虹をキーワードにしたストーリーを感じて
――「Rainbow road」という曲もありますが、ストレートなメロコアサウンドで、ライブで絶対に盛り上がりますね。
小野武正 こういうタイプの曲はちょこちょこありましたけど、明るく突き抜けていくという部分で、すごく強い曲になりました。ライブ映えもしそうだし。
首藤義勝 野外でやったら気持ちよさそう。
――アルバムのタイトルが『Rainbow』で、それとも関係があったり?
首藤義勝 アルバムのタイトルを付ける時のヒントになりました。「Rainbown road」は巨匠(寺中友将)の弾き語りで終わるんですけど、そこを聴いていた時に、アルバムのハイライトになりそうなシーンだと感じたんです。それに最後の<七色の放物線>という言葉が、キーワードになりそうだとビビッと感じて。それに「雨宿り」とか、虹を連想させる曲もあるし。数えるときりがないほどリンクする部分があったので、アルバムのタイトルを『Rainbow』にしました。
――虹のように多彩な色(曲)のあるアルバムでもあるし。
八木優樹 それに『Rainbow』という物語と言うか、アルバムを通して聴いた時に、虹をキーワードにした1つのストーリーを感じてもらえると思います。ぜひそんな風にも聴いてほしいです。
小野武正 このアルバムは、1つの要素だけでは成立しなくて、七色あって1つの虹みたいな感じに、いろいろなテイストだけどいい曲が集まって1つのアルバムになっている。そのことを、すごく表している言葉かなと思います。
――そしてラストに収録の「FLOWER」は、家族とか子どもとか大きな愛を歌ったメッセージ性があって、温かい気持ちが残る曲だと思いました。ライブの最後にやって、観客がみんなで肩を組んで揺れるみたいな絵も浮かびました。
首藤義勝 そうですね。そういうシーンも合いそうです。歌詞は、男女のラブソングではなく、もっと大きな意味で、無償の愛とか親から子に対する気持ちをテーマにして書いています。イントロで木琴みたいな音を入れているんですけど、録っている時にすごくハッピーな音色だなと感じて。そういうサウンドに自然と引っ張られて、こういう歌詞を書きたい気持ちになったんだと思います。
八木優樹 今までの曲の中でも、前向きさと温かさや人間味みたいなものが出ている歌詞で、それを歌い方の表現でもちゃんと出せている曲で、すごく好きですね。
――歌い方も意識した?
首藤義勝 そうですね。やさしい気持ちで歌うように意識しました。トゲがないようにと言うか。ロックバンドなので難しいんですけど。
小野武正 ただメインギターのリフは、義勝くんのデモから入っていたんですけど、自分の中にはなかった運指パターンだったので、どういう風に弾いたらスムーズに聴こえるか探って。今回のレコーディングで、いちばん時間をかけました。義勝くんはギターで作っているわけではなくて、いい音の並びを打ち込んでメロディを作るんです。それをギターで弾こうとすると、指の動きが難しくなる時があって。
首藤義勝 ギターで作る場合もありますけど、この曲の時は耳障りだけで音を決めて打ち込んでいったので。
小野武正 実際に弾くと難しいんですけど、染みついてしまえば何の問題もありません(笑)!
――お話を聞くと、細かくいろいろなアイデアやテクニックが詰まっているようですね。でも全体を通した印象としては、簡単というわけではないけど、スッとまっすぐ入ってくる感じがありますね。
小野武正 そうですね。決して難しいことをやろうとは思っていないし、やりたいことをやっているだけで。やったら難しくなってしまったということは、多少ありますけど。
八木優樹 そもそも難しいことができないですから(笑)。
小野武正 そういう部分では、自分たちのやりたいことが、より顕著になったアルバムだと思いますね。
――そんなアルバム楽曲を生で聴けるツアーが、4月からスタートします。『Rainbow road Tour 2018 〜おれ、熊本で2番目に速いから〜』というタイトルですが。
小野武正 俺が巨匠と出会った時に、巨匠が言った言葉が「おれ、マリオカートが熊本で2番目に速いから!」だったんですよ(笑)。今回のツアーは、ファイナルが巨匠の地元である熊本なので。
八木優樹 付け加えると、マリオカートに「レインボーロード」というコースもあって、アルバムタイトルはそれにも掛かっています。
小野武正 大学の入学式の日だったんですけど、初対面で最初に言ったのがコレですからね。でも、この突拍子もない一言がなければKEYTALKの結成に繋らなかったわけで…。
首藤義勝 これが本当の話だから、まったく恐ろしいです(笑)。
――どんなツアーにしますか?
八木優樹 1公演1テキーラ飲みます(笑)!
首藤義勝 じゃあ、僕はウーロン茶割りを(笑)。
小野武正 それなら俺は、芋焼酎のお湯割りで(笑)。それくらい楽しいツアーにしたいということです!
作品情報KEYTALK <CD収録内容> <完全生産限定盤DVD収録内容> 公演情報▽KEYTALK「Rainbow road Tour 2018 〜おれ、熊本で2番目に速いから〜」 ▽KEYTALK 幕張メッセワンマン |