FlowBack「新しいアプローチをしたい」新譜で見せた“大人”への一歩

新しい一面を引き出してもらえた制作

『WINTER TRIP』初回限定生産盤A　ジャケ写

――もう１曲の「Starry Christmas」は、「taste」と同様にTiny Voice Productionさん、UTAさんとの制作。作詞作曲にはYoheiさん、多保孝一さんも参加されていて。

TATSUKI　これは、踊れるクリスマスソングを作ろうというところから、制作が始まりました。僕たちにはクリスマスソングがなかったし、冬と言うとバラード系になりがちだから、変化球じゃないけど新しいトライが出来たらなと思って。それにこういうクリスマスソングなら、数あるクリスマスソングの中でも自分たちの個性が出せるんじゃないかと思って。だから、毎年このシーズンに聴いてほしいです。

JUDAI　このラップは、歌詞を自分で書いてないんです。最近の自分はラップの歌詞は英語をバンバン使っていて、日本語をあまり使わない感じなんですけど、「Starry Christmas」は、可愛い世界観だから自分で書くのは違うかなと思って。それで尊敬するYoheiさんが書いてくれる歌詞をラップしたいです、と言って書いていただいて。

MARK　Yoheiさんは、今Ymagikという名義で、ソロで活動されているんですけど、これまでもいろんなユニットで活動されていて、僕もJUDAIも大好きなアーティストさんなんです。ゴリゴリのR&B系で、だからYoheiさんのメロディラインもソウルっぽい感じで、今までとは違っていて。一緒に制作が出来て、最高でした！

MASAHARU　このレコーディングで驚かされたのが、REIJIが歌っている2番のパートで＜でも恋ってそんなもん＞という歌詞のところです。デモの段階とは全然違っていて、その場でYoheiさんがメロディをつけて歌うというやり方で、その場でどんどん出来ていくのが見ていてすごいと思って。

JUDAI　そこは、ラップの予定だったんですけど、急遽REIJIくんが歌うことになって。

REIJI　「ちょっと変えてみようか」と言って、急にYoheiさんが歌い始めて、「じゃあこれを歌って」と。その場で僕がメロディを覚えて、すぐブースに入って録ったんです。

MARK　Yoheiさんもアーティスト活動を行っている方だから、作家さんとは違った、自分も歌う人だからこそのアイデアがどんどん出てくるんですね。ディレクションを受けている以外のメンバーが、別室で待っているところにもYoheiさんの歌っている声が聴こえてきて、それがめっちゃ上手くて驚いたし。

――歌う側の気持ちで、こう歌ったほうが気持ちいいとか格好いいとか分かるんでしょうね。

MARK　REIJIが歌ったラインも、すごく気持ちよさそうだよね。

REIJI　でも、急に言われたからビックリしました（笑）。デモのメロディでずっと練習していたから、急に違うことをやらないといけなくて。最初は戸惑いましたけど、そういうセッションが出来るのは貴重な経験だし、新鮮さがあってすごく楽しかったです。

MASAHARU　感覚で音楽をやることの大事さも、改めて分かりました。

――より音楽的な作業という感じですよね。

MARK　イメージとして、海外アーティストの制作はこういう感じなのかなって。今の自分の空気とか、今日の俺はこんな感じだというものを、その場でレコーディングするようなイメージです。

REIJI　まさしく、そういう感じだったと思う。それも、候補のメロディを３つくらい歌ってくれて、「どれが好き？」って。

――TATSUKIさんは、どうでしたか？

TATSUKI　僕は「Starry Christmas」の時に、多保孝一さんとYoheiさんから、すごく声を褒めてもらって、それが印象に残っています。「尾崎豊さんに似てる」って言われたんですよ。それで「自分のエッセンスと尾崎豊さんを混ぜて、ちょっとエモーショナルに歌って欲しい」と。何度もトライしながらやって、それもあって、今までとは違う表現をした曲になりました。

――尾崎豊さんの曲は聴いたことがあった？

TATSUKI　そんなに深くは聴いたことがなくて。「そうなんだ〜」と思って、後から聴いたりもしましたけど。でも、自分ではどこがどう似ているのか、はっきり分かりませんでした。

JUDAI　ハスキーな感じというところじゃない？

MARK　TATSUKIはこの曲で、しゃがれた声で歌っているところがあって。もとからハスキーではあったけど、今回はそこがすごく格好いいなって思いました。

TATSUKI　自分でも気づかなかった、新しい一面を引き出してもらえた制作でしたね。他のメンバーの声がある中で、こういうハスキーさを持った声が入るのは、めちゃめちゃ武器になると言ってもらって。「ボーイズグループっぽくなくて、ソロで歌っている人の声みたいだね」って。そういう声がボーイズグループの中にあるのは、すごく良いことなんだよとも言っていただけたので、うれしかったです。