進化し続けるKEYTALK、「ガツンと上に」心機一転 挑戦の先に見た新たな世界
INTERVIEW

進化し続けるKEYTALK、「ガツンと上に」心機一転 挑戦の先に見た新たな世界


記者:木村武雄

撮影:

掲載:19年05月26日

読了時間:約15分

“赤面”MV撮影秘話、歌詞に現れた心境

――MVも凄くユニークな感じですね。撮影秘話は? 巨匠(寺中)は覗いていたじゃないですか?

小野武正 乳を(笑)。

寺中友将 あれは監督さんから「次カット撮るとき、巨匠覗いてリアクションして」って言われて。

八木優樹 逆に嘘くせえわ!(笑)。

八木優樹

八木優樹

――あの作りは監督の案?

寺中友将 何パターンか監督から案を頂いたんですけど、ああいう攻めた感じではない案もありましたし、もしかしたらそっちにしていたかもしれないし、このタイミングで新しいチャレンジの楽曲だからやってみるかというのはありました。

八木優樹 目のやり場に困りましたよね。

寺中友将 実際にアクリル板に泡を付けて、ニップレスを付けて。振り付け的にグルッと回って俺らの方を向いてというのもありましたし。そういうときに変に目を逸らす方がヤバいという意識と、でも反射的に目を逸らしてしまいそうになるあの感じは…秘話ですね(笑)。

八木優樹 僕も楽しかったです。現場で女性ダンサーの方々をしっかり見れなかったぶん、公開されている映像で今いっぱい観てます(笑)

首藤義勝

首藤義勝

――歌詞はどういう思いで書かれましたか?

首藤義勝 例えば韻を踏むようなリズム感的な面白さとどこまで書きたいことを書くのかというバランスを凄く考えて。テーマとしては夏というシチュエーションがひとつあって、音楽についての歌詞にしたいなというのがあって、移籍というひとつ大きなターニングポイントを見いだすのもあるので、決めつけるわけではないですけど、僕達KEYTALKにも当てはめられるような内容がいいなと思って、“MUSIC”とか音楽にまつわるワードは多めに入れて、後々ライブの定番曲になっていったとしても、歌う度に気持ちがこめられるような歌詞にしたいなと思って書きました。

――<永遠 泳いでいたい>というワードを使っていますが、これは何か意図して?

首藤義勝 海とかプールとかで泳いでなくてもいいんですけど、歩く、走る、歌う、踊る、みたいなノリで泳ぐと比喩で使ってみた感じですね。イメージ的には自由な空間のなかを動き回るみたいな感じですかね。

――これまでだったら“踊る”という言葉を使っていたのではないかと思うんです。ここに心境の変化があるのではないかと。

首藤義勝 もしかしたらそうかもしれないですね。こういう大事なタイミングで書いた歌詞で、どこか心境が言葉選びにも表れたのかもしれません。

――曲についてはこれまでにないものをということでしたが、歌詞については書き方に変化はありましたか?

首藤義勝 書き方は特にはなかったですけど、今までの曲と比べると、より作詞に時間を費やして、今回初めて組むプロデューサーの方と一緒に作業をしたんですけど、一聴してもらって引っかかる部分はどんどん指摘してもらって、「もうちょっと違う表現ないかな?」というやりとりを何回も繰り返して、という感じですかね。

――それはメロディに対するはめ込み方など?

首藤義勝 そうです。変わった点で言えばサビの終わり方ですかね。<バブルガムマジック>とサビのワードで終わっていますけど、もともと日本語の文章で終わるような歌詞を書いて提出したときに「ここはビシッと決まる曲タイトルになりえるようなカタカナ語の方がハマるんじゃない?」というアドバイスをもらったりとか。もともと歌詞って自由なものなので、最初はどっちかというと指摘されたくないタイプだったんですけど、そこを経験重ねるにつれてどんどん柔軟にやっていきたいなと、より良いものを作りたい気持ちに、歳を重ねるにつれてそういう考えになってきて、そういうやりとりを第三者の方とできたのは自分的にも良い経験になったなと。結局今自分で聴き返すと、そういうアドバイスをもらえて良い方向に進んだなということばかりなので。ただの制作ではあるんですけど、レコーディングって勉強になりますね。今回は勉強になった量が多かったので。

寺中友将(巨匠)

寺中友将(巨匠)

――カップリング「海」はまたテイストが異なりますね。巨匠が書かれています。

寺中友将 けっこうピアノが前に出ていたりとかそういう感じですかね。もともと個人的にピアノが凄く好きなので、今までピアノを入れている楽曲もたくさん作ってきてはいるんですけど、どんどんKEYTALKとしての自由度、やれることが広がってきて、今はKEYTALKとしての音楽的NGはほぼほぼ無いなと思っていて。それこそイントロでメインのリフのラインを作るのは、「海」という楽曲に関してはピアノですし、それはどんどんKEYTALKの幅が広がっていったから出来たのかなと思いますね。それが多分新しく聴こえた要因の一つかなと思います。

――歌詞については?

寺中友将 テーマは海という一つのワードで、とにかく夏が、海が好きなので、常に夏を感じてもらったり、海を感じてもらえる曲は更新していきたいなというのがあるんです。今回はそれを更新すべくというかそういう感じで。聴いた人に、最初の歌い出しが始まらなくても海っぽい曲だなということを想像してもらえたらいいなというところはかなり強く思いを込めて作りました。

――この曲は自由に作ったという感じでしょうか?

寺中友将 そうですね。この曲は先ほど話した「色々ルールを決めて」というタイミングのなかに、それこそ何もルールも縛りもなく作ってきてくれと、そのときに作った曲ですね。

――言葉のセンスが良いなと思いましたが、<恋時雨>という言葉を使った理由は?

寺中友将 恋時雨に関しては完全に湘南乃風に影響を受けて。湘南乃風の「恋時雨」という曲が大好きでして。そういう言葉のチョイスからずっとやってきましたけど。海と言えば湘南乃風だ、みたいなのが僕のなかであるので、今回その言葉をひとワード借りまして。

小野武正

小野武正

――なるほど! KEYTALKの音楽の変遷を確認したいのですが、インディーズ時代はロック色が強くて、メジャーに行ってダンスロックの要素が強くなっていって、最近ではよりメロディを強調させるような曲作りだったと思われますが。

首藤義勝 そうですね。大きな流れとしてはその通りだと思います。

――この流れのなかで今回の曲ができたというのは、自然な流れでもあった?

寺中友将 特に気張ってとか、変な気負いはせずにすんなり出てきているものたちだと思いますね。

KEYTALK

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八木優樹
寺中友将(巨匠)
小野武正
首藤義勝
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