深いなと思って作った曲が実は一番浅かったり(笑)
――さて、1曲目の「フリーズドライplease」は、9月に代官山UNITでおこなわれた『ぺっとぼとリテラシー ほとばしる バテで夏を締めくくりまショータイム Vol.2 』でも披露されていましたが、このライブのために書かれた曲だったのでしょうか。
ライブのためにという曲ではなかったです。アルバムの制作が決まった段階で、そこに収録できる曲を作ろうと思って書きました。レコーディングする前にライブ用にアレンジをして頂いて、曲のテーマが夏ということもあったので、9月のライブで先に歌っちゃったみたいな感じなんです(笑)。
――この曲は「時間の経過とともに変わっていく気持ち」がテーマで書かれていますが、最近そんな経験が?
そういうのって恋愛だけではないじゃないですか? あんなに好きだったのに意図せず自分の気持ちが冷めていってしまうことってあると思います。あんなに好きなアーティストがいたのに、興味が薄れていってしまったみたいな。それって凄く悲しいことだなと前から思っていたのと、「フリーズドライplease」という言葉を使いたいというのもあって。
――こういった言葉はメモしたりしてストックしてるんですか。
そうですね。それでフリーズドライという言葉からプリーズが思い浮かんできて。これなら前から考えていた、このテーマと合致すると思って出来た曲なんです。伝えたいと思える歌詞が出来たので、ライブにも凄く良い曲が出来たなと思います。
――ライブ定番曲になりそうな予感もしています。さて、アルバム制作で最後にできた楽曲は「凸凹(デコボコ)」なんですよね? 12月まで制作していたみたいですが…。
12月15日に開催したワンマンライブ『MashinomiX Vol.1』のあとに出来た曲で、19日に曲ができて20日にレコーディングしました(笑)。
――すごい追い込みですね。しかも1発録りなんですよね。
そうなんです。これを作ったとき「どうやって録るんだろう」と考えていたんです。どうやって録るのかわからないまま、とりあえずエンジニアさんに弾き語りの状態で送ったら、当日エンジニアさんがクラシックっぽい感じもあるし、クリックに合わせるよりも1発録りが良いんじゃないかと提案して下さいました。それでやってみたらめちゃくちゃ楽しくて。
――またライブとは違う興奮があったわけですね。
ライブと似たところもあるんですけど、その場の雰囲気も大切にしながら、正確に弾かないといけないというのがあって。あと、この曲は心を持っていかれる曲で、やる度にすごくいろいろ消費されるんです。「ハァ」ってなりましたから(笑)。
――後半でのブレイクでそれこそ「ハァ」という感じのため息まじりの声が聞こえますけど、ここはどういった心情でサビへ向かっているんですか。
むしろあそこが一番感情が高まった部分かもしれないです。ソロが終わって、歌詞も心の奥底と向き合う部分なんです。それもあってあのあと泣きそうになりながら、歌っています。
――感極まってるところなんですね。「凸凹」というタイトルも良いですね。私は久しぶりにこの字を見たかもしれないです。
ありがとうございます。凸凹を凹凸(おうとつ)としても捉えられたら良いなあという思いと、曲自体も凸凹してるなと思って、色々考えたんですけど、このタイトルにしました。
――このアルバムの中で一番スリリングな曲でもありますよね。
そうですね。最初の方で「美化されちゃって大変です」や「ターニングポイント」、「ゼログラビティのキス」と寄り添うというテーマの曲がしっかり出来たので、その反動で「AKA=CHAN」や「‘s」や「凸凹」みたいな深いところの曲が出来ました。
――そこをお聞きしたかったところでもあって、資料には深いところから浅いところまで色んな曲が出来たと書いてあったので、浅いというのは寄り添うがテーマで書かれた曲たちだったんですね。
そうなんです。でも、聞いてくださる皆さんがどの曲でそう思ってもらえるかというのも楽しみな部分ではあるんですけど。もしかしたら、私がこれは深いなと思って作った曲が実は一番浅かったり(笑)。











Paraiso、ポップしなないでが放つ新バンドプロジェクトの5人に迫る
ましのみ「1年目みたいな気持ち」成長した美学が放つ自信作に迫る
ましのみ「人生で初めて――」“お気軽”ライブで見えた新たな真骨頂
ましのみ「音楽真っ向勝負」ネクストステージで見せる新たな挑戦とは
ましのみ「冷めることなくみんなと良い景色を」レセプションパーティーで見せた願い
ましのみ「みんなの顔を見ながら歌えて嬉しかった」由縁の地で見せた“ましのみワールド”
ましのみ、ほとばしるエネルギー全開で締めくくった夏の総決算
点数つけるとしたら無量大数、ましのみ 同世代女子がキーワード
ましのみ「繋がり続ける未来を信じて」音“楽”で満たされた渋谷