進化し続けるKEYTALK、「ガツンと上に」心機一転 挑戦の先に見た新たな世界
INTERVIEW

進化し続けるKEYTALK、「ガツンと上に」心機一転 挑戦の先に見た新たな世界


記者:木村武雄

撮影:

掲載:19年05月26日

読了時間:約15分

 KEYTALKが5月15日に、移籍第一弾シングル「BUBBLE-GUM MAGIC」をリリースした。移籍を機に、今後の自分たちの在り方を話し合ったという彼ら。そのなかで見えた目標は、2年後の横浜スタジアムでのワンマンライブ。その新しい章の始まりを高らかに告げるのが今作だ。メジャーデビュー後、ダンスロックを軸とした音楽で確固たる人気を得た彼らは以降、それを礎にメロディへの傾倒を始めた。そうした流れに新風を吹き込む今回のレーベル移籍。新たな環境で作られた今作は、音数を減らしたソウル調の音楽で彼ら自身「挑戦だった」と振り返る。いわば、KEYTALKの音楽力が更に高まった作品とも言え、可能性を更に広げる結果となったが、彼ら自身は今作をどう捉えているのか。【取材・撮影=木村陽仁】

<INDEX>
〇新しいKEYTALKの音楽、持ち寄った曲数は40
〇“赤面”MV撮影秘話、歌詞に現れた心境
〇ハマっていること

新しいKEYTALKの音楽、持ち寄った曲数は40

寺中友将(巨匠)

寺中友将(巨匠)

――「BUBBLE-GUM MAGIC」リリースを迎えた心境は?

寺中友将 2年後に横浜スタジアムでワンマンをする目標を立てられたのも今回の移籍というタイミングがあったからだと思います。みんなでもう一度話し合う機会が設けられたからその目標が立てられましたし、「BUBBLE-GUM MAGIC」という楽曲も、もしかしたら移籍をしなければこのタイミングでこういう楽曲はリリースしなかったのかなという。「せっかく移籍するんだから、こういうことをやろうぜ」ということが今回たくさんあって、そのなかで生まれた楽曲でもあると思います。そういったところで今もう一回新人になった気持ちで、クリアな気持ちで色んなことに挑めているかなと思います。

八木優樹 チーム一丸となって新しいKEYTALKを見せられるCDになったと思っています。それをみんなに見たり聴いたりしてもらえる日がやっと来たなと思って凄く楽しみです。実際、お客さんから「凄く良い」という反応もありますし、新しいKEYTALKを受け入れられているのかなという気はしています。

首藤義勝 僕は、もう1回メジャーデビューするような気持ちで今日から頑張っていきたいなという気持ちです。

小野武正 前のレコード会社にも5年間色々とお世話になってきたんですけど、心機一転環境を変えて更なる高みを目指して、新たな一面を見せてそれが新たな武器になれるように、より強いKEYTALKを目指してやっていけるその一歩となる曲が出来たんじゃないかと思っています。

――過去の曲を聴いていてもこういった曲はなかった気がします。これまでの活動を全て詰め込んだような、プラス新しいKEYTALKのサウンドを見せているように思えます。

首藤義勝 そうですね。移籍というきっかけもあって音楽的にも新しいことに挑戦していきたいというモードに4人がなっている状態で作れた曲で。せっかく僕達ミュージシャンなので、若いリスナーの方々に新しい音楽を教えていってあげるくらいの心意気でこの曲を作りました。

――「BUBBLE-GUM MAGIC」はどういう流れで作っていきましたか?

寺中友将 みんなが4人とも曲を作るので、正に移籍第一弾シングルに向けて曲を作りましょうというタイミングでは、色々今までとは違うKEYTALKを見せられたらそれが良いなというのはスタッフの方からもそういう意見が出ていたので、曲作りの期間は比較的長く設けてもらって、色んな楽曲にチャレンジしましたね。例えばコード進行はこういう縛りでやってみようとか、三連のリズムを入れてみようとか、そういうのをあえて設けて曲作りをした期間はありました。

――今作はそれぞれ曲を持ち寄った感じなのでしょうか?

首藤義勝 そうですね。持ち寄って。ミーティングのルーティンも4回くらい経たので、今作に向けては40曲くらいみんなで持ち寄りました。

――40曲! それはすごいですね。「これまでとは違う形で作ってきて」という感じで曲を持ち寄ったのでしょうか?

首藤義勝 そうですね。テーマやルールを設けて曲を持ち寄るという機会自体が初めてだったので、聴き慣れているはずのメンバーの曲も新鮮に聴こえるような曲が多かったです。この「BUBBLE-GUM MAGIC」に限らず。

小野武正 けっこう色んなことに挑戦できたタイミングだったので、音楽的にも面白かったですし、かなり今後の可能性をそこで見い出せたんじゃないかと思います。

――出だしのギターは小野さん?

