ねえねえ」と腕に頬を付ける彼女のよう。かと思えば猫のように、興味をそそられるものが目の前に現れればそちらに飛びつく。

 篠崎「確かに、わりと自由かもしれないですね、ウフフ」

 村山「確かに自由だよね。マイペースだとは思うんですけど、怒ったら、ちゃんと『ごめんなさい』が言えるし。ちゃんとそうだよねって一回飲み込んでくれる子なので、素直で良かったなと思います」

 篠崎「ね、私、年上だよね(笑)」

 同期だが、篠崎は村山の2つ上。

 記者「両想いで間違いないですか?」

 篠崎、村山「はい!」

山根涼羽、村山彩希、篠崎彩奈

篠崎はつかむものではない

 番組中は、篠崎の素性が垣間見た。岡田奈々に本気で怒られたことや、後輩の田口愛佳にはいつも言われているとも。それでも山根は「後輩からすごく慕われていますし、チームAにとって彩奈ちゃんの存在は大きい」と称えた。

 これを受け満面の笑みを浮かべる篠崎。

 村山が言う通り「素直」。自由だが、裏表がないありのまま。

 そんな一面が番組内で見られた。『思い出の1曲』を振り返る場面。2人が選んだのは2016年12月28日開催の『小嶋陽菜「好感度爆上げ」公演』。小嶋をセンターに、篠崎と村山が脇を固めた。その映像を観て「こういう女性になりたかったな」と感慨深く振り返る村山に、篠崎は当時の髪型を見ながら「やっぱり髪を伸ばした方がいいかな、どう?」と対照的。そんな篠崎に「アレンジができるのは長い方かな」とちゃんと返す村山。

 それを指摘すると大爆笑する2人。

 更に、ドミノチャレンジでも篠崎が一度倒してしまう失態をおかすが、器用な村山がどんどん立てていき、最終的に最多記録「97」を打ち出した。山根はそんな2人に「ドミノが職な2人」とキャッチコピーを付けたが…篠崎個人には「惹きつけ力」とした。

 山根「彩奈ちゃんは、全人類が2人きりになっても気まずくならないです。今は仲良くなって2人でいる機会も多いし、一緒にいるときに喋らず携帯を触ったりとかもできるんです。最初の頃はすごく緊張して、話しかけなきゃと思ったんですけど、最初から最後までトーンが変わらないので喋りやすい。だからチームAの後輩が彩奈ちゃんの事が好きで、休憩時間とか合間も彩奈ちゃんに話しかけに行ったりして。人を惹きつける力もあるし、本当に仲良くなれて良かったなと思います」

 記者「もしかしたら自然体で優しい方なんですかね」

 篠崎「はい!(笑)」

 記者「取材しながら篠崎さんの核となるものを探しているんですけど、ふわふわして全然つかめないです」

 山根「彩奈ちゃんはつかむものではないです!(笑)」

 村山「名言!(笑)」

 笑いに包まれる。

 一方の村山は篠崎をどう見ているのか。

 村山「リアクションがすごく好きです。私が悩みを相談した時に、自分ではくだらないと思っていたことでも『それはひどいよ』とか、『まじで大丈夫?』『頑張ったよ』とか言ってくれて、人の感情に共感できるというか、だいたいの人が『そういうこともあるよ』で片づけちゃうと思うんですけど、親身になってちゃんと心配してくれる。それで最近救われたことがあったので。最近同期に会う機会が増えたからこそ気付けたところです」

 篠崎自身は自覚がないというが、相手に寄り添う、いわば共感することは仕事においても大事だ。特に篠崎が挑戦したいと意気込む芝居ならなおさらだ。

 篠崎「お芝居をするのがすごく好きなので、そういうのがあるのかもしれないです。人の感情にのめり込みやすいというか。お芝居はもっともっとやっていきたいです」

継続の人、村山彩希

 一方の村山。チーム4のキャプテンとしてグループをけん引してきた。個人としても2019年9月発売の「サステナブル」で4作ぶりにシングル選抜入りして以降、活躍が目覚ましい。公演に立ち続けシアターの女神とも言われた。最近は『「SASUKE2021」~NINJA WARRIOR~』(TBS系)などにも挑戦している。

 そんな彼女が番組でターニングポイントとして挙げたのが、先の小嶋陽菜「好感度爆上げ」公演と、『写メトーク』でも明かした自身初のセンター曲となった「それでも彼女は」。「歌詞を読んで秋元先生が認めてくれたんだと思えた」と語っていた。

 村山「劇場にこだわり始めてから変わったのかなって思います。ずっとチーム4なんですけど、同期とかがだんだん離れていって、一人寂しく相談出来ない時とかあったんです。でも結果、自分がやり続けてきたことが、小嶋さんが予言者じゃないですけど『あの子はくると思うよ』とずっと言ってくれたことが、やっとこうなっているので」

