花束を結ぶリボンになれたら、三浦祐太朗　歌い継いで感じた変化

各曲を花に喩えたら…

三浦祐太朗（撮影＝冨田味我）

――「ハタラクワタシヘ」はユニクロのWeb CM曲ですね。これもヒャダインさんが手がけた楽曲です。歌詞の冒頭で＜叱られるより叱る方がしんどいってこと 学びました＞とありますが、三浦さんは叱ったりするのでしょうか？

　僕は後輩がいないので、あまりそういった場面はありませんね。

――では後輩がいたら叱ったりも？

　いやあ、結局怒らなそうです（笑）。人に向ける怒りの感情が凄く嫌いなんです。もちろん怒ったことはありますけど、すごく少ないと思います。あってもその記憶はすぐに消します。“忘却”という技があるので（笑）。

――＜もしもあの時　違う道を選んでいたなら＞というフレーズもありますが、そういったことを考えたこともありますか。

　それって働き始めて絶対思うことですよね。僕はありがたいことに歌をずっと続けていきたいなというのがあったんですけど、例えば僕が先生になっていたらどうなっていたのだろうとか、もしそっちの未来だったらどうなっていただろうと考えることはあります。

――辛いときにそういうことを考えてしまいますよね。でも働くということはいいことですよね。

　自分を前に進めることですから。自分自身にたまには「お疲れさま」って言ってあげることは大事だなと、そういう意味合いがこの曲に込められています。

――さて、『FLOWERS』ということで、各曲を花に喩えるとしたらどんな花になりますか？

　いい質問ですね（笑）。考えたこともなかったです。「ハタラクワタシヘ」はタンポポですね。「届かない歌」はユリで、「WITH (10 years after Ver.)」はヒマワリです。そして、「月と木星の距離」がモミジの葉…花じゃないか（笑）。「Home Sweet Home !」は弾けるような感じなので、熱帯の派手な花というイメージでハイビスカス、「凍てつく太陽」はクチナシノハナ、「菩提樹」はそのまま菩提樹ですね（笑）。「あさってのほうへ」は、う〜ん…ブタクサかな。しぶとい雑草感といいますか。でもブタクサとか入った花束は嫌だろうな…花粉が凄そう（笑）。

――『FLOWERS』に裏テーマはあったりしますか？

　“釣り針”でしょうか。初めて僕を知る人がこのアルバムを聴いたら、よくわからないと思っていまして。ハチャメチャな８曲が集まっているから「どんな人なんだろう？」と思うはずなんです。これをきっかけに自分の過去を掘り下げてくれたりとか、「ちょっとライブに行ってみようかな…」とか、この『FLOWERS』大きな釣り針になってくれたらいいなと思います。

（おわり）