ビッケブランカ「今は未来を見ている」心境の変化からの“デビル化”とは
INTERVIEW

ビッケブランカ「今は未来を見ている」心境の変化からの“デビル化”とは


記者:小池直也

撮影:

掲載:20年03月06日

読了時間:約7分

今は未来を見ている

ビッケブランカ

――1曲目の「Devil」はコミカルで驚きました。

 堅苦しい感じに思われたくなかったです。「ワハハハ」とか言ってるけど、結局は隣の人に「うるせえ!」と言われるような小部屋で作ってる『Devil』です、みたいな。そこから「Shekebon!」になります。好き勝手に「Ca Va?」に対抗する曲を作ってみたいなと思って作りました。

 あと僕はガチでEDMを作るのが好きで「Save This Love」と「Heal Me」はそれに振り切って、歌詞も英語にしています。世界標準のものを作るという心意気で取り組んだんですけど、英語で深みを出すのは難しかったです。気の利いた言い回しがしづらいので、ストレートに言っている感じ。反対に日本語の良さが出てるのは「Lucky Ending」や「TARA - 2020 Mix」かな。今回はミドルテンポのポップスがあまりないんです。

――インディーズ時代のミニアルバム『GOOD LUCK』に収録の「TARA - 2020 Mix」を再収録しようと思ったのはなぜ?

 この曲は個人的にめちゃくちゃ好きなんです。もう一度ちゃんと聴いてほしいし、次のツアーで披露したい。となるとアルバムにちゃんと収録したいと思いました。ライブでもやってなくて“「TARA」離れ”でした(笑)。

 「人は過去しか見れない」と思って作曲していた時代が3年くらい前で、「後ろ歩きで過去を見ながら進んでいるだけだ」とも言っていた覚えもあります。でも今は「前を向いて歩いて行こう」という気持ちになっていて、未来を見てるんです。

 だから「TARA」を今のビッケブランカで作り変えようという感覚があった。でも経験のなかで「あの作業は無駄だった」とか「あの作業は必要じゃないと思ってたけど実は必要だった」と理解することができたので、元の特徴ある部分を平坦にしていく作業にはならないようにしています。

――「かたうた」のリリックは歌詞カードに載せないんですね。

 これは言葉にしたらダメなので一生見せない(笑)。歌詞を載せない方がこの曲には合ってるし、固定観念を捨ててベストな方法を選びました。アンコールでたまに演奏してただけなので、特にアレンジもありません。もともと5、6年前に曲が書けなくなって、そのリハビリでできた曲なのに、やけに人気で「一番良かった」という感想もあったりするんです。もっと一生懸命作った曲もあるんですけどね(笑)。

 だから音源化したら同じこと言われるのかなと。ふざけてるので、たぶん前作『wizard』だと世界観的に居場所がなかった曲です。この曲を収録しても耐えうるのが『Devil』というアルバムなのかもしれません。

――「Black Catcher」はアニメ『ブラッククローバー』の主題歌として、世界中で聴かれているようです。Spotifyでは170万回以上再生されているということですが。

 前回オープニングを担当させていただいた「Black Rover」を抜く勢いです。やっぱりアニメの主題歌は世界への発信力が違います。この曲も8、9割外国人の方が聴いてくれてるんじゃないですか。すでにスペイン語でカバーしている動画がYouTubeに上がったりしていて、それもアニメじゃなかったら起こりえないことです。

――世界といえば、昨年の『Vickeblanka Ca Va Tour』では中国公演も行われていましたね。

 もともと三国志で好きな国ではあったんですけど、改めて中国は面白いです。今ってSpotifyなどに曲を配信すれば世界で聴いてもらえるじゃないですか。僕の中でフィジカルに国外へ出るという意義があるのは中国しかないと思ってます。実際、上海は楽しいし、人もフランクで話しやすかったです。ご飯も美味しいし、めちゃくちゃ僕に合うんです。もう住みたいです(笑)。

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