様々な人との出会いが自分を変えた、新山詩織 デビューから5年
INTERVIEW

様々な人との出会いが自分を変えた、新山詩織 デビューから5年


記者:榑林史章

撮影:

掲載:18年01月29日

読了時間:約9分

プロデューサーに引き出された新しい私

――さまざまなプロデューサーとも出会ったわけですが、スピッツなど手がける笹路正徳さんとの制作は、どんなものでしたか?

新山詩織

 自分のなかで最初に笹路さんと出会えたことは、本当に良かったと思っています。私の声を本当に大事にして、声の良いところを出したいと思ってプロデュースしてくださいました。その安心感で、私もありのまま歌えていたと思います。

 笹路さんならではのアレンジの世界観があって、レコーディングにはそうそうたるプレーヤーの方を集めてくださって。最初からその皆さんと一緒に音を出すという経験をさせていただいたことで、自分にも自信が持てました。

――キャリアのあるプレーヤーに混じって音を出すのは、最初は緊張したでしょうね。

 笹路さんの制作は、みんなでスタジオに入って“せーの”で一緒に音を出すというスタイルで、最初は16歳ぐらいの時だったので、本当に緊張しました。でも、みなさんは、本当に温かく受け止めてくださって。緊張や葛藤もありながらでしたけど、本当に大事な時間でしたね。

――ご自身のなかで、転機になったと思う曲はありますか?

 ドラマ『ラヴソング』挿入歌の「恋の中」です。福山雅治さんに作詞作曲していただいて、この曲で初めて月9ドラマにも出演させていただきました。普段は音楽をあまり聴かないけどドラマが好きな方の耳に届き、この曲を通して新山詩織という人物を、より知っていただくきっかけになりました。

 福山さんはとてもフレンドリーに接してくださって、“食べ物は何が好きなの?”など、気さくに話しかけてくださって。プリプロ(プリプロダクション=レコーディング前の楽曲の構成など)でもいろいろ相談させていただいて、レコーディングの当日もさまざまなアドバイスをいただきました。その時の現場には、福山さんにしかない空気感があったと思います。

――自分が書いた歌詞でも曲でもなく、カバーでもない。そういう部分で、歌う時はどんな心持ちでしたか?

 特別な緊張はありましたけど、自分が書いたものではなかったからこそ、どうやって歌おうかと考えることが楽しかったです。ドラマでの役柄もあったので、自分だけど、どこか自分ではない感覚もあって、ドラマのなかで福山さん演じる主人公=神代広平に憧れる宍戸春乃の気持ちとか、いろいろ考えながら歌うのが楽しかったです。

――Charaさんのプロデュース曲「さよなら私の恋心」もありました。

 もともとCharaさんのファンで、子どもの頃にライブを見に行ったことがありますし、Charaさんの曲をカバーさせていただいたこともありました。それに、私がCharaさんを知るきっかけになった、映画『スワロウテイル』の岩井俊二監督にMVを撮っていただいたことも、とても貴重な経験でした。

――女性同士でもあり、福山さんとは違うものになりましたね。

 歌詞や曲を書く前にお話をさせていただいた時も、やはり女性同士というところで、話せる内容も少し違いましたね。学生時代の恋の話もしたし、だからこそ今までの私の曲にはなかった、女性らしさを引き出していただけたと思います。

 Charaさんは色気もあり少女らしさや、かわいらしさもあって、その上で母親でもある。あのかわいらしさのなかにも芯の通った強さがあるところなど、尊敬する女性です。

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