シンプルに歌って感動させたい、Crystal Kayが思う「幸せ」とは

素直に歌ってメッセージや歌詞を届けられたら

――ケイさんが思う、理想の歌の表現方法は？

　何も飾らないことです。ギミックやテクニックとかを使わないでシンプルに歌って人を感動させられるくらいになれたらいいなと思います。みんながみんなそういう訳ではないですけど、私が思うにテクニックでごまかそうとしているというか。何もテクニックを使わないでスパーンと素直に歌ってメッセージや歌詞を届けられたら最強です。

Crystal Kay（撮影＝冨田味我）

――ビブラートを多用しなくても、などそういう感じでしょうか？

　そうです。今、ビブラートをどれだけ使わないで歌えるかというのが私の課題でもあって。

――ビブラートは無意識に出てしまうような、癖になってしまっている方もいますよね？

　そうですね。私もストレートに歌うのは凄く難しいです。「幸せって。」も歌もけっこう真っすぐに歌っています。面白いのが、洋楽でヒットしているテイラー・スウィフトとか海外の有名シンガーを聴くと、けっこうみなさんビブラートなしで歌っていることが多いです。

　一般の人はそんなにビブラートを使って歌うわけじゃないじゃないですか？　素直にストレートに歌うわけで、だからより伝わるし、その歌がヒットしてるんじゃないかなと思います。ビブラートとかそういったギミックはレコーディングではやらないで、ライブでやります。

――そんなテイラーもライブではビブラートを？

　テイラーはカントリーミュージックの人なので、基本あまりビブラートは多用しないけど、メロディをフェイクさせたりはしています。私の中でライブで歌い方やメロディラインが違うとライブならではという特別感がでますし、その時にしか聴けないというのも良いなと思います。

――ということはケイさんの「幸せって。」もライブではニュアンスなどはその時で変わっていくわけですね。

　もう、ライブをやるごとにどんどん変わって行くと思います（笑）。

――曲が成長していくわけですね。メロディがメロディ以上になったりしていく瞬間もあって。さて、６月にはアルバムもリリースされますが、どのような作品になりそうですか。

Crystal Kay（撮影＝冨田味我）

パフォーマンスのことも考えて制作していて、最近私が聴いているフューチャーベースのようなダンスナンバーもあったり、R&B系の楽曲もあり、全体的にはポジティブなアルバムに仕上がって来ていると思います。

――初めはネガティヴだったとしても最終的にはポジティブが良いですよね。

　やっぱり希望があった方がいいですから。私が普段聴いている曲の中にはダークな曲もあるんですけど、洋楽の場合、英語という響きの雰囲気もあって、歌詞に希望がなかったとしても聴けちゃったりするんですけど、邦楽は歌詞を重視しているところもあるので、そう簡単にダークな部分だけでは難しいです。切ないバラードだったとしても、どこかで前を向く部分があったり、希望がありますから。

――ケイさんのようなパワーを持った方に、背中を押すような言葉を言ってもらえると多くの人が勇気づけられますから。では、ケイさんにとって音楽とはどのような存在でしょうか。

　うーん、第六感かな…。あとは、世界を平和にしてくれるものだと思っています。おそらくみなさんも、音楽がなかったら生きていけないんじゃないかな。

――2011年に東日本大震災が起こったときに、音楽の力で人の心が救われたこともありましたから。

　きっと音楽がなかったら今の世界は滅びていると思います。

Crystal Kay（撮影＝冨田味我）

――もし音楽がこの世からなくなったら？

　もう私は死んじゃいます。私は歌って生きているので、なくなったら本当に死んじゃいます（笑）。あと、世界との繋がりもなくなると思いますし、ハピネスがなくなってしまうと思います。

――ハピネスのためにこれからも良い音楽と歌を届けて欲しいです。では最後に読者の方にメッセージをお願いします。

　先日も朝の５時までアルバム曲のレコーディングをしていて、魂の叫びとも似た歌が録れています。聴いて欲しい曲も沢山出来ているので、楽しみにしていてください。あと、自分にとって幸せだなと思うことが見つけられるように応援しています。

（おわり）