稲垣・草なぎ・香取の新しい地図(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)

 稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が23日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナでおこなわれたスポーツと音楽の祭典『ParaFes 2018~UNLOCK YOURSELF~』に出演。同フェスにはMay J.や秦基博らが出演しスペシャルパフォーマンスを披露した。3人はナビゲーターを務め、最後には「雨あがりのステップ」を歌唱。香取が「早く2020東京大会来ないかなと楽しみになりました」と話したように、開催まで2年を切った東京オリンピック・パラリンピックの更なる盛り上げに声援を送った。また、パラテコンドーなど3種のパラスポーツの試合もおこなわれた。【取材=松尾模糊】

真剣三番勝負

 同イベントは、日本財団パラリンピックサポートセンターが主催するパラアスリートとアーティストたちが出演するライブエンターテインメントで、今年で3回目の開催となる。

 稲垣、草なぎ、香取の3人は、昨年11月15日付で日本財団パラリンピックサポートセンターのスペシャルサポーターおよび、東京2020パラリンピック競技大会に向けての国際パラリンピック委員会特別大使となっている。

 日本財団パラリンピックサポートセンター最高顧問で、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の森喜朗氏は「応援してくれている人が増えているなと思っています。2020年から組織委員会を一緒にやるということをやっています。健常者の100メートル走が終わったら、パラリンピアンの100メートル走をやるということになっていくかもしれない。オリンピック・パラリンピックが成功するように頑張っていきます」と挨拶。

草なぎ、香取(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)

草なぎ、香取(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)

 ステージに草なぎ剛と香取慎吾が登場し「ParaFes開会です!」と宣言。会場中央に設置されたモニターにオリンピック・パラリンピックの会場となる東京の街が映し出され、各会場の説明がなされた。草なぎは「2020年まであっという間なんで、今日は勉強になると思います」とコメント。

 また、開会からの参加に間に合わなかった稲垣吾郎について、香取は「ミュージカルをやってるところで今一生懸命向かっていると思うので、皆さん待っていて下さい」と稲垣が主演する舞台『No.9 不滅の旋律』の為と説明。

 そして、パラテコンドーの伊藤力選手と星野佑介選手が3ラウンドのポイント制での真剣勝負をおこなった。胴に付いたプロテクターを足の電子ソックスで蹴ることによってポイントが加算される。この日の試合では、16対17で伊藤選手が勝利。伊藤選手は「この様な機会を頂きありがとうございます。いろんなところで観る機会があるので是非観て下さい」と呼びかけた。草なぎは「お二人の汗がますますそれぞれの人生を輝かせてくれますね」と2人の熱戦を称えた。

 続いて、卓球パラリンピアンの岩渕幸洋選手とオリンピアンの吉村真晴選手が11点先取制のゲームをおこなった。左足の足首が動かない岩渕選手の視界に合わせたという台の右側がスカート状に広がった、特別に用意された「パラ卓球台」での試合となったが、11対5で吉村選手が勝利。吉村選手は「改めて岩淵選手の凄さを感じた」とコメント。

 車いすフェイシングではパラリンピアンの加納慎太郎選手とオリンピアンの三宅涼選手が激突。伝統的なフェンシングで用いられていた決闘用の武器に最も近い剣が用いられる、エペの5ポイント先取制で試合をおこなった。ここでは5対3で加納選手が勝利。加納選手は「銀メダリストの三宅選手と剣を交えることができて嬉しかったです」と喜んだ。

 試合を通し、香取は「今日はこんなに真剣勝負が観れて贅沢ですね」と喜んだ。草なぎは「日々の鍛錬が感じられましたね」と選手たちの日々の努力に想いを馳せた。

SPECIAL LIVE

 “ブラインドライブ”と称し、観客がアイマスクをつけた状態で全盲のシンガー・木下航志が「明日に架ける橋」を歌唱。草なぎ「暗闇を引き裂くような繊細な歌声でした」香取は「より歌詞や歌が入って来ますよね」と語った。

木下航志(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)

木下航志(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)

 ジョナタ・バストスは「Just The Way You Are」を演奏。キーボードを奏で、続けて足の指でギターを演奏した。草なぎ「負けてない素晴らしい演奏でした」と感動した様子。

ジョナタ・バストス(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)

ジョナタ・バストス(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)

 全盲の小学生ドラマー、酒井響希が加わり3人で「Isn't she lovely」をセッション。手拍子も起こり、会場を盛り上げた。ジョナタ・バストスが両足を巧みに使いギターソロを披露、酒井も小さな身体全身を使い力強いビートを響かせた。

酒井響希(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)

酒井響希(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)

 ここで、遅れていた稲垣が登場し「素敵な演奏でした」と3人のセッションを絶賛。さらにMay J.が登場し4人で「This is me」を披露。May J.は「3人とも演奏が素晴らしくて、心を動かされました。一生懸命歌いました」と力強い歌唱を見せた。

May J.(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)

May J.(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)

 秦基博が登場しアコースティックギターの弾き語りで「アイ」を歌唱。秦は「初めて参加しました。パラスポーツ生で観るのは今日が初めてでした。すごい迫力ですね。これからも興味持って観て行けたら」と語った。

秦基博(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)

秦基博(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)

 そして「何かに向かって突き進んで行く想いが現れている」と言う、「鱗」を披露。観客も手を振ってその歌声に酔いしれた。そして「ひまわりの約束」をピアノ伴奏とともに歌唱。ステージにはこの日の出演者が手にひまわりを持って登場し、香取と草なぎと稲垣はマイクを持ち一緒に歌唱。一体感のあるステージを見せた。

 最後はグランドフィナーレとして、新しい地図が「雨あがりのステップ」を披露。ステージには全出演者が四方に広がり、メンバーと肩を組むなどしながら楽し気にパフォーマンス。会場に手拍子が響き、大団円でステージを締めくくった。

稲垣・草なぎ・香取の新しい地図(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)

 フィナーレで草なぎは「最高でした。パワーをもらいました」、稲垣が「素晴らしいイベントでした。来年は最初から参加させて下さい」、香取が「早く2020東京大会来ないかなと楽しみになりました」と2020年に向けて更なる盛り上がりを期待した。

Photos
May J.(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)
秦基博(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)
ジョナタ・バストス(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)
木下航志(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)
酒井響希(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)
草なぎ、香取(提供=日本財団パラリンピックサポートセンター)

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