秦基博が2年ぶりアコギツアーを大阪で終演

2年ぶりの開催となった秦基博のアコースティックライブツアー。13都市17公演全てのチケットはソールドアウトだった(撮影・バンリ)

 シンガーソングライターの秦基博(33)が19日、4月30日大阪フェスティバルホールを皮切りに約2年振りの開催となったアコースティックライブ『Hata Motohiro presents an acoustic live “GREEN MIND 2014”』(13都市17公演、立ち見席も含めSOLD OUT)のファイナル公演を同会場で迎えた。

 『GREEN MIND』(グリーン・マインド)とは、2008年5月4日(みどりの日)に神奈川県民ホールにて第1回目が行われて以降、美術館や芝居小屋、野外公園、日本武道館、世界遺産と会場や形を変えながら全国各地でシリーズ開催されてきた自身の企画による弾き語り主体のアコースティックライブである。

 “Theme of GREEN MIND”のメロディと共にゆっくりと会場の照明が落ちてゆく中、静寂な舞台に秦が登場すると客席の神経が彼に注がれた。1曲目弾き語りで『サークルズ』を歌い始めると、ホールが一気に静まりかえる。

 「GREEN MIND2014ファイナルへようこそ!今日はアコースティックなライブということで、リラックスしながら聴いてもらえたらと思います」と『My Sole, My Soul』を披露した。

 「昨年はアルバム『Signed POP』をリリースして、バンドで長いツアーをまわっていたので「GREEN MIND」をお休みしていました。それで『Signed POP』の楽曲をアコースティックで演奏する機会がなかったわけなんですが、今回はバランス良く組み込んでいます」。

 『Signed POP』収録曲から「現実は小説より奇なり」をアルバムのメローなアレンジとは趣を変え、弾き語りでソリッドにじっくりと聴かせた。続いては自身の代表曲とも言える「アイ」を。こうして新旧の楽曲をギターと声だけで味わえるのはまさに“GREEN MIND”ならではの醍醐味だ。

 MCでは、2014年2月上旬、オーストラリア・メルボルンのギター老舗メーカー「MATON」社訪問のため渡航した、自身初の海外話へ。

 昨年のツアーから愛用している秦仕様のMATON製のギターが4月下旬から「EBG808MH秦 基博シグネチャー・モデル」として販売されているが、今回のツアー用に新たな1本をオーダーしたのが訪豪のきっかけとなった。

 完成したばかりの新しいギターを紹介すると、最新シングル「ダイアローグ・モノローグ」、そして『Signed POP』から「自画像」を弾き語るり、メイトンギターの豊かな響きと多彩な表情を会場に響かせた。特に「自画像」ではループマシンを自在に操り、まるでバンドと演奏しているかの様なパワーを発揮し、いつしか16ビートファンクというアグレッシブな世界に観客を一気に引き込んでいった。

 ここからは今ツアーの新たな試みとして、全国各地、当日の会場にて秦への質問を受け付ける、その名も「みどりの窓口」と称した(グリーン・マインドにちなんだ)コーナーへ突入。

 サポートメンバーの朝倉真司(Percussion)、鹿島達也(Bass)、皆川真人(Keyboards)が順次登場する際 、それぞれ気に入った質問を選んで持ち込み、秦に手渡しトークを繰り拡げるという観客参加型のお楽しみ企画で和ませた。

 朝倉とは「プール」、鹿島が加わり三人で「君のいた部屋」、そして皆川と2人で昨年公開された劇場アニメーション「言の葉の庭」のエンディング・テーマ、大江千里のカバー曲「Rain」を披露した。

 トークとアコースティック・セッションのゆったりした時間が流れた後は、軽快なギターのカッティングとともに後半戦がスタート。

 「SEA」「Honey Trap」、USEN HIT J-POPランキング年間1位(2013年)を獲得した人気曲「Girl」、そして「スプリングハズカム」「キミ、メグル、ボク」とたたみかけ、会場は一気にヒートアップ。熱気に包まれた会場を少しクールダウンさせるかのように、シングル「ダイアローグ・モノローグ」のカップリング曲「五月の天の河」を。

 「五月の天の河」は今回のツアーをイメージして<一緒に何かを共有する、そんな時間を大切にしたい>という気持ちを込めて制作された楽曲であることが告げられる。ステージセットの満天の星空と共に、同曲に込められた秦の思いは存分に伝わったに違いない。そしてサポートメンバーとの最後のセッション曲「鱗(うろこ)」を力強く歌いあげた。

秦基博が2年ぶりアコギツアーを終演

2年ぶりアコースティックライブの最終公演で熱唱する秦基博(撮影・バンリ)

 「今回のGREEN MINDは大阪で始まり大阪で終わるという、大阪のみなさんとGREEN MINDを一緒に過ごせたのはすごく嬉しいです。ありがとうございます」と笑顔で挨拶。

 本編最後は「言ノ葉」の弾き語りで締め括られた。曲中、アカペラで歌うシーンでは、秦 基博の圧倒的な声の存在感と言葉のチカラを改めて印象づけた。

 アンコールでは、8月8日に劇場公開される、3DCG映画『STAND BY ME ドラえもん』主題歌に起用された「ひまわりの約束」(8月6日発売のニューシングル)では、「突然やってきたドラえもんは、いつも当たり前の様にそばにいてくれて、でも本当はいつ居なくなってしまうのかわからない…。そんな事が、僕らの日常に置き換えてみてもあって、お互い同士が認め合う事で、ここにいる意味を見いだせる。そんな関係性の二人っていうのは自分の中にもあるんじゃないか?そんなことを思いながら作った曲です」と語った。

 「ひまわりの約束」を発売に先がけ、ひと足先に“弾き語りバージョン”で披露。会場ではこの歌にすすり泣くファンの姿もあった。「映画を通してこの曲を聞いて頂くと、また違った表情が見えると思いますので、是非映画をみて体感してください」

 早くも名曲と名高い新曲「ひまわりの約束」の余韻に浸る中、「折角のアンコールなので、もう少し楽しみたいと思います。いいですか!?」と声高らかに「グッバイ・アイザック」の演奏が始まると会場は再びヒートアップ。

 最後は「Theme of GREEN MIND」「五月の天の河」と並ぶもうひとつの“GREEN MIND”のテーマとも呼ぶべき「1/365」で会場を包み込み、アンコールは終了した。

 アンコール終了後も鳴りやまない拍手に、何と再びステージに戻り、その盛大な拍手に応えるように深々と挨拶すると、ダブル・アンコールで、6月というこの時期にぴったりの「水無月」を弾き語りで披露。ラストはお客さんたちとの大合唱で、まさに会場が一体となり、全国13会場17公演の「GREEN MIND 2014」は大盛況のうちに幕を閉じた。

【セットリスト】
M00.Theme of GREEN MIND
M01.サークルズ
M02.My Sole, My Soul
M03.【日替わり】「現実は小説より奇なり」
M04.アイ
M05.ダイアローグ・モノローグ
M06.自画像
*MC(みどりの窓口 PART1)
M08.プール
*MC(みどりの窓口 PART2)
M09.君のいた部屋
*MC(みどりの窓口 PART3)
M10.【日替わり】Rain
M11.SEA
M12.Honey Trap
M13.Girl
M14.スプリングハズカム
M15.キミ、メグル、ボク
M16.五月の天の河
M17.鱗(うろこ)
M18.言ノ葉

【Encore】
EN1.ひまわりの約束
EN2.グッバイ・アイザック
EN3.1/365

【W-Encore】
W-EN.水無月

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