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今年ブレイクが期待されている女優がいる。大阪出身、23歳の仁村紗和(にむら・さわ)だ。凛々しい顔立ちに太い眉が印象的。住友生命のテレビCMでおつる役を演じ、話題に。昨年まで東京急行電鉄(東急)のイメージキャラクターを務め、昨年放送のフジテレビ系『明日もきっと君に恋をする』では初ドラマ主演に抜擢された。映画やドラマなどへの出演が続々決まっている注目の若手女優だ。そんな彼女は父の影響で中学生1年からダンスを嗜み、ソウルミュージックを愛聴。ダンスは「表現者としての原点」とも語っている。【取材=木村陽仁/撮影=大西 基】
太眉、おつるが話題に
2015年に放送された住友生命のテレビCM「あの人の未来診断」篇。白い和服に赤のはち巻き、端正なルックス、シュールな「お鶴」は当時反響を呼んだ。これを演じたのが仁村紗和だ。昨年は、東京急行電鉄、いわゆる東急のイメージキャラクターを務め、車内広告に登場した。太い眉が印象的だが、佇まいは昭和の雰囲気を感じさせ、落ち着いた語り口も手伝ってどこか品の良さを感じさせる。そんな彼女は大阪出身。お笑いが好きで、在阪中は良くお笑い番組を見ていたそうだ。20社からスカウトされ、選んだのはサンミュージックだった。森田健作や野村将希、安達祐実など個性派俳優が所属する老舗プロダクションだ。
「実はやりたいことがいっぱいあったんですよ。動物系の仕事に就きたいとか、空港で働きたいとか、ダンスをしたいとか。そう思っているなかでスカウトして頂いて…ダンスが出来たら良いなと思っていました。サンミュージックを選んだのは、業界では老舗で両親が知っていたというのもありますが、両親宛てに手紙を送って頂いたと知って、誠実だなと思いまして」
デビューの2年間でCMが15本。ドラマへの出演も増え、昨年放送のフジテレビ系『明日もきっと君に恋をする』では初主演。更に、AbemaTV初のオリジナル連続ドラマ『#声だけ天使』ではヒロイン役を務め、2月3日公開の映画『巫女っちゃけん。』にも出演。『エレクトラ』では初舞台も踏んでいる。
「大阪ではモデルをしていましたが、上京してお芝居をする機会が増えてどんどん自分のなかで欲が出てきて、女優もやらせて頂きたいなと。初めてお芝居させて頂いた当時は余裕がぜんぜんなくて。でも今は凄く楽しめています」
『#声だけ天使』は、声優に焦点を当てたドラマ。老舗専門学校の声優育成コースに通う岸田建造を中心しとした同級生4人が、声優を目指しながらも、ユーザーのリクエストに声で答えるサービスを始める。仁村は、そのサービスの利用者で建造に一目ぼれされる安西さくらを演じており、闇を抱える難しい役どころだ。
「私が演じるさくらはお嬢様なんです。監督には『普通の女の子に見られたいけど(心に)闇を持っていて欲しい。でも闇を持ち過ぎると悲劇のヒロインになるから、それはダメ』と言われて、その絶妙なところをいくにはどうすれば良いのかを考えました。例えば、セリフで変なところで間を空けたり、喋っている時は違う方向を見たり、そういう細かい所を意識しています」
役に入り込み、自身で工夫をしながら「さくら像」を作り上げていった今回のドラマともあって、学ぶことも多かったという。
「学んだことはたくさんあります。たくさん自分のキャパシティを知られたということと、お芝居の幅も少し広がったなと思います。撮影では求められていることが“できない”と思った瞬間があって苦しみました。それは泣きのお芝居だったんですけど何回か泣くんですよ。普段は泣けるのにその時ばかりは全然泣けなくて、スタッフさんも外で待っているし、30、40分ぐらい待たせてしまって、その間、監督はそばにいてくれて、話を聞いて下さった。最終的に悔し泣きで終わりました。お芝居とは違ったところですけどね」
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