決意をもって挑んだ、野村周平×柳ゆり菜 体当たりで臨んだ任侠
INTERVIEW

決意をもって挑んだ、野村周平×柳ゆり菜 体当たりで臨んだ任侠


記者:桂 伸也

撮影:

掲載:18年09月22日

読了時間:約15分

当然覚悟はもって。でも覚悟はどんな作品でも

――この作品への出演は、お二人のキャリアから見るとチャレンジだったのでは、という印象を受けました。これまで出演された作品からは違った雰囲気でもあり、役柄としてもかなり体当たりでチャレンジされる必要があった、という緊張感も見えましたので。作品のオファーを受けられた際にはやはり“来た!”と待ち望んでいたものを迎えた気分もあったのでしょうか?

野村周平 僕はこの作品が来たときにはこういう硬派な役やりたかったという感じでしたね。

野村周平

野村周平

――それほどでもない、という感じでしたか?

野村周平 いや、こういう作品のお誘いが来て逆に嬉しかった、というか。“壁ドン”系じゃなくて良かった(笑)という感じです。

――こういう作風に、やりがいを感じると…。

野村周平 差別的な思いがあるわけではないですけど、こういった作品は、やっていて楽しいですよね。題材がこれだから楽しい、というわけではなくて“なんか楽しい”というか。作品作りにしてもちょっと“好きにできる”というところもあるし。そういうところは面白いかなと。

――対して柳さんは、まさしく“覚悟をもって挑んだ”というところもありましたか?

柳ゆり菜 覚悟はもちろんもっていました。この作品なら、体当たりになりますよね(笑)、そう思います。でも私はもちろん、どの作品でも体当たりでやっているつもりだし、特にこの作品がすごく体当たりで、というわけでもない気がするんですけど。

 そんな中でも、それなりの覚悟というか、決意をもって挑んだ作品ではあります。お話を頂いたときにハードな場面もあるのはもちろん分かっていたし、でもやらないという選択肢は、私の中には一切ありませんでした。最初に本を読んで、作品を好きになって、それから決意を固めました。

――ちなみに作品に取り組む前に、こんなカラー、雰囲気の映画が出来上がるという想像はされていたのでしょうか?

野村周平 いわゆる「喧嘩ヤンキーもの」ではない(笑)ということは思っていました。チンピラが出てくるからといって、チンピラがただ鉄砲玉をやりに行くという人生を描いた作品という感じの作品ではなく、人間の心がしっかりと描かれている、そういう作品になるというか。本当は無いだろうというお話、フィクションですけど、そういうところをしっかりと描ける作品になるんじゃないかと思っていたし、そのとおりになったなという感じはあります。

――では撮影に入っても、それほど“思ったものと違って、これは大変だぞ”みたいな感じも…。

野村周平 そうでもなかったですね。監督は僕がやることも温かく見守ってくれている、そういう感じでやらせてくれたのですごく自分もやりやすかったです。“

柳ゆり菜 うん、“好きにやって”感はすごくあったよね。

――“好きにやって”と言われると、逆に困るというところはなかったですか?

野村周平 いや、逆に全部押さえつけられているときのほうがなんかギュっとしてしまいますね。「ここはこう動いて」「こうやってこうやって」とか言われるほうが少しやりづらい感じがありますね。

柳ゆり菜 それ、分かります。

柳ゆり菜

柳ゆり菜

――でも、例えば共演陣というか、例えば毎熊(克哉)さんや岡山(天音)さんなど、共演シーンでは役者としても相当ぶつかってきているような雰囲気もあるなと、見て感じたところがありました。その中でも緊張感みたいなところも感じたし、中でも岡山さんの演じられた役は、怖いキャラクターだと思えるところもありました。今“嫌な奴”をやらせたら一番じゃないか、っていうくらい(笑)

柳ゆり菜 そう、良い“嫌な奴”でしたね(笑)

――自由にやっていいと言われた中で、あれほど緊張した雰囲気にあれば、俳優さんとしてはプレッシャーみたいなものを感じるところもあるのではと思いました。

野村周平 いや、全然ないですね。そんなに気負いもしていられないですし。別にそこはあまり気にしてやってはいないですね。

――柳さんはいかがでしょう? 岡山さんとはかなり暴力的でハードなシーンを見せる場面もありましたが?

柳ゆり菜 いや、多分あのシーンは逆に天音くんのほうがプレッシャーだったと思うんです。私は特にプレッシャーはなかったです。感情はむき出しになっているだけだったし。

――そうでしたか。一方で撮影の際に苦労したところとか、失敗したという部分はありましたか?

野村周平 基本、アクションは大変でしたね。後半のアクションは、一人で乗り込んでいくシーンがあるんですけど、そこはしんどかったです。一人であれほど殴られたりしなきゃいけなかったし、消火器を振り回したり、一日中あの部屋(撮影セット)にいたから精神的に…心も疲れました。

柳ゆり菜 あと、神社で撮影した箇所もあるんですけど、あそこはすごく寒かったんですよ。

野村周平 最初の足を洗っているところでしょ?

柳ゆり菜 そう、あの神社はすごく私はラストシーンでも使っているので思い入れがあるんですけど。12月の撮影だったんです。

――それはかなり寒い時期ですね。あそこは新宿の花園神社ですよね。

柳ゆり菜 そう、なんかキーン! とした感じの場所で。でも清んだ冷たさみたいなのを思い出すと、切なくなるくらい。その寒さというのは覚えています。

――歌舞伎町に近い場所にありますが、あの近辺は何か変わった雰囲気がありますね。

柳ゆり菜 確かに。なんかちょっと静かというか。ザワザワ木が揺れている感じとか。

野村周平、柳ゆり菜

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