根を張る貴重な経験、Do As Infinity 20周年を前に迎えた成長期
INTERVIEW

根を張る貴重な経験、Do As Infinity 20周年を前に迎えた成長期


記者:平吉賢治

撮影:

掲載:18年02月27日

読了時間:約16分

サウンドとシンクロする言葉の紡ぎ方

――「火の鳥」の歌詞がとても文学的に感じます。日常ではあまり使わないような言葉が散りばめられていて。

大渡 亮

伴 都美子 それと声に出して歌ってみての聴こえ方って本当に重要だと思いました。

――西洋的なイメージもありながら、芯に凛とした日本の心があるという伴さんのイメージと合っている歌詞と感じました。

伴 都美子  ありがとうございます。普段から、たまたま見かけた風景とか絵とか、自分が思いもしなかったものがインプットされていることがあるんです。それがふと夢で出たり、記憶に残っていたりすることがあって、これもそういう景色。「あのときの景色は印象的だった」ということからイメージを膨らませていくんです。朝焼けが鳥のように見えたり。

――歌詞の世界観とサウンドがピタリと合っている印象です。アコースティックギターのサウンド、リズムと言葉が絡み合っているように聴こえます。

伴 都美子 澤野さんの特徴でもあるんですけど、譜割りが密なんです。コーラスもそうですが、彼の中で設計図が出来ているんですね。

――「GET OVER IT」は大渡さんが作詞で、「火の鳥」は伴さんが作詞ですが、お互いが書いた歌詞をどう思いますか?

伴 都美子 「GET OVER IT」の歌詞を最初LINEで送られてきたときは、「もう完成されている」というか、亮君っぽくてパーフェクトという感じでした。別に「ここをもっとこう…」というのはなかったです。言葉の乗っけ方もすぐ理解できるし。多分、私の方は逆で「わかりづらい!」ということがあると思うんです。

大渡 亮 「誰が、誰に、何を」ということがわからないところもあって。そういうところを「初めて聴いてわかるようにしなければ」ということを言っても「それが歌詞なんだ!」と言うから…。

 それじゃ伝わらないから、ということは何回かありましたね。だから俺は「せっかく書いたんだから伝わった方がいいじゃないの」って言うんですよ。そういう風に最後に指南するのが役目なのかなと。

伴 都美子 「唯一の真実」もタイトルは違うものがあって「私はこっちでいきたい!」って言っても「重たくないかあ?」って。

大渡 亮 エンターテインメントってみんなで共有するものだと思うから「耳に残りやすいものにしようよ」と言ったんです。もともとのタイトルは、硬いというか歌詞やタイトルにする言葉ではないという違和感だったんです。もうちょっと押されたら「それでいいんじゃないか?」というところまでいったんですけど、澤野さんの一声で「唯一の真実」に変わってくれたので良かったなと。

――大渡さんと伴さんのある種、逆の感覚というか、それが良いコンビネーションで物事が決まっていくのですね。

大渡 亮 そうですね。せっかく書いたものが正しく機能しないのは惜しいと思っているだけなんですよ。「誰が、誰に言っているのか」というのを整理するだけでエンターテインメントになるんだったら、それは言いづらくても言わなければいけないなと思ってます。

 歌っている人で、自分でメッセージまで書くんだったら、伝わらないものよりも、伝わった方を世に残した方が後々良いんですよ。ライブのときとか、本気になってステージからお客さんにそれを言うことができるんです。そこが謎だと自分の殻の中に閉じこもった歌で終わっちゃうんです。

 俺は、共有してこそだと思うんです。例えば、「今回は趣味の世界を作ったものです。これで良かったら買ってください」というのもあるんですけど、本流から大海へと広く流れるように、そういう感じの方がいいじゃないですか?

伴 都美子 でも、小川のせせらぎも好きだったりしません?

大渡 亮 それもいいけど、もっと大きい海に行こうや! 

一同 (笑)。

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