個性とは何か――、RYUCHELL 音楽で伝えたいこと 活動から学んだもの
INTERVIEW

個性とは何か――、RYUCHELL 音楽で伝えたいこと 活動から学んだもの


記者:木村武雄

撮影:

掲載:19年05月30日

読了時間:約12分

RYUCHELL色になるかならないか

RYUCHELL

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――そういえば、2月におこなわれたイベントに出演されたとき「おじいさんがアメリカ人なのでクオーター」と話されていて。もともとアメリカのものに触れる環境にあったのかなと思いました。

 そうかもしれないですね。実家も基地に近いですし、基地のなかに遊びに行っていましたし、外国に触れる機会が、生まれが普天間なので…。

――あれ? ちぇるちぇるランドじゃ…。

 あ!(笑) ちぇるちぇるランドにある普天間なので(笑)。アメリカの文化には触れていましたよ。当たり前というか、そんな感じではありましたしね。

――「Hands up!!――」の世界観もそうだし、RYUCHELLさんとぺこさんは、映画『ヘアスプレー』が好きだと聞いていたから、どうやって触れたんだろうと思っていたんですよ。

 そうした環境もあったかもしれないけど、僕たちの世代って高校の時からスマホだったし、YouTubeを見ていたから、おすすめリストで見られる環境もありました。昔の年代を見ていたらリストに載っているからどんどん見ていく感じで。よく「この年代の若者でこの時代の音楽や映画をよく知っているな」と言われることもあるけど、スマホがあったから、情報がどんどん入ってくるので。

――80年代、90年代にこだわっているけど、年代にとらわれずに新しいジャンルに挑戦することもある?

 ものに寄りますね。それこそ『ヘアスプレー』の舞台は60年代だから、60年代の楽曲を入れても僕っぽくなると思う。ユーロビートも好きだし、レゲエはレゲエでも僕が好きなのは90年代のシャギー。トータルで見たらRYUCHELLで成り立つと思うんです。なので、RYUCHELL色になりそうだったらやってみたい。

――楽曲「Link」が出来た時に、本来やりたい音楽ではなかったと話していましたよね。でも、自分色になればどういうジャンルでもやるという考え方に変わった?

 そうです。「Link」からそうなりました。「Hands up!!――」では絶対、ユーロビートしかやりたくない、ジャズダンスしかやらない。2曲目も「Beautiful Dreamer」にするつもりだったから。でもヒャダインさんに出会えて、「Link」が出来て。最初は「うん?」と思ったけど、皆の反応を見て「あ、自分で決めつけ過ぎたな」と。僕が「うん?」と思ってもやってみたら素敵になっていて。RYUCHELLの歌にもなったなと。「Hands up!!――」と繋げても変じゃなかったし、MVも可愛くできた。それに合うダンスもできた。なので、まずはやってみようと思えるようになりました。それでRYUCHELLっぽくなればいいし、ならなかったらやらきゃいいし。そういう風になれました。

――ところで今回はカバー曲「今すぐKiss Me」も収録されています。リンドバーグももともと好き

 もともとリンドバーグさんが好きで、カラオケに行ってもぺこりんと歌ったり、他の曲もめちゃくちゃ歌うくらい好きで。いつかはその年代に愛された曲をカバーできたらと思っていたから感謝しかないです。

――そして、32Pブックレットが付いていますし、ジャケット写真も世界観が出ていますね。

 曲だけじゃなくて、全体として世界観にもこだわりたくて。部屋に置いてもインテリアとして飾れるものを作りたかったんです。だから、こうして可愛くできたのは嬉しいです。

――さて、今回のアルバムは自分自身にとってどういうものになりますか?

 これまでの経験が活かされたアルバムであることは先ほども話しましたが、まだまだ、“バラエティのりゅうちぇる”というイメージがついていて、“アーティストのRYUCHELL”はまだイメージがない人もいると思うので、このアルバムが、アーティストのイメージを持ってもらえる機会になったら嬉しいです。なかには「“りゅうちぇる”って歌出していたんだ」と思っている人もいると思う。でも良い意味で言えば、これから色んな色を付けられるので、やっぱりダンスや80年代、90年代を大切にして続けていきたいです。

(おわり)

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