山崎エリイ、後悔するくらいなら挑戦したい――歌手としての素顔に迫る
INTERVIEW

山崎エリイ、後悔するくらいなら挑戦したい――歌手としての素顔に迫る


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年11月19日

読了時間:約15分

心境的にも一番近かった「Starlight」

――今作は様々なジャンルがありますが、80年代を感じさせる曲もあります。もともと80年代のアイドルは好きなんですよね?

 好きです! 母が松田聖子さんの楽曲を車の中で流していたのがきっかけでした。「青い珊瑚礁」を初めて聴いたときに、凄く透き通っているのにエンジェルボイスという感じだと思って。甘くて、でもちょっとハスキーなときもあって。そういった声に凄く惹かれたんです。それが小学校2、3年くらいだと思うんですけど、そこからどんどんハマっていって今がある感じです。

――歌い方に影響を受けている部分はありますか?

 私的にはそんなに寄せるということは意識したことはないんですけど、松田聖子さんの曲をカバーさせて頂いたときに、「何となく歌い回しが似ている」と言われるタイミングがけっこう多くて、いつの間にか、自分が意識している訳ではないけど、影響されているのかなと思ったり。

――潜在的意識の中で息づいているのかもしれませんね。

 そうかもしれないです。

――「十代交響曲」も様々なサウンドが入っていて曲展開が劇的で凄いですね。歌うのが難しいと思います。

 難しかったです。この曲は10代の明るくキラキラした部分ではなく、あえてダークな。自分と周りを比較したりとか、そういった葛藤のようなものが描かれている楽曲なので、そういった少女に寄り添うのがなかなか難しくて。本当に楽しくてウキウキしていたので、レコーディングでテンションを下げるのが難しくて…。口角が上がってニコニコしちゃうんですよ。「歌が明るくなってきちゃった!」みたいな。「下げます!」とか言いながら録っていたんです。ライブなどもみなさんにお会いできるという嬉しさがある分、落とし込むのが難しかったんですけど、そういったダークな楽曲もあるからこそ「a little little thing」みたいな新しくて明るめな楽曲がくるとギャップが生まれるのかなと思って。

 実は「十代交響曲」はベースにあって、その後に「a little little thing」があるという感じなんです。同じ方が作ってくださっているんですけど、そのエピソードの続きで、「十代交響曲」の主人公が5年後くらいに新たに捉え方、考え方も変わっていって、その女の子のフューチャーというかピックアップして書いた物語みたいになっていて。全然違う曲のようにみえるんですけど、実は歌詞を並べるとちょっとリンクしている所があるので、そこも是非楽しんで頂けたらなと思います。

――それは面白いですね。楽曲制作にはどのあたりから関わるのでしょうか?

 「a little little thing」に関してはあがった状態だったんですけど、アルバムの制作会議には出させて頂いて、「Flowery Dance」は私が「こういったゴシックっぽいものを歌いたい」と言って作られることになりました。

――いじわるな質問かもしれませんが、今作はEDM、80年代テイスト、ダークなもの、色んなものがありますが、どれが本当の山崎さんでしょうか?

 「Starlight」が心境的にも一番近かったですかね。歌いやすいというのも、もちろんあったんですけど、「Starlight」のゆったりした雰囲気とかも…私は普段シャキシャキ動くわけでもないので、ゆったりしているのが凄く落ち着きますし、「Starlight」を録っているときはちょうど自分のことを色々見つめ直したりしたいなと思っていた時期だったので、凄く歌詞がリンクして歌いやすかったというのもあって。だから今この中でとなると「Starlight」なのかもしれません。

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山崎エリイ
山崎エリイ
山崎エリイ
山崎エリイ「夜明けのシンデレラ」ジャケット

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