須田亜香里、先輩と後輩以上の関係になれた 珠理奈休養がもたらしたSKE48の変化
INTERVIEW

須田亜香里、先輩と後輩以上の関係になれた 珠理奈休養がもたらしたSKE48の変化


記者:鴇田 崇

撮影:

掲載:18年12月08日

読了時間:約7分

変わった「歌うこと」への意識

――ところで須田さんはバラエティーでNGなしのイメージがあり、タフな印象もあると思いますが、やはりしんどいと感じる瞬間も?

 バラエティー番組のノリは本当に大好きなので、しんどくはないですね。もともと自分が他人を楽しませる要素を持っているなど思ったことがなく、自信もなかったので、自分が何かをやるたびに誰かが笑ってくれたり、先日も企画でローションまみれになりましたが、自分から発したもので面白がって笑ってくれることが、自分でも信じられないくらいうれしくて。観てくれる人が楽しんでくれればいいじゃんて思うし、自分も楽しいし、そこにこだわりはないですね。こういうことしたくない、みたいなことはないです。むしろ、アイドルでいるほうがよっぽど大変だなって(笑)。もちろん、バラエティーも勉強をたくさんしないといけないし、空気を読むってめちゃくちゃ大変だけれど、アイドルの精神ギリギリでやらなくちゃいけないところは、何年やっていても慣れないなあって思います。

――今日までアイドルとして歩いて、今思うといかがですか?

 キラキラしていなかったからこそ、続けて来られたのかなって思います。本当にキラキラしたイメージでいたから、最初入った時は一年くらいで辞めようと普通に思っていました。長くはやらないぞ、みたいな。ナメていましたね(笑)。第1回のAKB48選抜総選挙が終わった頃にグループに入ったのですが、最初の総選挙は普通に一般人としてテレビで観ていて、順位付け大変そう、くらいの気持ちでした。

 だから、スタートの時点はアイドルをナメていて。でも実際に入ると思った以上に体育会系で、SKE48は特にそうで。ありきたりな関係性かもしれないですが、仲間だけれどライバルという深い仲で。スタッフさんやファンなどの外の方々にいっぱい助けてもらいながら、ここまでやって来れたと思っています。人と人とのかかわり合いがすごく楽しくて、いまはとてもやりがいを感じていますね。

須田亜香里

――映画が完成して、音楽について想いを新たにすることはありましたか?

 わたしはもともと音楽が苦手で(笑)、その曲を聴くと、その人そういう生き方なのかな? とか内容で感動するよりは、そういう恋愛をしていたのかな? とか、想像しちゃうことがすごく嫌なんですよね。わたしは人に影響されて音楽を聴くし、それはそれでいいのですが、反対に自分がキュンとした曲を口に出すことも嫌でした。わたしもそういう人って思われる、判断されそうなことが嫌で。会話で素が出るよりも、もっと人となりや、内面の奥底が出ちゃいそうな気がするんですよね。

 ただここ数年、自分のことをさらけ出して頑張ろうと思ってからは、小さい頃になんとなく好きだった曲などが、ちょっとずつ自分でもわかるようになってきたこともあり、隠そうとはしていないです。それまではぼかしていたんですよ。わたしはこれが好きと言っておけば、人に自分の素がバレないだろうなとか、みんなが良さそうと言ってくれる曲を言うようにしたりだとか。ここ最近は包み隠さず、普通に言っています。

――そうすると、自分たちの歌でも変化がありそうですね?

 本当に、いろいろと変わったと思います。以前は笑顔の曲が辛かったです。アイドルの曲って感情が入っている、ポジティブな歌詞の曲も多いので、ひとりの女の子、主人公として入り込みながら表情を出していくと、お芝居と同じような感じにもなりますよね。いい曲を歌うことはいいけれど、感情のないただ明るい元気なレッツゴー! みたいな曲は無理に笑わなければいけない気がして、すごく苦手でした。わたしイコール元気、なイメージを持たれている分、歌いたいよりも笑わなきゃ! みたいな感じだったので、すっごく苦手でしたね。そうやって以前は求められている自分を考えていましたが、いまは楽しもうとしています。そうしたら自分でも本当に楽しくなって、歌も大好きになりましたね。

 アイドルになってから自分はこうやって生きて行こうと道を見つけたのですが、アイドルやる上で一番大事なことは楽しめることと感謝をすることで、それを自分のなかで決めていたのですが、それが求められている自分を表現するうちにだんだんとできなくなってしまって、ランクも落ちちゃいました。その時、楽しめていることを忘れていることに気付いたので、そこからはアイドルをするなら最低限度楽しめないならやらないと決めました。今回、松井珠理奈さんが頑張りすぎて倒れた姿を見て、前に自分が葛藤していることとどこか似ているなあと。どこかわかってあげられることがあるだろうと、珠理奈さんが復帰したいま、わたしがサポートできることは、ほかのみんなより多いのかなと思っています。

前編は大場美奈さん

この記事の写真

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事