ビッケブランカが3月4日に、3rdアルバム『Devil』をリリース。昨年はシングル「Ca Va?」をリリースし、全国ツアー『VickeBlanka Ca Va Tour』では全公演をソールドアウト。着実に存在感を強めている彼が2020年最初に世に送り出すのが今作だ。前作『wizard』(魔法使い)から『Devil』(悪魔)というイメージの変化とともに、EDMからロックなものまで多種多様な楽曲が詰め込まれているのも特徴だといえるだろう。そして、この作品に至るまでには自身の経験の積み重ねや心境の変化があった。メジャー3枚目のアルバムを完成させた今、彼は何を見て、どこへ向かうのか。ビッケブランカに話を聞いた。【取材=小池直也/撮影=村上順一】
最近悪魔化がひどい
――昨年はどんな年でしたか。
いつもと変わらずやらせてもらいつつ、新しい経験をさせてもらった感じです。やっぱり昨年「Ca Va?」をリリースして得られたものが大きかったです。当初は周りから「よくこんな変な曲作ったね」と笑われて、僕も「ですよね〜」くらいのノリでしたけど(笑)。でも、フェスで「Ca Va?」だけ知ってるという人がいたり、図らずもライブで盛り上がる曲になりました。
――新作の『Devil』は「本性」がテーマと聞きましたが、それについて詳しく聞きたいです。
スタッフから「最近の僕の性格が悪い。悪魔化がひどい」と言われるんです(笑)。でもそれは色々なことがハッキリし始めたからなんです。必要なもの、必要じゃないものが理解できるようになったからこそ必要のないことはやらないし、やりたいことはやるスタンスになって。
すると明確な言葉を使うようになるから、それが「ひどい」「きつい」「デビル化してる」という印象につながるのかも(笑)。それは単に僕の選択のスピードが上がっていってるからなんです。楽曲も好き放題に作らせてもらってます。
――それには何かきっかけが?
先日『NAGOYA SOUND PRESS SHOW 2020』で阿部真央さん、岡崎体育さんとご一緒したんです。彼らと話していると考えやスタイルに迷いがないんですよね。自分もようやくそこに入れるようになったと思うのですが、だからこそ「思いつきだけじゃなくて、もっと頭を使って行動しなくてはいけない」とシビアに考えるようになりました。
自分自身のスタイルは自分では分からないものだと思うので、その時にできることをやるしかないなと。スタイルに変化をもたらすよりも、より確固たる自信を持つという感じです。理想は「ベストなパフォーマンスが普通にできる状況に自分を置き続ける」、「ステージ上で考えるのではなく、何も考えずに演奏しても何もかもできる状態」を維持するということかもしれません。
――『Devil』のコンセプトを教えてください。
曲単位では共通のコンセプトはないです。その曲が振り切れるところまで作っている感じなんです。
――以前「アルバムのために漠然と曲を多く作ることが好きじゃない」と語られていますが、今回も11曲ぴったり作った感じですか?
そうですね。「この曲を入れます」とこちらから提案して決めています。デモ曲をたくさん作って誰かに選ばれる、みたいなのが嫌なんです(笑)。