如何にして“音楽”にするか、ココロオークション 苦悩の先の光
INTERVIEW

如何にして“音楽”にするか、ココロオークション 苦悩の先の光


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年03月31日

読了時間:約16分

生きることは宇宙の歯車、自分の場所に行くこと

――みなさんにとって「今を大切に生きること」とは?

大野裕司

粟子真行 僕の考え方なんですけど、「生きる」って別に理由もなく生きることはできると思います。「生きる理由」があると、本当に辛いときに転ばない杖になるんですよね。生きることは宇宙の歯車、自分の場所に行くことだと思っていて。

――宇宙の歯車とは?

粟子真行 好きなことを追い求めていったら、きっとそこに辿り着けるんですよ。例えば「甘いものが好き」とか「カレーが好き」とか、些細なことでもいいんです。そういう色んな「好き」が自分を作ってくれて、それが色々集まって行くべきところに連れて行ってくれるんです。行くべき所や、会うべき人など。大切なのは自分に嘘をつかずに「好きなものを好き」と、ちゃんと言えることだと思っています。

井川聡 僕は、「守りたいもの」を見つけたらいいんじゃないかなと思います。僕がバンドをやっているのは、まわりの人を幸せにしたいとか、ココロオークションというものをもっと高めたいし、良いものにしたい、傷つけたくないという思いがあります。人生を通して自分が守りたいと思うものがあれば、それはやる気にも繋がるし、楽しくなるんじゃないかなと。

テンメイ 僕も粟子さんと同じで、好きなことを好きと言うことは大事だと思います。しんどいことがあっても、待っていれば次に楽しいことがあるから自分で作ったりするんですよね。例えば「このツアー長いな」と思ったら「帰ったら絶対に肉を食べに行こう」とか。

――小刻みにゴールを決めるといい、という感じですね。

テンメイ それは実践していますね。肉食べに行こうとか麻雀しようとか(笑)。けっこう娯楽は好きです。漫画を読んだり映画を観たりとか。

――それは生きる糧になりますね。

テンメイ 楽しみが多ければ多いほどいいと思います。

――そうなんですよね。現代は情報過多で、嫌というほど情報が入ってくるので、受け身でも自動的にどんどん情報がきます。もう最近は自分から情報を欲することが少なくなってきている気がしています。

大野裕司 主導権が自分であるというのは非常に大事だと思います。僕は入る情報は基本的に止めています。ニュースも見ないし、音楽も聴き放題では絶対に聴かないし。良いと思ったものだけ探しに行きます。

 多過ぎることによって主導権を握られるのが凄く嫌なんです。自分がこう思ったからこうやっているという実感が常にないと怖くなってしまう部分もあるので、それは意図的に守っています。自分が自分であるために。

――それが実行できるというのは凄いですよね。

大野裕司 まあ、それを許してくれる人がまわりにいるからだと思います。許してくれる人がいない場合は自分でその環境をつくるしかないです。生きることって、そのための準備は必要だと思うんです。

――インプットを止められるって凄いですね。

大野裕司 僕はインプットは要らないと思っています。生きているだけでインプットできると思っているので。メンバーとスタジオに入っているだけで音楽は十二分にインプットできるので。あとは新しいものをストックできればいいだけかと思います。

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