爽やか路線から一転、イコラブ チャレンジが詰まった新たな一面
INTERVIEW

爽やか路線から一転、イコラブ チャレンジが詰まった新たな一面


記者:榑林史章

撮影:

掲載:18年05月16日

読了時間:約12分

 12人組アイドルグループの=LOVE(イコールラブ、略称=イコラブ)が5月16日に、3枚目シングル「手遅れcaution」をリリースする。HKT48指原莉乃と代々木アニメーション学院のタッグによって誕生。アイドルを愛する指原のプロデュース力と作詞センス、アイドル路線のど真ん中をいく楽曲テイストで、アイドルファンを中心に人気を集めている。これまでは笑顔や爽やかさが印象的だったが、今作の表題曲では一転、ファンの裏をかいた笑顔なしのダーク路線を展開。指原の手腕が光ると作品と言えるだろう。また、ドラマ仕立てのMVは、メンバーは「チャレンジが多くて大変だった」と話しているが、それだけにちょっとしたメロドラマを観るようなクオリティの高さで早くから評判だ。今回はメンバーを代表して大谷映美里、佐々木舞香、髙松瞳の3人に、制作の裏側や楽曲にまつわるエピソードを聞いた。【取材・撮影=榑林史章】

今まででいちばん苦戦したシングル

「手遅れcaution」Type-A

──今までは爽やかなイメージでしたけど、「手遅れcaution」は“黒イコラブ”みたいな感じですね。

大谷映美里 そろそろ変化球がくるかなと思ってはいたんですけど、いざ来てみたらこういった曲で驚きました。初めての曲調で、どう表現したらいいんだろうと、最初は少し不安がよぎりましたけど、同時に歌うのが楽しみな気持ちもありましたね。

佐々木舞香 最初はびっくりしましたけど、こういった格好いい系の曲は大好きなので、歌うのが楽しみでした。歌詞を読んで、どんなMVになるんだろう? って、自分で想像するのも楽しくて。

髙松瞳 歌詞の内容は、みんなが「“女の子と女の子の関係”のことを歌っているんだよ」と話していて。そうだったら、どうやって表現したらいいんだろう? って、表現の面で最初は不安がありました。振付も難しかったし、いちばん苦戦したシングルになりました。

──ダークさもあるロックナンバーですが、歌うのに苦戦したところはどんなところでしたか?

大谷映美里 すごく力強く歌う曲で、Dメロには自分のソロパートがあるんですけど、最初は強い声があまり出せなくて。とにかく音をハズしてもいいから、声を前に出すことを意識して歌いました。

佐々木舞香 私はこの曲と相性が良かったみたいで、苦労という苦労はなくて。ディレクターさんからも「舞香ちゃんいいね!」と言っていただいて、調子に乗って歌わせていただきました(笑)。ただ一カ所、ソロパートがどうしても棒読みになってしまって。ディレクターさんからのアドバイスで、私たちが東京ドームとか大きな会場でコンサートをやっている様子を想像しながら歌いました。いつかはわかりませんけど、現実になったらいいなって思います。

髙松瞳 私は、強く歌う歌い方が、どうしても苦しそうに聴こえてしまって。ディレクターさんからのアドバイスで、「僕らの制服クリスマス」を歌った時の声と歌い方をしています。ただ、この曲のための歌い方や声を見つけ出すことができなかったので、それは少し心残りです。次はその曲に合った、その曲のための歌い方を見つけたいです!

──MVは、サスペンス調のドラマ仕立て。冒頭は楽しそうな教室の風景ですけど、曲が始まると一転してみなさんの表情が険しくなって戦慄が走る。

大谷映美里 私は、写真を撮ってもらおうと男の先生に携帯を渡すシーンがあるんですけど、「その一瞬でオンナを出してほしい」という演出があって。そこは、メンバーの(諸橋)沙夏が、『クズの本懐』というドラマの先生役と私の役が似てると、教えてくれたんです。それで、そのドラマをチェックして役作りをしました。

──佐々木さんと髙松さんは、雨のシーンやキスシーンもあって。

佐々木舞香 すべて新しい経験だったので、基本的にはすごく楽しかったです。(野口)衣織と私が屋上でどうにかなりそうなシーンでは、それを観た瞳が泣くんですけど、瞳の表情がすごく苦しそうで、それを見て私まで泣きそうになってしまって。衣織のことが見えなくなるくらい瞳の演技に引き込まれました。それくらい気持ちがアガったし、なり切って演技ができました。

髙松瞳 そのシーンは、監督から「本当に涙を流してほしい」と言われていたんですけど、いざ撮影が始まったらまったく泣けなくて。休憩を取ったりしながら何度もやって、最終的には泣くことができたんですけど、残念ながら全部カットされました(笑)。

佐々木舞香 すごい顔だったもん(笑)。

──まあでも、演技という面でも成長できたわけですね。

佐々木舞香 2月に『あにてれ × =LOVE ステージプロジェクト「けものフレンズ」』で舞台を経験したのが、大きかったかもしれないです。舞台ではお客さんに顔を観られるわけで、そこも意識しないといけないんですね。その舞台で学んだ表情の作り方が、活かせたんじゃないかと思います。

──また、ダンスシーンは黒ずくめの衣装で激しく踊っていましたが、そこはいかがでしたか?

大谷映美里 フォーメーションの移動も多く、動きも激しいですけど、真上を向く振付では周りが見えないので、ぶつからないようにするのが大変です。あと、足下が泥だらけになってしまって。

佐々木舞香 当日は天気が良かったんですけど、あえて濡らして泥だらけにして撮影したんです。泥だらけになっていることで、心の傷が表現できたと思います。綺麗なままじゃない感じが逆にいいんだなって、改めてMVを観た時に思いました。

──裏のどろっとした部分を見せられると、こちらはドキッとしますからね。黒の衣装はどうでしたか?

髙松瞳 すごく格好いいです。よく観ていただくと、パーカーのひものところに私たち12人の名前が入っていて、袖には「Depend on you.」と「You complete me.」という、歌詞の英語フレーズが入っています。ライブではそれを着て踊っているんですけど、野外ではすごく暑いです(笑)。

佐々木舞香 でも瞳が汗だくなのは、いつものことです。「お風呂に入ってきたの?」っていうほどビショビショです(笑)。でもそうやって頑張っている姿が、ファンの方には嬉しいんでしょうね。

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