音楽に何を思うか、LAMP IN TERREN 再生への兆しとなった新譜
INTERVIEW

音楽に何を思うか、LAMP IN TERREN 再生への兆しとなった新譜


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年01月26日

読了時間:約14分

「もうわかった!」と言われるぐらいまでねじ込む

——今年は新たな試みとして定期公演『SEARCH』が開催されます。なぜこのタイトルに?

 まず定期公演をやろうという案がスタッフからあったんですけど、個人的には「えっ定期公演!?」という感じだったんですが、準備していくにつれて、自分の気持ちとリンクしているなと気づきまして。もちろん僕らとお客さんは、距離が離れている部分はあるんですけど、逆に僕らがやろうとしていることを見てもらえることはできるかなと思っていて。

 例えば一人ひとりの生活に入り込んで、隣で一緒に作業してあげることは出来ないけど、僕らが探したいものだったり、やっていきたいことを見せてあげることは出来るかなと思っていて。一緒に探していく場所を作ってみたかったんです。ライブという概念をぶっ壊す勢いでいろんなことをやりたいなと。

——毎回趣を変えて?

 出来ない時もあるとは思いますけど、普通のワンマンライブで新しい発見があったと感じる時もあるでしょうし、あとはアコースティックセットでやってみたいというのもあります。あと、これは出来るかわからないんですけど、「キャラバン」のMVの時に旅の一団を物語にしてもらったんです。それは歌があるだけで演技とかしてないんですけど、「キャラバン」で見た映像の人たちは、自分たちがどう思って音楽を続けていこうと思ったのか、みたいなのをお話に出来たら面白いなとも思っていて。劇的なこともできたら良いなと。

——実験的な部分もあるわけですね。

 そうですね。メンバーからもこんなことをやりたいという話は色々と出ていて。例えば、MC一切なしのノンストップライブとか、それを今まとめている段階です。

——毎月バンドの挑戦が観れるライブになりそうですね。それに加えて4月には4大都市を回るワンマンツアー『LAMP IN TERREN ONE MAN TOUR 2018 「MARCH」』を開催します。

 これは定期公演とはまた違ったライブになります。タイトルに付随するライブにしたいという思いがあります。「MARCH」は行進、演舞をしながら演奏するマーチングから来ています。その感じは僕らとお客さんの同じような。僕らは楽器を持って演奏していますけど、聴いてくれている人は聴いているだけではライブにならないなと思っていて、心や体が動いたりお客さんと一緒に演奏していくものだと思っているので、マーチングのそれと変わらないんですよね。その感覚を「もうわかった!」と言われるぐらいまでねじ込んでやろうかなと(笑)。

——過剰に(笑)。

 君達もメンバーなんだよと。そんなツアーになると思います。

——お客さんは覚悟して来た方が良さそうですね(笑)。そんな松本さんがライブで一番高揚感を感じる瞬間は?

 割と日によって違います。種類が違うのかもしれないですけど、沸点に達するのが別の角度から来たりします。例えば、「緑閃光」の間奏で天井が高い会場だとブワっと高まる瞬間もありますし、静寂から始まる「innocence」のイントロでゾワっとなったり、「地球儀」で客席に降りてる時、「涙星群の夜」でギターソロを弾いている時にエクスタシーに達するときもありますから。

——その時々によって変わるんですね。場所と人も重要なわけですね。

 ライブは4人だけでは演奏出来ないんですよね。

——良いライブが出来たと感じる時は、やっぱりお客さんが盛り上がった時?

 目に見えて盛り上がっていなくても、聴いているな、響いているなというのは空気感でわかるんです。なので盛り上がっていなかったとしても、良いライブが出来たというのは感じる時はあります。

——フェスだとまた違った感じになったり?

 フェスはいつも思うことがあるんですけど、明らかに僕らの時だけ異質なものになっていると感じていて。フェスは音楽を楽しむというよりは、フェスそのものが楽しい一日になるように、僕らは機能しているような感覚があります。大体「緑閃光」が終わった時にあそこまで静かになる空間あるのかなって(笑)。拍手すらない時も昔からあって。

——確かに異質ですね。それを確認しに行きたくなりました。では、最後に読者にメッセージをお願いします。

 僕にとって「花と詩人」が自分を見つける兆しになったのと同じように、この曲と一緒に自分の大切な人と気づけるものがあれば良いなと思います。僕らが聴いてくれている人に注ぐ水であるように、その満たされた水を他の誰かに注いで欲しいです。

(おわり)

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