小野武正 あれはもともと義勝のアイディアで、軽快なノリでカッティングするのは凄く好きだったりするので、今回レコーディングも楽しくできました。

――カッティングいいですよね、グルーヴが出てる。

八木優樹 彼はリズム感というか常に踊っているような人なので、そういうのは人一倍強いものを持っているんじゃないかと思っています。暇さえあれば踊っているので。

小野武正 そうそうこんな感じでね、アハハ!(笑)

八木優樹

八木優樹

――八木さんはこの期間での曲出しはいかがでしたか?

八木優樹 みんなの曲が変わってきたという感じもあって、チャレンジをして自分の殻を破るじゃないですけど、音楽をやる人として良い時間だったのかなと思います。自分の手癖から一旦離れるというか、見つめ直す時間だったのかなと。そういうのを経てルールをなくしたときにまた新しい世界が見えたりすると思います。

――3月におこなった『下北沢ガーデンでKEYTALKが弾き語ットーク』を振り返ってどうですか?

首藤義勝 もともとそんなにアコースティックは興味ないんですけど、なんか面白いなと思ってまたやってみたいなと思いました。

小野武正

小野武正

――アレンジもだいぶ変えてきていましたね。

首藤義勝 そうですね。慣れている曲がけっこう違う感じに聴こえたりして良いなと。雰囲気も良かったですよね。お客さん座っていて、自由なMCがあって一緒に笑ってと。あの空気感がいいですよね。

小野武正 あの日、ユニバーサルに移籍すると発表した大事な日というのもありつつ、アコースティック・アレンジでああやってライブをするのって、去年の幕張メッセでワンマンライブをやったんですけど、そこからけっこう良い感触だなというのはあったんですけど、今回は全編アコースティックだけで構成してみると意外とハマッて。アレンジもギターに関して言うとけっこう音源でやっているのとでは全然違うアプローチができたりして、個人的には凄く面白かったし勉強になりました。アコースティックでやることによって、今後の曲作りや自分のフレーズ作りも少し良い方向に変わるような収穫もあった一日でした。

――どの点が特に勉強になりましたか?

小野武正 アコースティックって歌がバンと入ると思うんですけど、良い塩梅での支え方プラス自分のフレージングで支えているんだけど前に出るみたいな、アコースティックってエレキギターでやる以上に繊細に前に出てきちゃうと思うので、その具合というか。それが絶妙で面白かったという印象です。

――八木さんはいかがでしたか?

八木優樹 純粋に楽しかったですね。エレキでやっているときより歌を一緒にみんなで支えているというか、そういう感覚が凄く強くて、そういう音楽も楽しいなと思って。ダイナミクスとかニュアンスとか、声もよく聴こえていいなと思いました。

――今回の曲はこれまでの曲と比べてBPMも少し落としているような気がするのですが、アコースティックの影響もある?

小野武正 きっかけは違うかもしれないですけど、アコースティック、幕張メッセでやって気付いたことはたくさんありましたね。

首藤義勝

首藤義勝

――BPMを落とした曲で踊らせるのは難しいとよく聞きます。これまでの曲は比較的速い曲が多いですが、それでこういった感じの曲が出せたのは大きいかと。

首藤義勝 音楽的な好奇心というか、新しい挑戦をしていきたいというところが根底にあって、もちろん速いテンポの方がわかりやすくモッシュが起きたり手が挙がってわちゃわちゃ盛り上がったり、もちろんやりやすくはあるんですけど、そこから先という感じですよね。一口に踊ると言っても、色んなタイプの踊れるビートってあると思うので、それを提示したいなという気持ちで今回トライした感じですね。

――ファンのSNSの声をみると「新しいKEYTALKの曲だ」と、凄く良い反応がありました。

首藤義勝 反応は頂いていて、新しい感じでカッコ良いと言って頂けることが多くて、それは良かったなと思いますね。「新しい感じだね」と言われるところまでは想像していたんですけど、これが受け入れられるかどうかというのは発売してみないとわからない部分だったので、そういう意味では今頂いている反応は凄く嬉しいものが多いですね。

――挑戦的だっただけに不安もあった?

首藤義勝 ありましたね。あと意見として嬉しいのは「早くフェスでこの曲を聴いてみたい」というコメントはけっこう頂いていて。こういう曲もフェスで聴きたいと思ってもらえるんだという喜びがありますね。

――自信になった部分もあると。

首藤義勝 そうですね。嬉しいですね。またここから先もまた色んなチャレンジを重ねていきたいなとも思いました。

――この先どういう曲を作っていくという構想はあるのでしょうか?

小野武正 4人とも作曲者なので、それぞれがビジョンを持っていると思うので、可能性は無限大だなという感じですね。

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八木優樹
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小野武正
首藤義勝
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