SOLIDEMO「培ってきたもの全て注ぎ込んだ」桜menとのコラボで見せる可能性
INTERVIEW

SOLIDEMO「培ってきたもの全て注ぎ込んだ」桜menとのコラボで見せる可能性


記者:榑林史章

撮影:

掲載:19年05月08日

読了時間:約12分

平安時代の恋愛を舞い散る桜に例えて

――もう1曲の「華mist」も切ないバラードで、和のテイストですね。

木全寛幸 1月~3月に日本橋三井ホールで開催したイベント『FLOWERS BY NAKED』のテーマソングで、それに合わせて作っていただいた曲です。

木全寛幸

シュネル 歌詞に“和歌”が入っていて。

木全寛幸 和歌は入ってない。古語だよ。

シュネル そうそう、古語が入っているので(笑)。もともと切ない歌詞ですけど、余計に切なさが表れています。

向山毅 琴からの尺八というイントロが素敵で、桜が舞い吹雪くような情景が思い浮かびます。その情景と、切ない恋心が歌われている歌詞が、とてもリンクしていると思いました。そういう世界感を意識して歌っています。

佐々木和也 歌詞は、どうしようもない恋心を歌っています。お互いが好きなのに、障害があってなかなか会えない2人。失恋とは違う意味での叶わない恋愛のもどかしさや辛さを、歌声でどう表現したらいいかすごく考えました。

佐脇慧一 僕のイメージでは、古語が使われているので、舞台はきっと平安時代とかだと思うんです。そういう時代の恋愛を、現代に生きる僕らが歌っているのが、すごくいいですね。和楽器ともすごくマッチして、ロマンチックな曲になったと思います。

中山優貴 みんなも言いましたけど、古語とか古き良きものが込められていて。今の時代では考えられない程の純粋な恋愛模様が、歌われています。今なら携帯電話ですぐ連絡が取れたり会えたりするけど、平安とか昔の時代は、一期一会が本当に大切だったと感じます。テレビなんかもちろんなくて、入ってくる情報も限られていたと思うんですけど、その分、その人を思う気持ちは強かったと思います。そういう当時の恋愛の情景が、歌詞の細かいところから感じ取ってもらえると思います。

 「華mist」というタイトルは、花がミスト(霧)のように細かく散っている様子を表現していて、華という文字とmistという英語が混ざっているところは、すごくおしゃれだなって思います。それにここまで人を思えるなんて、決して簡単なことではないので、そんな恋愛ができるのは羨ましいです。

木全寛幸 言葉がすごくシンプルにきれいで、素敵だなって思います。情緒的なものがギュッと歌詞に封じ込められていて、それが情緒的なままスッと胸に入ってきます。こういう美しい日本語という伝統を胸に、それを僕らが歌うことで今の時代の歌になっています。

山口智也 この歌のような時代には、僕なら絶対に行けないなって思いました。連絡が取れなかったら、寂しいので。ポケベルの時代でも、僕は無理だなって思うし。連絡がまったく取れず、付き合っているのかさえも分からない。果てしなく孤独で、寂しすぎてどうしたらいいか分からない。そんな時代には生きられません(笑)。でも、これだけ人を思えることの素晴らしさがあると思うし、奥ゆかしさって言うんですか? こういうのも、すごくいいなって思います。

山口智也

手島章斗 「華mist」には、花を見る人という意味も込められています。歌詞に対して思うのは、禁断の恋愛的なものもあると思うし、1年に1度しか会えないような感じもあるけど、逆にすでに別れてしまっている失恋の曲だとも受け取れるし。たぶん、春に全てがあったんですよね。春に出逢いと別れがあって、だから春になると、いろいろ思い出してしまう。そういう曲かなと思います。そうやって、いろいろな捉え方をしてもらえたらいいなと思いますね。

――Dメロで、ガラッと雰囲気が変わるのもいいですね。

向山毅 これは夢なのかな? と思うほどです。

シュネル 主人公は、夢と現実で戦っているような気がする。

木全寛幸 <決めたのにな>と歌っていて、これはどっちに決めたのかでストーリーが変わるよね。

佐々木和也 でも、揺らいで最後に行くんだよ。

木全寛幸 好きだから追いかけ続けると決めたのなら、追いかけ続けながら儚さと戦っている。別れると決めたのになら、ずっと引きずっている自分がいる。

佐脇慧一 違った辛さだけど、どっちも辛いよね。

向山毅 聴く人は、自分が置かれている状況と重ねて想像してもらえたらいいなって思います。

(おわり)

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