民謡の魅力
――民謡の魅力とは何だと思いますか?
その土地ならではの風景や暮らし、歴史があってこその歌というか、自然と生まれて歌い継がれて来たのが民謡と自分は認識しています。だから民謡を聴くとその街の風景が浮かぶというか。民謡から漂う香りというか、風情というか、それが素晴らしいと思います。何となく深みがあると言うか、初めて聴いても日本人のDNAを呼び起こすのでしょうか? ふっと聞いても、思わず耳を傾けてしまうような不思議な魅力があると思います。
そこには物語があると思いますね。新しく「唄で巡る日本遺産」というコーナーができて、街の歴史にスポットを当てていこうということになって。そこもまた今年度からの新たな魅力になると思います。
――5年間、番組に携わられてご自身の中で何か変わられたことなどありますか? 聴く音楽が変わったなど。
いろいろあるんですけど、もともとTOKIOでやってきた音楽や僕らが小さい頃から聴いてきたテレビなどで流れる音楽って、テンポが一定でリズムが分かりやすいじゃないですか。民謡の場合は、どこでテンポとって合わせているのかということが分からないんですよ。
横で見ていても、それがずっと不思議だったんですよ。尺八が歌を追いかけてもそれが歌、民謡として成り立っているんですよね。「面白いな、この音楽は」と思って。指揮者がいる訳でもなくて。三味線をやるようになって、「よっ」ていうのでバチ上げるとか教えてもらいました。だから最初は遅れてしまって。松岡のシンバルの音から入ることに慣れているので「ワンツースリーフォー」って言ってくれないと入れないんですよ(笑)。
――印象に残っていることなどありますか?
毎回、物語があって。広島で子供時代に被爆して、病院で喉の手術を受けた方がいらしたのですが、お母さんに「吹けるようになるといいね」とハーモニカをプレゼントされたんですね。それでハーモニカで「子守唄」を吹いてもらっていたらしくて、奇跡的に回復してその方が亡くなったお母さんに「子守唄」をハーモニカで吹いたんです。
そのバックボーン聞くと、切なく響くというか。子から親への「子守唄」って何て素晴らしいんだと。毎回出会いがあって、NHKのスタッフさんや、キャスティングしてくれたうちの事務所に本当に感謝しています。これまでの出会いが自分の中で小さいのか、大きいのか分かりませんが影響を与え続けてくれていると思います。
――今後、三味線や民謡を周りの方々にも聞かせていくのでしょうか?
うちの両親はびっくりするでしょうね。「何してんの!?」って(笑)。でも、これはTOKIOとはまた違う世界観で“応援団長・城島茂”としてやらせて頂いているので、この番組の中で大事に育んでいきたいなと思っています。
そして表現方法のひとつとして、『民謡魂』を応援できたらいいなと思います。ナレーションなどの言葉ではなく、音楽で応援していきたいですね。音楽で表現できるものが1つ増えたので、今回はオリジナル曲でしたが、心に響く民謡ならではの表現で皆さんも知っているような曲を演奏していけたらと思います。
(おわり)
番組情報
『民謡魂 ふるさとの唄』
NHK総合
放送日時:4月30日 午後3時05分~午後3時49分(4月放送回)
<中国ブロックのみ>5月6日 午後1時05分~午後1時49分

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