18歳オルタナティヴR&BシンガーのRIRIが6日に、東京・渋谷WWWで『-RIRI Release Party-』の東京公演をおこなった。2月14日にリリースされたメジャーデビューアルバム『RIRI』の発売を記念し、大阪と東京の2公演を開催。東京ではKEIJUと向井太一がゲスト出演し、RIRIのデビューをライブパフォーマンスで祝福した。RIRIのステージは終始圧巻の歌声でオーディエンスを魅了し、アンコールではZEDDの大ヒット曲「STAY」のオフィシャルカヴァーもライブ初披露し、このステージで世界への一歩を踏み出した。【取材=村上順一】

KEIJUと向井太一がゲストでRIRIを祝福

RIRI(撮影=Taichi Nishimaki)

 トップバッターはシンガーソングライターの向井太一がステージに登場。ドラムとキーボードの3人でパフォーマンス。その躍動感のある歌声でライブを彩っていく。生演奏ということもあり、絶妙な揺らぎがオーディエンスの体をリズミックに揺さぶり、心地よい空間を演出した。向井はRIRIを初めて観た時に「すごいセンスの人が現れた!」と驚いた思い出を話した。

 続いては1月28日にRIRIもゲストとして出演した、『KEIJU as YOUNG JUJU Presents "7 Seconds" Supported by PIGALLE』の記憶も新しいKEIJUがステージに。彼のオリジナリティあふれる独特なオーラとHIP HOPサウンドで、一気に会場をKEIJUのオルタナティブな世界観で満たしていった。ライブはブラックミュージック特有の混沌とした空気感で包み込むなか、MCではKEIJUがこの日、デビュー前からRIRIのファンであることを公言、さらにグッズのタオルを並んで購入したと語り会場をなごませる一幕も。

 個性あふれる2人の祝福を受け、RIRIのステージへ。会場が暗転し「とんでもないことの始まり」を予感させるSEがうねるように響き渡る。キーボードとギターのメンバー2人が生演奏で「GOLD」のリミックスをバックにRIRIが大歓声に迎えられステージに登場。その歓声に応えるかのように、空気を震撼させる圧巻の歌声で幕は開けた。

 オープニングナンバーは「Next to You」。ミディアムなテンポ感のフロウで、その上を泳ぐように声で表現していくRIRI。体をしなやかに揺らしながら、メリハリのある歌声で我々の耳に語りかけてくるよう。さらに歌の密度が濃くなった感覚を得たのは「Crush on You」。タイトルのごとく彼女に“一目惚れ”してしまうほどのダイナミックな歌を響かせた。

 メロディと言葉をフォーカスするセンスが光った「Be Alright」、オーディエンスの左右に振り上げた腕の軌跡が虹を描くようだった「Promised Road」と、歌の表情豊かにパフォーマンス。さらにオーディエンスのシンガロングが印象的だった「Heart Can't Lie」では、その会場から生まれる声に「もっともっと!」と嬉しそうに煽るRIRI。ライブならではの臨場感を感じた瞬間だった。

 MCでは「皆さんが大好きすぎて…」と嬉しそうに告げるRIRI。そして、ファンからのSNSでの応援メッセージを受け、「歌もパフォーマンスもみんなのために磨き続けたい」と力強く宣言しオーディエンスを歓喜させる場面も。さらに「思い出した!」と、渋谷のセンター街に「That's My Baby」が流れていたことにエキサイティングし、テンション高めにこの会場まで来たことを楽しそうに話す。そこには無邪気な18歳、等身大とも言えるRIRIの姿があった。

ZEDDの「STAY」をライブ初披露

RIRI(撮影=Taichi Nishimaki)

 その高まったテンションを楽曲に委ねるように彼女の代表曲のひとつ「RUSH」に突入。キューティーなポップさが凝縮されたナンバーで、RIRIのエナジーみなぎる存在感のある歌声で彩っていく。そして、キラキラとしたシャイニーなポップ感を感じさせながらも、しっかりとブラックミュージックのクールさも放つ「That’s My Baby」。オーディエンスとのコール&レスポンスも巻き起こった。

 「最後までみんなの最高を見せてね」と投げかけ届けられたのは「Keep Up」。自身の背中も押すようなファイトソングだ。魂を揺さぶりかけるような歌と、体を弾ませたくなる躍動感に満ちたビートで、渋谷WWWを席巻し本編を終了した。バンドメンバーのアグレッシブな演奏をバックにステージを後にした。

 アンコールを求める手拍子とRIRIコール。ステージの天井からゆっくりとスクリーンが降りてくる。そこに映し出されたのはレコーディングスタジオで歌うRIRIの姿。楽曲は世界的DJ/プロデューサーのZEDD feat. Alessia Cara「STAY」。映し出されたムービーのラストにはZEDD本人からRIRIへ向けたメッセージが流れ会場がどよめいた。そして、ステージにRIRIが笑顔で登場。本人もこのメッセージを初めて見た時には声をあげたいくらい興奮したと明かした。

 「世界で活躍する方達と一緒にお仕事ができるような、アーティストになれるように頑張りたい」と決意を述べ、その本人公認となるオフィシャルカヴァーとなった「STAY」を一早くライブで初披露。楽曲の持つポテンシャルを十二分に引き出していくRIRIの歌。その歌声にオーディエンスも静かに耳を傾ける。

 そして、憧れのシンガーであるAIと出会い、一緒に制作された楽曲だという「I love to sing」を最後の曲として披露した。幼い頃から描いてきた“世界で活躍するアーティストになる”という想いが、歌詞にも投影された壮大なバラードナンバーは、エモーショナルに聴くものの心に浸透し響き渡っていく。「夢を掴むまで諦めない」、そんな強い意志が歌に乗って感じられた瞬間だった。そして、多幸感で満たされるなか、『-RIRI Release Party-』の幕は閉じた。

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