心に届く歌でありたい――、番匠谷紗衣 自身に重ねた「ランウェイ24」EDテーマ
INTERVIEW

心に届く歌でありたい――、番匠谷紗衣 自身に重ねた「ランウェイ24」EDテーマ


記者:木村武雄

撮影:

掲載:19年08月20日

読了時間:約11分

主人公と重ねた思い、自分は出せなかったメロディ

――さて、「自分だけの空」ですが、ドラマL『ランウェイ24』(ABCテレビ)エンディングテーマとして書き下ろした曲です。どのように書かれたのですか?

 最初に台本を読ませて頂きました。そうしたら主人公の井上桃子(朝比奈彩)と自分が重なるところがあって。そもそも書き下ろし自体が初めてで、「私に書き下ろしはできるかな?」と思っていたんですけど、自分に置き換えて考えることができたので、スムーズに書くことができました。

――どういった点が重なりましたか?

 ドラマは、航空会社に就職した新社会人の井上桃子が、逆境のなかで立ち向かっていくストーリーです。井上はどんな状況になっても、最初の気持ち「女性副操縦士としての憧れ」に真っすぐで、「自分ならこうする」というのをしっかりと持っていて。「憧れの場所に辿り着くにはこうしなければならない」という、すべきことを分かっている人でもあると思うんです。だから、人になんと言われようと「自分はこうなんだ」と貫ける。それがかっこいいと思いましたし、自分もそうでありたいと思って。そこに自分を重ねたというのはありました。その思いを曲で表現したという感じです。

――番匠谷さんにとって辿り着きたい場所は?

 人生のなかで最終的に辿り着きたい大きい夢はあるんですけど、それはまだ言えないです(笑)。ただ、夢の一つとして、大阪城ホールでワンマンをするというのがあります。

――その「場所」まで、いまどの辺にいますか?

 全然まだまだ辿り着けていないので、でもそこを見ているからこそ、いま止まらずに進むことができます。

――苦しく感じるときもありますか?

 ほとんどそれだと思います。でも私だけが苦しいのではなく、働いている人も学校に行っている人もみんな同じように苦しんでいると思うから、そんなに自分が苦しいと思うことはあまりないです。みんなそうなんだろうなって思っています。

――アーティストや芸能人の方は精神的に強いと思うんです。

 私はめっちゃ弱いですよ。若い人の集団とか怖いですもの(笑)。横通るときとか「すみません…」って。

――それは私も一緒です(笑)。今回の曲は、Carlos K.さんが作曲されています。メロディを聴いたときの印象は?

 明るくて希望に満ちあふれたメロディのなかに、自分はどんな歌詞を乗せられるだろう、と思いました。そういう曲は私のオリジナル曲でいままでにないので。そのメロディを聴いて台本を読んで、まず言葉を書き出してメロディに合うように歌詞にしていったという感じでした。

――この曲調は自分のなかにあるものでしょうか?

 曲調としては自分のなかにあります。ただ、それがいまの自分やこれから先に出せるかと言ったらそうでもないと思います。こういう真っすぐ明るい曲というのは…。私はいつも言葉を詰め込み過ぎてしまうところがあって、その影響もあってメロディも詰まってしまって。想いが乗り過ぎてしまうからなんですけど…。だから今回のように、説教くさくないというか、爽やかと強さを感じられる楽曲に仕上がったことは私のなかでは特別なことで。

――作曲はCarlosさんがやられたけど、初めての書き下ろし。得るものはありましたか?

 すごくありました。ドラマの台本があったから出来た曲だと思います。

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番匠谷紗衣
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