宮野真守にとってライブとは、役者から始まった彼だからこそ見出せた世界観
INTERVIEW

宮野真守にとってライブとは、役者から始まった彼だからこそ見出せた世界観


記者:木村武雄

撮影:宮野真守

掲載:19年11月20日

読了時間:約11分

 「みんなが僕のヒーローです。これからも素敵な未来を一緒に作り上げていきたい」。横浜アリーナのステージに威風堂々と立つ宮野真守は割れんばかりの大歓声を浴び、そう語った。声優であり俳優でもあり、そしてアーティストでもある。自身初となるアジアツアーを成功させ、来年6月には男性声優アーティスト初のメットライフドームライブを開催することも決まった。そのアジアツアーの最終公演となった9月8日の横浜アリーナ公演では、まるで映画の世界にいるような演出だった。物語が進行していくように曲は届けられ、宮野は歌いながらも何かを演じているよう。起承転結があるライブは役者からキャリアがスタートした彼自身が見出したものだった。11月23日、30日にはその模様がスカパー!で放送されることも決まった。宮野にとってライブとはどういうものなのか。【取材・撮影=木村武雄】

映画のような特別な空間

 横浜アリーナ公演から数週間が経ったある日、インタビューの機会に恵まれた。自身最大規模となる国内外9都市14公演にも及ぶツアー。「期間も長かったので集中力を保ちながらのツアーでした。完走したときは感無量で達成感がありました」とそう語ると、優しい笑みを浮かべた。そして、こう続けた。

 「アジアツアーと銘を打ってライブができるのは非常に素晴らしいこと。それはたくさんの方が応援してくれて、スタッフのみんなも頑張ってくれたからこそだと思います。いろんなチャレンジもできましたし、勉強にもなりました。海外のファンの皆さんにも会いに行けたのも嬉しかったです」

 横浜アリーナでのツアーファイナルはまるで映画の世界に入り込んだかのような感覚があった。観客で埋め尽くされた場内。開演前。BGMの音量が次第に上がり、それに合わせてペンライトが灯る。そして暗くなり、音が途切れると、スクリーンに映像が流れる。戦士となった宮野が敵と戦う。それはSF映画のよう。一気に異空間へと誘い込まれる。

 やがてその世界観はリアルへと引き継がれる。ステージ後方に設けられた巨大スクリーンにヒビが入る。そしてフレアが何本も上がると階段の上段に宮野が立っていた。幕開けを飾ったのは「FIRE」だった。歪んだサウンドは時空を切り裂くよう。生バンドによる濃厚なサウンドとダンスチームによる振付で音楽を立体的に見せていく。張り巡らされるレーザーは蜘蛛の巣を張るようだ――。

 「僕の原動力はファンの存在はもちろんのこと、パフォーマンスによって楽しい気持ちになって帰ってもらいたいというのがあります。そこが僕の一番の存在意義でもあるので、一切妥協はしたくない。基本、全公演同じセットリストで、それを最高のステージングのもとで最初から最後まで見せていくのが僕のこだわりです。特に今回のツアーファイナルは“帰ってきた”というスペシャル感をプラスアルファしたかった」

 幕開けから何本もフレアが上がっただけでなく、可動式ステージいわゆるムービングステージに立った宮野は、会場が揺れるほどの大歓声を浴び、縦横無尽に場内を移動した。

 「ツアーの流れとして更なる驚きや楽しみを最終公演に持っていきたいというのがありました。ムービングステージやトロッコで演出も変えて。やっぱりムービングステージの存在感の大きさは僕自身も感じていました。きっとファンの方も喜んでくれると。ただ、それだけ当日のリハーサルはシビアでなものでしたが、みんなが最後まで集中してくれました」

宮野真守

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