台湾出身4人組バンドのnoovy(ヌーヴィー)が18日に、東京・渋谷TSUTAYA O-NESTで『1st TOUR「Singin' for you!!」』のファイナル公演をおこなった。ツアーは2月にリリースされたシングル「Singin' for you」を引っさげて東名阪を廻るというもの。この日はオープニングアクトになみだ藍、Crossover&Co.やLIFriendsをゲストに招き、4組による熱いステージを繰り広げた。noovyは未発表曲「Dunk Shot」などアンコール含め全13曲を披露し、オーディエンスを楽しませた。【取材=村上順一】

由縁の地O-NEST

ShawnとHank

 LIFriendsのステージが終わり、noovyのメンバーがステージに自らセッティング。ツアーの締めくくりともあって、サウンドチェックに余念がない。「Garage」で軽く全体でバランスをチェックし、一旦ステージを後にした。会場が暗転すると、壮大なSEに乗ってメンバーがステージに登場。そのSEに生のバンドサウンドを重ね、高揚感を煽っていく。オープニングナンバーは「Never Gonna Stop」で爽快なアップチューンでアクセル全開のパフォーマンスを見せる。

 Hank(Gt)がステージ前方まで飛び出し、黄色い歓声を受け「Cross the Line」へ突入。さらにスピード感のあるロックナンバーを浴びせる。間奏のキメも鮮やかに決め、「Put your hands up」と煽り間髪入れずに「Thunder(仮)」へ。<Don't Stop♪>と電光石火のごとく会場を盛り上げていく。オーディエンスによる一体感のあるクラップが、ライブならではの臨場感。心地よい熱量をフロアに浴びせていく。

 Shawn(Vo、Gt)が「一緒に踊りましょう」と投げかけ始まったのは、軽快なMark(Dr)のリズムが映える「Move It」を披露。Shawnはイントロでホイッスルを吹き煽り、ハンドマイクで自由に動きながらのパフォーマンス。躍動するビートに乗ってオーディエンスも楽しんでいた。ポップなメロディが耳に残るキャッチーな「bye bye darling」、サビではビートに合わせて腕を左右に振る姿は“バイバイ”をしているような光景が広がった。

 この場所は初めてCDを販売したところでもあり、初めてワンマンをした由縁の地だと語るメンバー。今回のツアーは、ゼロからスタートした日本での1年間の活動の集大成だと話す。続いては、「とても大切な曲です」と話し「Yellow」を届ける。Shawnはアコギを手に取り、オーディエンスはスマホのライトを点灯させ、ステージへ向け光を送る美しい光景が会場に広がるなか、叙情的なバラードナンバーをしっとりと歌い上げる。JK(Ba)の指から紡がれる温かい低音、Shawnの乾いたアコギの音が、歌に寄り添うようにエモーショナルに響いていた。

みなさんは僕たちの“Lily”達です

記念撮影

 続いて、ステージ後方からフロアに向かって差し込むレーザーがnoovyを照らすなか届けた「Lily」。その儚くも切ない歌に耳を傾けて静かに聴き入るオーディエンスの姿。JKはこの曲をやると「沢山ストーリーを思い出す」としみじみ話し、Shawnは「みなさんは僕たちの“Lily”達です」と告げ、「なので、次の曲でキスしましょう」とShawnが初めて作詞・作曲した「First Kiss」を披露。

 甘酸っぱい恋模様を描き出すようなナンバーで、間奏ではコール&レスポンスで多幸感溢れる空間が広がる。Hankは最後に投げキッスも。そして、Markの威勢のいいカウントから新曲「Dunk Shot」へ。“チャチャチャ”と全員でクラップで楽しむセクション、noovyらしさが全開のカラッとした初夏を感じさせるロックナンバーでヒートアップ。

 MCでは、現在新曲をレコーディングをしていると嬉しい報告も。そして、今年リリースされたばかりの「Singin' for you」を披露。Shawnがカポタストのつける場所を間違えるハプニングがあり、リスタートする場面もあったが、次はバッチリ決めファンへ向けたラブソングを笑顔で歌い届けた。

 「終わりたくない...」と今の気持ちを告げ、ファンの皆さんたちと同じようにいつも側にいてくれるような大切な曲、「Garage」をラストに届ける。バンドが続く限り歌い続けるであろうナンバーは最後を締めくくるのに相応しい勢いとエネルギーを放っていた。HankがShawnの肩にもたれる場面はほっこりとした気分にさせてくれた。オーディエンスも手を振り上げ、ボルテージはマックスのなか、本編を終了した。

 アンコールに応え、「皆さん一緒に歌いましょう」と初期の頃からある楽曲「Knockin’(仮)」を演奏。夕焼けを想像させる哀愁漂うライティングのなか、ミディアムナンバーで扇情させていく。ライブの余韻を残すように丁寧に歌い上げ、オーディエンスによる美しいシンガロングが会場を満たす。そして、オーディエンスからのリクエストでもう一曲「ONE」をラストに披露。グリーンカラーのタオルを掲げ、会場がひとつになり、初めてのツアー『1st TOUR「Singin' for you!!」』は大団円を迎えた。

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