 村山には「継続」という言葉が浮かぶ。劇場公演に立ち続け、腹筋も99日やり続けた。山根に向かい「これまでやってきたことがいま番組MCとして実を結んでいる」と話していたが、「継続は力なり」を村山自身が背中で後輩に見せているようにも見える。

 それでも村山は「私は自分の為にやってきたところがあるんですけど、ずんちゃんはAKB48のために動いていた人だから、そこにいたい気持ちを抑えてまでAKB48の事を広める優しさというか。愛が強くていい子だと思います」と言い、後輩を称える。

 そんな村山を同期として見続けてきた篠崎はどう見ているのか。

 篠崎「人の悩みを聞けるというか、彩希は人の心を支えるのが上手だなと思います。先輩にも後輩にも頼られるのはすごいなと思います」

 記者「それは昔からですか?」

 篠崎「そんなイメージはなかったです。初期の頃は『私が私が』みたいな、私が前に出るし、私がセンターに立つ、というタイプだったから驚いているというか。今は自分より周りの事を優先に考えているし、初期とは全然違います。変わりました」

 後輩の山根からはどう見えるのか。

 山根「彩希さんはたぶん私の隅々まで知っていると思います。彩希さんに話していないことがないくらい全部話していたり、生きているうちは話せないねという話までしている。人って悩みとかを聞いた時に、核心をつかない方がいいじゃないですか。悩んでいる時って共感してほしいのに、本音や図星のことを言われたら傷つくじゃないですか。彩希さんはそれがないので、みんなが悩みを相談しやすいんだと思います」

 篠崎「彩希は寄り添うよね」

 村山「だいたいみんな一回聞いて欲しい時ってありますよね。私もそういうタイプですし、私もずんちゃんにそれをしてもらっているので。やらかした話を何も隠さず、ずんちゃんにしていて、家族みたいな存在です」

 記者「篠崎さんも家族みたいな感じですか?」

 村山「彩奈はお世話しないと心配だから。ワンちゃんみたいな(笑)」

 篠崎「私も彩希の事をワンちゃんみたいだと思っているよ(笑)」

 村山「この子(彩奈)は危なくて目が離せない(笑)」

山根涼羽、村山彩希、篠崎彩奈

それぞれのAKB48

 通常なら次回ゲストの印象を聞いている設問。最後は、今のAKB48をどう思っているのか。

 篠崎「先輩も後輩も卒業発表をしているメンバーが多いので、その中で、何ができるだろうかと考えています。しっかりしなきゃいけないと思うし、新しく17期生も入ってくるので、自分の存在意義を持てるようにしたいなと思っています」

 記者「それはみんなが考えていることかもしれないですか?」

 村山「コロナ禍で、みんな一回は人生を考えているかもしれないですね」

 篠崎「私は卒業とかは考えていないんですけど、AKB48を10年やっていて人生の一部というか、すごく大きな存在なので、もっとAKB48が盛り上がれたらいいなと思うし、それを支えられるようにじゃないけど、存在意義を持てるようになれたらいいなって思います」

 村山「私は、いまだに分からないというか…。私がまだそんなに選抜だと思っていないから、まだ上を目指したいと思うし、自分的にはAKB48の為に頑張ってきたというよりは、自分のポジションを獲得することで、それがAKB48の何かに繋げていただけているという感じなんです。AKB48の為に頑張ろうとすると空回りしちゃう気がするので。自分がやりたいことをやり続けた先にAKB48の為になればいいなと思っています。ある意味、自分勝手ではあるんですけど、それがAKB48の恩返しになったらいいなと常に思っています。皆がしっかりしているおかげで私も自由にやれているので、自分がやっている事には責任をもってやりたいと思います」

 記者「個人としてはどうですか」

 篠崎「今年はいろんな舞台やお芝居に挑戦したいです!」

 村山「今年は自分で課題を見つけられたので、そこに向かって頑張ろうと思っています。『SASUKE』もそうですし、『AKB48グループ歌唱力No. 1決定戦』にも挑戦して、今年一年は歌をもっと勉強したいと思っています」

 ※連載最後は山根涼羽さんの単独インタビューになります。後日掲載。

(おわり)

 ■おしらせ
 AKB48は2月5日(土)、6日(日)に東京ガーデンシアターで「AKB48新春コンサート2022『きみが思うより、きみはすごい』」を開催し、5日(土)は現チームでのラストコンサート、6日(日)はカップリング曲のリクエストアワーと新チームでのコンサートを行う。
また約5年ぶりとなる「AKB48第17期生オーディション」(https://www.akb48.co.jp/lp/audition17th/)の応募期間は2月7日(月)まで。
『バラエティ Paravi「AKB48、最近聞いた?〜一緒になんかやってみませんか?〜」』(テレビ東京/毎週(火) 25:35〜26:06)放送中。
詳細、最新情報はAKB48公式サイト(https://www.akb48.co.jp)で。

Photos
木村武雄

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