女性シンガーソングライター・ましのみが10月14日、配信シングル「エスパーとスケルトン」をリリース。今年2月にリリースしたフルアルバム『ぺっとぼとレセプション』から約8カ月振りとなる新譜で、第一線で活躍する若手スーパー・プレイヤーを招集し結成されたバンド・有形ランペイジのsasakure.UKがアレンジを担当した。「エスパーとスケルトン」は5月に開催された『ましのみpresents 心が上昇するツーマン』で生バンドの魅力を体感し、今までのエレクトロサウンドと生のサウンドを融合させ、ましのみの新たなチャレンジが詰め込まれた1曲。インタビューでは考え方が根本的に変わったと話す制作背景を軸に、「音楽真っ向勝負」と語るましのみに、音楽に取り組む姿勢について話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】
生になるとこんなにも変わるんだ
――『関内デビル』(テレビ神奈川)を拝見したんですけど、知らない場所に連れて行かれて、関内まで戻ってくるという企画は面白いですね。
今年の最初に掲げた目標が社交的になるということと、方向音痴を直したいというのがありました。方向音痴はどうにもならなかったんですけど、番組をきっかけに私生活でも色んな人に会うようになりました。
――番組の最初の方だと、勇気を出して話しかけても断られてましたよね。
そうなんです。でも、そのおかげで強くなりました(笑)。
――その社交的な部分と繋がるところに、ライブ『ましのみpresents 心が上昇するツーマン』がありましたけど、色々と発見があったんじゃないですか。
最初は5月1日におこなった、とけた電球とのツーマンライブです。彼らは私の大学の同級生なんですけど、私と活動しているフィールドが違ったのか、これまで接点がなかったんです。ライブでセッションをするために、リハーサルスタジオにも一緒に入ったんですけど、こうやって曲を作っていくのかとか、色々とバンドというものを知ることが出来ました。その中で一番大きかったのは、私の曲を生バンドアレンジでやってくれたのが、めちゃくちゃ楽しくて。生になるとこんなにも変わるんだと驚いて。
――めちゃくちゃ刺激的だったんですね。
エレクトロの良さももちろんあるけど、そこに囚われることもないんじゃないかな、と前から考えていたところでもあったんです。生音でやるとこれだけ情感が伝わるのか、ノリがこんなにも変わるのか、というのに気づけました。そこから、何にも囚われずに音を選びたいとなって今作「エスパーとスケルトン」に、生音とエレクトロ音を混ぜているというところは、その初期衝動がありました。もう、バンドもやってみたくなっちゃって(笑)。
――ライブのスタイルも変わりそうですよね。
Shibuya eggmanのライブから、生のドラムにシンセのパッドを入れるというスタイルで今はやっていて、次のワンマンでも、そのスタイルでDJを加えてやります。DJが入ったことで音で遊べるというところを強化されました。編成自体にも進化があると思います。
――ワンマンがすごく楽しみです。
もう、やりたいことが溢れすぎてしまっていて、それにライブが追いついて来て欲しいと思って。新しいことをやりたかったので「エスパーとスケルトン」がライブで出来るようになってすごく嬉しいんです。今作からネクストステージという気持ちが強いです。この曲は5月くらいから構想が始まって、時間をかけて考えに考えられたので、色々精査出来たというのがあって、それをやっと自分がいま表現したかったものが発表出来る、ここからまた自分がやりたかったもの、自由で囚われないものを出していけるという事がすごく嬉しいです。