変わるきっかけを与えてくれたソロ活動、自分自身を投影
――2年ぶりのアルバムとなります。現在の心境を教えてください。
10代のときにデビューアルバム『全部、君のせいだ。』を出させて頂きまして、それから久しぶりの2ndということで、20代になって新たな自分の出し方など色々と考えつつ、アルバムだからこそ皆さんに楽しんで頂けるような楽曲を歌いたいと思い、制作させて頂きました。
――1stと2ndとでは気持ちの違いはあります?
今まではディレクターさんと“どういった雰囲気で歌ったら良いか”ということを話し合ってから歌っていたんですけど、『夜明けのシンデレラ』は完全に自分が思ったまま歌ったものになっています。ですから事前にヒントがあるのかないのか、という点で差は凄くありました。
――過去に「アニメの声優に比べて、歌は自分を出していかなければいけない」というお話をされていました。
ソロということで、山崎エリイとしてどう歌っていくのかという点が凄くキーになってくると思います。キャラクターソングとかだと、やっぱりキャラクターに寄り添うかたちなんですけど、山崎エリイという自分自身だからこそ、寄り添えるものよりも、自分が作っていかなければいけないというのが難しくもありました。でも、その分、自由の幅が利くのでとても楽しいと思っています。
――「自分自身」を出す、という点で、山崎エリイさんが考える目標のアーティスト像はありますか?
最初の頃はそれよりも、自分がソロデビューしていいのかという不安の方が実は大きくて。歌を歌ったり、新しいことをやってみたいという気持ちはあったんですけど、いざ目の前にすると怖じ気づいてしまったり。実際に一人でライブをやったり、イベントをたくさんできるのか、という不安が最初はありました。
でも今は一つ一つスタッフさんと話し合いながら、おこなわせて頂くなかで「こういった捉え方もあるんだな」とか、「こういう風にできたらいいな」というのが増えてきて、たまに失敗をしちゃったりもするんですけど、でもそれをバネにして、前にもっと進んで行くということ、みなさんに届けていきたいという気持ちが強くなっていきました。
ですから、自分自身の出し方というのがそもそも変わったというふうに思っていますね。曲からとかではなくて、臆病だった自分が少しずつ変わるきっかけになったのがこのソロ活動なのかなと思います。
――山崎さんが思う、自身の魅力は何だと思いますか?
そうですね…、自分のことを言うのは難しいですが…、周りの方から良く言われるのは、方向性が全く違う楽曲を頂くにあたって、それに合わせて変えようとするというか、「自分の一番出しやすい声ではなく、そのコンセプトに合わせて変える、というのが得意だよね」ということです。まだまだだと思いつつも、そこは伸ばしていけたらなと思います。
――自分という核はありながらも、曲によって主人公を設けたり、それを演じたりというのもある?
それもありますし、普段だったら歌詞に含まれている表現が自分では出なくても、曲だからこそ歌えたり、曲だからこそ出るというのもあります。挑戦も含めて、普段の自分と変われるという楽しみがあって、そこが歌を歌うということだけではなくて、更に次の段階へ、という楽しみでもあります。