芸術と芸術が重なって一つの芸術に
――楽曲にまつわる様々な要素が入っていて、ジャケットのアートワークもいいですね。これはどのような想いから?
大野裕司 今回のテーマの一つに「音楽も芸術」というものがあります。なぜ芸術が人が生きていくのに必要とされているのかというところまで掘り下げました。その中でどのように音楽を作るかというのを考えていて、絵という音楽とは別の芸術を尊重して、一つの作品として混ぜたいなと思いました。芸術と芸術が重なって一つの芸術になるのが文化の発展だと思います。なので、思ったように作ってくださいとデザイナーの波平昌志さんにお願いして製作してもらいました。
――波平さんは「少年と夢」に出てくる宝石に、強くインスピレーションを感じてこのデザインになったんですよね。
大野裕司 「砂時計」がリード曲ではあるのですが、それに引っ張られるのではなく、感じた通りに作ってもらったので面白いなと思いました。みんなそれぞれのリード曲があっても良いと思いますし。
――では皆さん各々のリード曲を教えていただいてもいいですか?
テンメイ ぼくは「今日もわたしは」です。曲調もあるのですが、自分のギターが素直に出ているんです。さらけ出したつもりはないのですが、これはテンメイが弾いているとわかる演奏になったと思っていて、ココロオークションと僕の親和性が高い1曲でお気に入りです。素朴な感じもすごく好きなんです。
あと、今回のアルバムの曲はギターとしても意識が変わった部分が多かったので、過去にリリースした「星座線」や「フライサイト」とは違ったものになっていると思います。
大野裕司 やっぱり僕は「musical」です。曲の出来方にもドラマを感じましたし、サウンド感的にはなんとなく出来上がっていたんですけど、この曲が花開くきっかけをなかなか掴めなくて…。放置していた時間が長かったんですけど、他の曲が出来てきて一気に完成に向かいました。その時の感覚は思い出そうとしても思い出せないんですけど、自然と出来上がっていったのでびっくりしたというのもあって。
粟子真行 僕は歌詞的に何ですけど「ハローグッバイ」です。切ない感じが出ていてお気に入りです。<ふっと 風が吹いて 君の髪を揺らした>というのもそうですし、<なぜか君の手を 握っていたよ>という衝動的なところや、青春が見える感じが好きです。
――<分け合ったイヤフォン 歩きにくいけど>というところの情景が浮かびますね。
大野裕司 ジャケットでもそこをピックアップしてくれていますしね。
――でもこれからはBluetooth(ワイヤレス)が主流になりそうなので、この歌詞のことも過去の出来事になってしまうかもしれませんね…。
粟子真行 あ〜そうか! それは嫌だなあ(笑)。
大野裕司 それはそれで不自由さも出てくると思うので、その人たちがどこでキュンとするのか興味がありますね。混線とか(笑)。
――確かにその時に思うことはあるんでしょうね。井川さんの推し曲は?
井川聡 リズムで言えば「妖精のピアス」ですね。なぜなら踊ってもらえるドラムを叩く自身があるんですよ。今までの僕だったら「ハローグッバイ」と言っていたと思うんです。こういう横揺れで16ビートのリズムは今自分が踊らせたいリズムなんです。
――リズムに対しての感覚がまた変わってきたんですね。
井川聡 最近思っているノリや音を、もらったデモに対して「俺はどうやったらこの音源に対してノリを出せるかな」ということを昔に比べて本当に考えるようになりました。
――感覚だけではなくなったという感じでしょうか?
井川聡 そうですね。昔はさらっとプレイしていたところも、自分ので出音とかまで凄く考えます。そのうえでノリを出そうという意識に変わっていきました。例えば「今日もわたしは」これまでのノリに近かったので結構スムーズに録れたんですけど、難しかったのが「砂時計」や「かいじゅうがあらわれた日」で、この2曲はノリを出すのに苦労しました。
――これはライブが楽しみですね。最後に4月から渋谷 PLESURE PLESUREを皮切りにツアーが始まりますが意気込みをお願い致します。
大野裕司 僕らのイメージとしてもホールってきっと似合うと思ってもらっていると思っていて、ココロオークションとしてもホールというのを目標としてやってきたので、夢が叶うというのもありますし、曲がより輝く空間になると思います。『Musical』の曲たちを今の音楽シーンでやれるということにワクワクしています。お客さんにもそれを楽しんでもらえる場を作りたいです。
粟子真行 誰かの人生観を変えられたら良いなと思っているので、ライブでもMCではなくて音楽からメッセージを受け取ってもらえたら嬉しいですし、そういう余韻を与えられるステージにしたいです。
(おわり)
- 粟子真行
- テンメイ
- ココロオークション
- ココロオークション
- ココロオークション
- 大野裕司
- 井川聡















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